コールセンターのストレス
コールセンターのストレスを「利用客(お客様)」と「オペレーター」の各視点から紐解いていきましょう。
お客様にとってのストレス
まずは利用客(お客様)がコールセンターでよく感じるストレスについて、4つご紹介します。
1.自動応答への対応に時間と手間がかかる
問い合わせセンターや、お客様窓口などのコールセンターサービスを利用した方は「めんどくさい」そして「時間がかかる」と一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
通常、コールセンターに電話をかけると自動音声の案内が流れて問い合わせ内容を番号選択するように促されます。
1つずつ選択肢の内容を聞いて、プッシュボタンを押して、また次の選択肢を聞いて……という一連の流れには時間がかかります。
押す数字を間違えてしまうと、最初からやり直さなければならず、電話を切ってかけ直して……と手間が増えます。
問い合わせ内容と関係無い選択肢も最後まで聞かなければ次の選択肢に進んでくれないため、待ち時間でイライラしたり、そこで少し気を抜いたら選択肢の内容を聞き逃してしまったり、そういったことがストレスを増幅させます。
2. 自動応答の選択肢が分かりづらい
自動音声案内の選択肢が分かりづらく「1番かな? それとも3番かな?」と迷ったり、自分が問い合わせたい内容が無かったりすることも多いのがコールセンターの自動応答が抱える問題です。
専門知識がある人にとっては「ああ、それは2番の問い合わせ内容に該当しますね」と分かることでも、一般の人にとっては分からない、分かりづらい、ということも少なくありません。
「その他お問合せ」という選択肢があれば良いのですが、これを設けていない自動応答もあり、利用客は「該当選択肢が無いし『その他』が無いからオペレーターにも繋いでくれない」とイライラしてしまいます。
3. オペレーターにつながらない
さんざん時間と手間をかけて問い合わせ内容の選択を進めて、ようやくオペレーターにつなぐ段階まで到達しても、そのオペレーターにちっともつながらないということはコールセンターの「あるある」です。
呼び出し音が止まらず、途中で「ただ今、回線が大変混み合っております。そのままお待ちいただくか、一度お電話をお切りになって改めて……」といった自動音声が流れて、イラっとした経験がある方は多いのではないでしょうか。
コールセンターのストレスの大部分が、この「オペレーターにつながらない」というものです。電話を持ったまま呼び出し音と機械音声を繰り返し聞かされれば、イライラしてしまうのも無理ありません。
4. 自動音声の無機質さが潜在的なストレスに
児童お客様対応は、無機質な機械音によるものです。生身の人間が対応しないため、利用客側は潜在的に「ないがしろにされている」「ちゃんと対応してもらえていない」「冷たい」と感じます。
この潜在的な不満足感がストレスとなってコールセンターの評価を下げることにつながる恐れがあります。
オペレーターにとってのストレス
次にオペレーターがコールセンターでよく感じるストレスについて、4つご紹介します。
1. 同じような問い合わせが多いが自動対応化できない
児童お客様対応や、自動音声案内には限界があります。プッシュボタン選択と自動案内だけでお客様の問い合わせが解決することもありますが、総数は多くありません。
しかし、実際にオペレーターが対応する問い合わせは似たようなものが多く、同じような回答や案内をしているという事実もあります。
同じような問い合わせ内容に対して、同じような回答・案内をしているのに、その部分が自動化できていないとなると、その分時間と手間を無駄にしてしまっています。
2. クレーム対応が大きなストレスに
コールセンター業務の一番のストレスが「クレーム対応」による精神的なストレスです。
クレームを入れる人の中には「生粋のクレーマー気質」の人が多く、語気が強かったり、暴言を浴びせたり、ときには理不尽な内容で文句を言ってくるということもあります。
こういった言葉の暴力は、自分は直接関係無いものであっても聞くだけでメンタルに悪影響が出ます。
クレームの対応も、まずは自動対応できるようになれば、生身の人間のメンタルをすり減らすリスクを軽減できます。
3. お客様の「つながらない」ストレスがクレームに発展
コールセンターに対する不満の多くが「オペレーターにつながらない」ということです。
問い合わせ対応がスムーズであればクレームにならなかったのに、オペレーターになかなかつながらなかったがゆえにクレームになってしまうケースもあります。
しかし、現場はオペレーターが常に問い合わせ対応していて手が空かないという状況です。自動対応できる部分を増やせばオペレーターの手が空いてスムーズに問い合わせ対応できるようになるところ、従来のコールセンターではまだその基盤が整っていません。
4. テレアポ業務は売り込みのストレスも
コールセンター業務には、問い合わせ対応だけでなくテレアポ業務も含まれます。
テレアポは自ら電話をかけて売り込み営業をする仕事になりますが、これも「断られる」ストレスや「文句を言われる」ストレスが大きくかかります。
立て続けに断られたり、何も返答をもらえずガチャ切りされたりすると、まるで自分を拒否・否定されているように感じてしまう人もいます。