第 18 回「微生物試験の高速化を促す AI の世界」

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」。この革新の技術が取り沙汰されるよう
になってから、もう半世紀以上の年月が経とうとしています。そう遠くない未来において、
AI が私たちの生活・社会・文化を多方面から支える存在、あるいはそれら自体となり得る、
そのような世界の到来が見込まれているのです。現代と未来に欠かす事のできない、AI に
関する多彩な諸相をお伝えするべく、私たちクリスタルメソッド株式会社が「全 20 回」に
渡って AI 解説記事をお届けしています。第 18 回は、「微生物試験の高速化を促す AI」に関
するお話を致しましょう。

[コロナ禍により注目]

「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」がこの世に登場して以来、AI 世界に
は革新が訪れました。「AI 自らが、学習の積み重ねによって、より高度な判断を行う」とい
う状況の実現により、分野・領域を限定した特化型 AI が、人間の知能を遥かに超える働き
ぶりを示すようになったのです。医療用画像処理、工業用検査(外観検査・欠品検査、異音
判定等)、自動運転やカーナビ、ノイズキャンセルや音声分離、ロボティックス、製造、介
護、ビジネス、医療、IoT…私のたちの社会のあらゆる側面で、今、AI 応用が行われていま
す。音声分野では、Amazon Echo、Google Home などのように、アシスタント AI の存在が
日常に浸透し始めています。私たちクリスタルメソッド株式会社が主力開発を行っている
「HAL3(ハルさん)」も、こうした流れの一翼を担う存在です。
一方、昨今の新型コロナウイルス蔓延の環境被害を受け、また一挙に注目を集めた AI 分野
があります。それが、微生物試験の高速化を支える AI 技術です。私たちの健康を脅かして
いる微生物がどのような形状を持つか、どのような特徴を持つか、何をすれば弱体化するか、
ワクチンを生成するにはどのような構造が必要か、効果のありそうな治療薬の化学式はど
のようなものか。こういった微生物試験全般の判断にも、深層学習による AI が応用されて
いるのです。従来よりも格段に速い研究展開が可能となっています。
感染症に関する研究だけではなく、元来は美容業界からも注目を浴びていたのが、微生物試
験高速化の AI です。例えば、化粧品。化粧品は人に直接塗布するものですから、絶対的な
安全性を確保しなければなりません。刺激や微生物汚染等を考慮し、人に安全な量や性質の
防腐剤を配合した製品を開発する点が求められています。防腐剤に関する試験は、「チャレ
ンジテスト(保存効力験)」と呼ばれます。このチャレンジテストでは、多彩な種類の細菌・
酵母・カビ等を長期間かけて培養しながら、そちらを判定する必要があります。これまでは、
非常にまとまった時間を掛けて行われていたテストですが、菌種同定・生育予測・カウント
等、試験省略可否の予測を AI が代替して判断する事が出来るようになり、大規模な効率化
に成功をしています。

[中国の成功事例]

微生物と AI に関する話題ですと、中国の事例を語らずにはいられません。複雑な想いが抱
く方もおられると思いますが、コロナ禍、中国政府は情報統制と一元統制によって一
挙に感染症の抑え込みに成功しているのは事実だと思われます。その背景にあるのが、ここ
十数年で実現した中国の膨大かつ極限的な AI 管理体制です。
もともと、中国には全国民の戸籍・経歴・賞罰・思想・新庄・発言等の個人情報を行政が一
元管理を行う「人事档案(レンスーダンアン)」という制度がありました。個人一代だけで
はなく、祖父母の代まで遡っての情報が集積されています。こちらの計画経済時代に生まれ
た制度が、近代に入り全国民の個人番号システムと紐付けされ、更に国民管理の重要度を増
す事となりました。公安部のデータベースには、10 億人以上の顔データと、4000 万人の
DNA サンプルがあると言われています。
これらのビッグデータを AI と連携させる事によって、政府は感染症の追跡やウイルスの動
向を逐一把握。こちらの情報を踏まえ、ロックダウンと解除の行政判断を素早く繰り返す事
により、現在の中国はほとんど以前と変わらない日常生活を取り戻しています。
この成功事例を私たちがどう捉えるかは、立場によって見解が異なるでしょう。確かに、莫
大な人口を抱える都市においては、このような AI の大活躍は歓迎するべき事かもしれませ
ん。しかし、それは自由やプライベート情報を差し出す事によって成立するディストピアな
世界です。こちらを是とするか非とするかは、まだ人類は多くの議論を重ねなければならな
いように感じます。

[製造業向け IoT 活用カンファレンス 2020 秋]

「革新」が「日常」に広がる世界。私たちは今、まさに AI 技術との付き合い方を考え、来
に向けて力強く歩む段階にあります。此度、2020 年 9 月 17 日(木)、「製造業向け IoT 活
用カンファレンス 2020 秋」が東京会場(東京都千代田区丸の内 2-7-2 JP タワー・KITTE
4F)にて開催されます。AI の技術仕様から具体的な活用事例まで、より多くの「革新」を
理解する大変意義のあるイベントとなっております。私たちクリスタルメソッド株式会社
も、その分野の一翼を担う活動者として、同イベントへの参画を行わせて頂いております。
AI の技術利用にご興味のある皆様は、ぜひとも積極的にご参加を下さいませ!
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■「製造業向け IoT 活用カンファレンス 2020 秋」※ロゴ画像など
公式サイト:https://f2ff.jp/event/iotc-2020-02
会期:【東京会場 (オンラインセミナーも予定) 】 2020 年 9 月 17 日(木)
会場:【東京会場】JP タワーホール&カンファレンス(KITTE 4F)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-7-2 JP タワー・KITTE 4F
主催/運営:株式会社ナノオプト・メディア
参加料金:【東京会場】事前登録にて無料
後援団体:
持続可能なモノづくり・人づくり支援協会
日刊工業新聞社
※(2020 年 9 月 2 日(水)現在・申請中含む)
■弊社概要
会社名:クリスタルメソッド株式会社
公式サイト:https://crystal-method.com/
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段 4 丁目 1-14 TL ビル 5F
設立:2008 年
資本金:904 万円
代表者:代表取締役 河合 継
研究者:20 名以上
主な取引先:大手自動車メーカー、金融システム構築
展望:対話 AI「HAL」に向けた「意識」の導入
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