経済産業省を中心として、現在日本における各業界でDXの導入が推奨されています。
データを活用した新たなビジネスモデル・作業の効率化・変化する市場への対応は、企業が競争力を獲得する上で非常に重要な要素となるからです。

しかし、海外諸国に比べて日本企業におけるDXの導入率が遅れているのが現状。
よって、本記事ではDX導入に対するモデルケースとなる企業を4社紹介していきます。

各業界で導入が推進されているDX

DXとは、生産ラインや業務の一部にのみデジタル技術を取り入れるのではなく、組織全体にデジタル技術を導入することで、根本的なシステムの改善から新しい技術へ対応できる組織づくりを目指すことを指します。

各業界が抱える課題

そもそも、なぜ日本企業においてDXの導入が望まれているのでしょうか。
その理由の一つとして、レガシーシステムにより新しい市場への対応力が失われている点にあります。
本来ITシステムは変化する市場に対して、適度にメンテナンスを行うことが求められます。
しかし、このメンテナンスが不十分だと、ITシステムの中で不明瞭な領域(ブラックボックス化)が生まれたり、無駄に複雑で入り組んだITシステムが出来上がってしまいます。
そこで、システムを刷新することで、短期的にはメンテナンスにかかる無駄な費用を削減し、長期的には変化に対応できる組織づくりを目指します。

また、他にも各業界は少子高齢化による労働力不足や技術の継承問題、作業の効率化問題などを抱えていることが非常に多いため、DXを導入することでそれらの問題に対する解決策が求められています。

DX導入が進まない原因

なぜ日本では、DXの導入が進まないのでしょうか。
その理由の一端はDXへの理解不足、そしてDXを適切に扱える人材の不足にあります。

DXを導入する際には、組織が目指すべきビジョンやどの様にDXを活用していくかを明確にしていく必要があります。
しかし、DXに対する理解が不足しているため、明確なビジョンはおろか、DXがどの様なプロセスを介して問題解決に至るのかが分からず、結果としてDX導入に対する推進力が失われることになっています。

また、DXは導入して終わりではなく、適切に活用したりデータを分析できるスキル・知識を持った人材が必要です。
しかし、そう言った人材は貴重であり、不足しているのが現状です。よって、DXの導入を進めるためには、DXに対するスキルを教育するか、もしくはスキルを持った人材を確保するなど、いずれかの手段が必要となります。

DXを導入している企業事例4選

DXの導入を妨げている要因”DXへの理解不足”は、既にDXを導入している企業をモデルケースとすることで、自社がDXを導入した時に目指すべき姿が分かりやすくなります。本記事では4社を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

三井不動産

1941年7月15日に設立し、大型ショッピングセンター”ららぽーと”や”三井アウトレットパーク”を始めとした、街を構成する様々な不動産を手掛ける総合デベロッパー。
それが三井不動産。DXに対する取り組みが評価され、経済産業省・東京証券取引所および情報処理推進機構によって、DX銘柄2022に選定されています。
そんな三井不動産では、以下の二点を目的にDXが推進されています。

  • お客様価値提供のためのDX( 「働きやすい」「暮らしやすい」「楽しい」など) 
  • ビジネスプロセスの効率化のためのDX(お客様の満⾜度向上と⽣産性向上の両⽴)

三井不動産が行っているDX事例の一つとして、「スマートライフパス柏の葉」があります。
柏の葉の住人が無料で利用できるポータルサイトで、登録することで体重を始めとした健康管理や、AI管理栄養士がアドバイスを行ったり、他にも病院へ行かずとも医師への相談を可能とするメディカルノートなどのサービスを提供しています。
コロナによって診察を受けることが難しいなど、医療現場においても様々な課題が明確になりました。
それを、三井不動産はDXを導入することで医療と街をつなげる新たなサービスを提供し、生活利便性の向上やSDGsに貢献しています。

小松製作所

1894年に創業した、現在売上の8割を海外市場が占める、建設機械や鉱山機械の製造・販売を行うメーカー。
それが小松製作所。DX銘柄2022に選定され、それ以前にも「攻めのIT経営銘柄」を含めて6度も選定された、DXにおいて優れた取り組みをおこなっている企業です。

小松製作所では、DXを活用したスマートコンストラクションを提供しています。建設現場が抱える技術の継承問題や労働力の不足に対して、以下の技術を取り入れています。

  • 現場の調査・測量をドローンによる3D測量に
  • 施工計画を3Dシミュレーションに
  • 施工管理をセンサーによる見える化を行い、熟練技術の再現を可能に
  • 現場での判断を、AIによって予測し対処の支援を

建設業界では、現場で作業する作業員によって判断する部分も多く、技術の継承問題は大きな課題点でした。
しかし、そこでスマートコンストラクションを導入することで、数値化・見える化された現場の状況や機械のコントロールは、どんな人にでも熟練の技術を再現しやすくしました。
また、ドローンによる測量は人手による作業時間を大きく短縮し、作業の効率化にも大きく貢献しています。

コニカミノルタ

1873年に創業したコニカと、1928年に創業したミノルタが経営統合し、2003年8月に生まれたのがコニカミノルタ。
ヘルスケア事業・プリント事業・インダストリー事業など、様々な分野でサービスを提供している、日本でも屈指の歴史の長さをもつ光学機器メーカーです。

コニカミノルタで取り組まれているDXが、企業データの見える化。
導入当時の背景として、Excel中心の経営データの収集や分析は、作業量が膨大であり、会議資料を作るにも数日かかったと言います。その結果、細かく変化する市場や経営状況に対応しづらく、現場に混乱を招くこともしばしば。
よって、その問題を解決するためにコニカミノルタでは、Tableauを導入することで、データの収集や分析を迅速に行いタイムリーなデータの活用や、様々な要因における相関関係の分析を可能としました。

当時のコニカミノルタの状況は、DX導入が進んでいない企業において共通する点が多いでしょう。
市場から得られるデータは非常に膨大で、それを人の手によって分析するにはかなりの労力を必要とします。
だからこそ、DXを導入することによる経営データの見える化は重要なポイントだと言えます。

味の素

1925年に設立し、食品事業を始めとしてケミカル事業・医療事業にも取り組んでいるのが、味の素株式会社。
食と健康の課題解決企業を目指し、Eat Well, Live Well.をキャッチフレーズとする味の素では、DXを導入することでその取り組みを強化する試みがされています。

具体的なデジタル技術の活用として、顧客とのタッチポイントを増やして多面的に取得した情報を、食事と健康サービス・献立支援サービス・コミュニケーションサービスへと活用し、新たな顧客体験の創造につなげています。
また、マーケティング面だけに限らず、在庫やコストを始めとした様々な課題が発生するSCMオペレーションにおいて、AIを導入し機械学習を行うことで、高度に整流化されたスマートファクトリーの実現に取り組んでいます。

まとめ

今回は、DXを導入している企業事例4選について紹介していきました。

業界によって抱える課題やその解決方法は異なりますが、今回ご紹介した企業以外にもDXを導入しているモデルケースを探すことで、目指すべきビジョンがより明確になります。
なので、まずは自社の現状や抱えている課題を明確にし、目指すべきモデルケースを探してみてはいかがでしょうか。

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