第 17 回「製造工程作業監査 AI の世界」

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」。この革新の技術が取り沙汰されるよう
になってから、もう半世紀以上の年月が経とうとしています。そう遠くない未来において、
AI が私たちの生活・社会・文化を多方面から支える存在、あるいはそれら自体となり得る、
そのような世界の到来が見込まれているのです。現代と未来に欠かす事のできない、AI に
関する多彩な諸相をお伝えするべく、私たちクリスタルメソッド株式会社が「全 20 回」に
渡って AI 解説記事をお届けしています。第 17 回は、「製造工程作業監査 AI」に関するお話
を致しましょう。

[ハリー・ポッターは実現する?]

本連載記事の第 11 回で触れた「シンギュラリティー(技術特異点:人工知能が人間の知能
指数を超える状態)」で登場した、元 Google エンジニアのレイ・カーツワイル。彼は 2045
年には AI が人間の脳計算を超えるという、指数関数的な予測を提唱した人物です。これま
でもインターネットやウェアラブル端末の「予言」を的中させている電子世界の第一人者で、
その発言には一定の根拠性があります。以下、彼の言葉をもう少し追ってみましょう。
「では、シンギュラリティーとは何なのか?それは、未来、テクノロジーの変化のペースが
あまりに急速で、その影響があまりに大きいために、人間の生活が後戻りできない形で変化
する時代のことである。その新時代はユートピアでもディストピアでもないが、ビジネスモ
デルから、死を含む人生のサイクルまで、意味のある人生を送るために我々が頼りにしてい
る諸概念を一変させる…(中略)…J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』をその観点
から考えてみよう。確かに空想物語かもしれないが、今から僅か数十年後には実現する我々
の世界の、不合理とは言えない姿である。ポッターが使うどの「魔法」も、テクノロジーに
よって基本的には実現するだろう。クィディッチをやったり、人やものを違う形に変えたり
するのは、没入型の仮想現実環境のなかで、あるいは実際の現実でもナノスケールのデバイ
スを使って、実現可能だろう。」
夢のような話ですが、確かに、AI 開発に携わる弊社としても、「さもありなん」という意見
です。私たちも既に、その一部の開発に至っています。例えば、弊社が主力開発をしており
ます「HAL3(ハルさん)」は、幅広くオフィスワークに対応する対話型 AI です。ホグワー
ツ魔法学園の中には、「人間のように話す夫人像の額縁」が階段に飾られていましたが、そ
ちらは既に私たちの製品でもある程度の再現が可能なのです。
「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」が登場して以来、AI の世界には大き
な革新がもたらされています。「AI 自らが、学習の積み重ねによって、より高度な判断を行
う」という状況の実現により、ある分野や領域に限った特化型 AI として、人間の知能を遥
かに超える働きぶりを示しているのです。医療用画像処理、自動運転やカーナビ、ノイズキ
ャンセルや音声分離、ロボティックス、介護、ビジネス、医療、IoT、生活のあらゆる側面
での応用が行われています。音声分野では、Amazon Echo、Google Home などのように、
アシスタント AI の存在が日常に浸透し始めている昨今です。
ただし、もちろん私たちは AI に依存してはなりません。誰もが専門知識がなく、専門的に
機械を扱えるようになると、いざシステムが機能しなくなった場合に人間が対応しきれな
くなってしまうのです。例えば、2009 年のエールフランス 447 便の墜落事故は、速度計が
故障してから僅か 4 分後の悲劇として起こりました。想定外の機器故障に対応しきれなか
った、パイロットの技能不足が指摘されています。事故やミスが起きた時に、速やかに人間
の手にコントロールを戻せる環境づくりが、今後の未来において必要不可欠であると言え
ます。AI は全知全能のゼウスではなく、あくまで役立つ存在として、依存ではなく活用を
する。そのスタンスが重要なのです。

[製造工業用検査]

そのようなスタンスのもと、今、製造業の世界が大きく変容しつつあります。主に AI が革
新をもたらしている作業が、製造工業用検査です。外観検査、欠品検査、異音判定等が、こ
れに相当します。「データの見える化・共用化」を行いながら、画像解析による検品、異音・
振動データ解析による機器故障や不良品率の高まり予測、部品調達・製造数・倉庫在庫の管
理など、広範囲に渡って AI が担える得意分野が存在しています。
このような製造工業用検査 AI が担当するのは、仕事そのものではなく、タスクです。AI が
製造業に浸透すると「仕事が奪われる」という警戒心を抱く意見があるのですが、短期的に
はそちらの考えは適切ではなく、人にとっては「タスクが変化する」だけです。例えば、こ
の世に洗濯機という機械が登場した際、私たちは洗濯という仕事そのものを失ったでしょ
うか。そんな事はなく、今も私たちは「洗濯機を使って」、「洗濯という仕事」を行っていま
す。以前のように「洗濯板で石鹸をつけてごしごしこする」というタスクは変容し、「洗剤
を入れてボタンを押す」というタスクになったという話なのです。
より正確に、そしてよりスピーディーな判断を行える AI が、人間を助けてくれる場面が数
多くあります。もともと機械化が進んでいる製造業の現場では、まさにその需要潜在性が大
きいのです。

[製造業向け IoT 活用カンファレンス 2020 秋]

「革新」が「日常」に広がる世界。私たちは今、まさに AI 技術との付き合い方を考え、来
に向けて力強く歩む段階にあります。此度、2020 年 9 月 17 日(木)、「製造業向け IoT 活
用カンファレンス 2020 秋」が東京会場(東京都千代田区丸の内 2-7-2 JP タワー・KITTE
4F)にて開催されます。AI の技術仕様から具体的な活用事例まで、より多くの「革新」を
理解する大変意義のあるイベントとなっております。私たちクリスタルメソッド株式会社
も、その分野の一翼を担う活動者として、同イベントへの参画を行わせて頂いております。
AI の技術利用にご興味のある皆様は、ぜひとも積極的にご参加を下さいませ!
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■「製造業向け IoT 活用カンファレンス 2020 秋」※ロゴ画像など
公式サイト:https://f2ff.jp/event/iotc-2020-02
会期:【東京会場 (オンラインセミナーも予定) 】 2020 年 9 月 17 日(木)
会場:【東京会場】JP タワーホール&カンファレンス(KITTE 4F)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-7-2 JP タワー・KITTE 4F
主催/運営:株式会社ナノオプト・メディア
参加料金:【東京会場】事前登録にて無料
後援団体:
持続可能なモノづくり・人づくり支援協会
日刊工業新聞社
※(2020 年 9 月 2 日(水)現在・申請中含む)
■弊社概要
会社名:クリスタルメソッド株式会社
公式サイト:https://crystal-method.com/
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段 4 丁目 1-14 TL ビル 5F
設立:2008 年
資本金:904 万円
代表者:代表取締役 河合 継
研究者:20 名以上
主な取引先:大手自動車メーカー、金融システム構築
展望:対話 AI「HAL」に向けた「意識」の導入
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