第4回 製作工程に起きる"シワ検知"の世界

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」。この革新の技術が取り沙汰されるようになってから、もう半世紀以上の年月が経とうとしています。そう遠くない未来において、AIが私たちの生活・社会・文化を多方面から支える存在、あるいはそれら自体となり得る、そのような世界の到来が見込まれているのです。現代と未来に欠かす事のできない、AIに関する多彩な諸相をお伝えするべく、私たちクリスタルメソッド株式会社が「全20回」に渡ってAI解説記事をお届けしています。第4回は、「製作工程に起きる"シワ検知"」に関するお話を致しましょう。前回、第3回で触れされて頂きました「糸ほつれ」と関連する話題となります。

人間とAIの技能対決

私たちは3D、すなわち「三次元」の世界に住んでいます。よって、AIには画像だけではなく、立体的なこの現実世界の情報を、瞬時に、そして正確に判断して貰いたいと願うようになりました。そうした「3DのAIによる判断」は、工業用検査(外観検査・欠品検査等)、自動運転やカーナビ、ロボティックス等、製造業や生活のあらゆる側面での応用が行われています。

AI研究者で非常に有名な方に、ダートマス大学・脳エンジニアリング研究所所長リチャード・グレインジャー博士がいます。若い頃にロックスターを目指していたという彼は、後に世界を代表する計算論的神経科学者という地位に上り詰めました。実は「AI」という名称が正式に付けられたのも、こちらの研究所で1956年に開催された夏季研究学会でした。そんな彼が、次のような発言をしています。「我々人間の臓器の中で脳だけが、思考・学習・認知を行う。こうしたどんな課題についても、工学はまだ脳の能力を超えるのはおろか、肩を並べることさえできていない。どんでもない努力と予算が使われているのに、顔認識でも、自然言語の理解でも、経験からの学習でも、人間に太刀打ちできる人工システムはまだ一つもないのだ。」

なんだかAIと未来に対するロマンが打ち消されてしまうような、味気ない発言ではありますが、実際にグレインジャー博士が言った通りでもあります。AIは決して、全治全能のゼウスではなく、SF世界で描かれるような超人的な存在ではありません。(「まだ」、ありません、という言い方が正しいのかもしれませんが。)私たち人間は、2歳の段階で、既に目の前にいる犬や猫を正しく判断する事が出来ているはずです。それは、対象の犬と猫が正しく視覚される距離において、どの場所、どの時間からも、正確に判断が出来ます。また、もし犬か猫かが分からなければ、少し歩いて回り込んだり、近づいてみたりして、その対象物をしっかりと見定める事が出来るのです。これとまったく同じ事をAIに行わせようとする事は、あまりに多くの技術的な課題に出くわしてしまいます。

しかし、その一方で、私たちは「特化した分野」において、AIに最高の仕事をさせる方法を創り出してもいます。グレインジャー博士が想像をしきれなかった世界に、私たちは一歩、足を掛けている状態なのです。特化した分野における2Dまたは3DのAIの働きは、人間をはるかに超える「正確性とスピード」の判断力を発揮しているのです。

シワ検知

弊社のAIにおける応用事例の中に「シワ検知」を発見する3Dセグメンテーション系のAIがあります。繊維産業のメーカーは、検査工程で完成した布の表面を事細かにチェックし、品質を維持する必要があります。製品に著しいシワが入っていた場合、それをAIは異常検知という方法で、私たち人間にその様子を知らせてくれるのです。

こちらの検査工程において、AIはカメラによって撮影した布の様子を外観検査によって捉え、シワ検知を解析します。「シワは見た目に分かりやすいから、検知も簡単かな?」と思う方も多いかもしれませんが、実はこちらもかなり奥深い世界です。それは撮影する際の照射光の種類(可視光・紫外線等)や角度によって、立体検査時の解析が微細に異なるからです。人間でも、経験と技能を十分に積んだ熟練工ではないと確認しきれないような、細かなシワもあります。その「シワ検知」の世界に、私たちのAIは果敢な結果を示し続けているのです。

製造業向けIoT活用カンファレンス 2020 秋

「革新」が「日常」に広がる世界。私たちは今、まさにAI技術との付き合い方を考え、来に向けて力強く歩む段階にあります。此度、2020年9月17日(木)、「製造業向けIoT活用カンファレンス 2020 秋」が東京会場(東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー・KITTE 4F)にて開催されます。AIの技術仕様から具体的な活用事例まで、より多くの「革新」を理解する大変意義のあるイベントとなっております。私たちクリスタルメソッド株式会社
も、その分野の一翼を担う活動者として、同イベントへの参画を行わせて頂いております。AIの技術利用にご興味のある皆様は、ぜひとも積極的にご参加を下さいませ!

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■「製造業向けIoT活用カンファレンス 2020 秋」
公式サイト:https://f2ff.jp/event/iotc-2020-02
会期:【東京会場 (オンラインセミナーも予定) 】 2020年9月17日(木)
会場:【東京会場】JPタワーホール&カンファレンス(KITTE 4F)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー・KITTE 4F
主催/運営:株式会社ナノオプト・メディア
参加料金:【東京会場】事前登録にて無料
後援団体:
持続可能なモノづくり・人づくり支援協会
日刊工業新聞社

■弊社概要
会社名:クリスタルメソッド株式会社
公式サイト:https://crystal-method.com/
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段4丁目1-14 TLビル5F
設立:2008年
資本金:904万円
代表者:代表取締役 河合 継
研究者:20名以上
主な取引先:大手自動車メーカー、金融システム構築
展望:対話AI「HAL」に向けた「意識」の導入
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