第12回「製造業のAIテクノロジーの発展フェーズとは?」

AIの産業活用発展3フェーズ

人工知能技術戦略会議(20173月開催)が示した「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」によれば、日本の産業におけるAI活用の発展フェーズは「①各産業・各領域において、データ駆動によって展開されるAIが普及する」、「②①のそれぞれの領域から更にAI活用の枠組みが広がり、新産業が拡大していく」、「③扇状に広がった各領域・新産業が更に複合的にAIによって繋がり、循環型の成長を行える社会の確立に至る」というものだと言います。

前回の記事でご紹介したモノづくり大国・ドイツの「第四の産業革命=インダストリー4.0」という国家プロジェクトは、まさに①②③のそれぞれのフェーズを見越したものとなっています。ドイツでは製造業において「大企業・中小企業を問わず全ての工場が自律的な判断・情報蓄積・フィードバックを可能とするシステムを導入するスマート工場となる(フェーズ①②)」事を目指しており、更にその先には「工場同士も繋がるサイバー・フィジカル・システムの完成と一切の材料・エネルギー等の無駄のない社会の実現(フェーズ③)」を想定しています。

現在のAIが持つ「予測・分類・実行」の自律的かつ学習的な強みを最大限に活かす、そのようなドイツの「インダストリー4.0」プロジェクトは、自動車製造を中心として、世界に先駆けてその成功事例を示しつつあります。アメリカがこれに続き、近年では中国も大きくAIの発展フェーズを取り入れる動きが活発化しています。日本でもモノづくりが最も鮮烈に輝いた1980年代においてAI研究が国家プロジェクトとして進められました(第二次AIブーム)が、その後に世界からは「周回遅れ」を取るような地位に下がってしまいました。

製造業の発展フェーズ

より具体的な青写真として、日本の製造業は「AIの発展フェーズ①」において、IoTAIを活用したスマート工場の確立と、AIによる新製品・新サービスの開発環境支援が必要であると考えられています。IoTInternet of Things:あらゆるモノがインターネットによって繋がっている事象)はAIテクノロジーとの親和性が高く、モノ同士の情報収集・分析・共有、そして自律的な学習やフィードバックを促します。

製造業(工場)では、「Quality:品質・仕様」「Cost:コスト・原価」「Delivery:数量・納期」の管理(QCD管理)が基本となり、IoTAIには「自動制御(異常検知・工程制御)」「製造管理(現状把握・遠隔計測)」「生産管理(管理最適化・受発注最適化)」「経営管理(経営判断の円滑化)」「開発設計(設計リードタイムの削減)」等のメリットを求めています。これらを実現し得た場合、発展フェーズ①は発展フェーズ②へ移行して、「それぞれの分野が繋がる事で更なるサービス・製品を生み出す」「モノづくり・コトづくり・物流システム等が完全に統合されて効率化を果たす」という状態へ至ります。

そのAIの発展フェーズ②が十分に成熟した時、発展フェーズ③へ移行します。全てのヒト・モノ・コトの情報が相関する社会が実現する事によって、「必要なモノ・コトだけを必要なヒトに届けられる(工場が社会に必要な量だけ製造出来るようになる=Society5.0)」というSDGs環境が実現します。この段階では従来の社会システムでは成し得なかった、より創造的な製品・サービスの在り方が登場すると言われ、しかもそれらが次々に生み出され活性化に至ります。SDGs社会の実現は人類存続というマクロな視点でも不可欠なものであり、それだけにIoTAIの特異性に強烈な注目が集まっています。

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