第19回「製造業の事務系業務を支えるAI活用『RPA』とは?」

日本の製造業の未来に欠かす事のできないAIの諸相をお伝えするべく、「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」と題し、これより全20回に渡ってAI解説記事をお届けしております。今回、第19回は「製造業の事務系業務を支えるAI活用『RPA』とは?」に関するお話です。

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」と呼ばれる技術の基本的な考えは、1947年、数学者アラン・チューリングによって提唱されました。それから半世紀以上の歳月を経て、私たちのデジタル世界は大きく変容し、近年はAI技術が驚異なスピードで進化を遂げ続けています。私ども「クリスタルメソッド株式会社」も、そうしたAI技術躍進の黎明期、2008年頃から活動を開始し、「DeepAICopy」「対話型AI HAL3(ハルさん)」「Winry」「多機能深層学習アプリケーション」「2D/3D検知システム」等、多様な実用製品をお届けしております。

究極的に言えば、私たち人類は「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を人の代わりに担ってくれるロボットやプログラムを求めています。AIは、まさにその「効率性」と「正確性」を同時に実現する革新的手段であり、今後の日本社会、特に製造業を牽引する存在になると、私どもは確信をしております。今回はそのようなAIによる恩恵のうち、ホワイトカラー業務(事務系業務)の効率化を爆発的に促す「RPA」についてお話しましょう。

RPAへの期待

RPA(Robotic Process Automation)とは、AI(人工知能)、IoT(モノがインターネットに繋がる事象)、FinTech(金融とITの融合テクノロジー)などの「第四次産業の立役者」のうちの一人です。ですからAI、IoT、FinTeck、RPAは「Society5.0(日本の産業界が目指す技術革新社会)」を下支えする「四天王」であるという事になります。

RPAは、主にはホワイトカラー業務(事務的業務)の効率化を果たします。RPAツールによって情報システムの捜査がデジタルレイバー(Digital Labor:事務作業自動化コンピュータ)として再現される仕組みです。従来では人が行っていた事務作業を、デジタルが代替できるという性質を持っています。RPAの利点は何といっても、フットワークの軽さです。即効性があり現場に導入がしやく、他の既存システムにはほとんど影響が無いという点に優位性があります。

先ほど名を上げたDigital Laborとは、「仮想知的労働者」というニュアンスとなります。こちらはAIを中心とした認知技術を活用する事で、人間の事務作業を補完できる存在です。事務作業におけるQCD管理(「Quality:品質・仕様」「Cost:コスト・原価」「Delivery:数量・納期」)の全ての側面において圧倒的な生産性を実現する事から、大いに期待のされている技術分野であると言えます。

黎明期から現在に至るまで

日本の製造業がこの「RPA」と共に歩む道のりは、十数年ほどです。スピードの速いデジタル世界においては、まずまず付き合いが長い存在であると言えるでしょう。もともとはアプリケーションやデータ操作等を自動化・統合する目的で誕生した技術概念で、こちらは「RPA」という言葉生まれる前、2007年頃から存在をしていました。

本格的にRPAへの取り組みが始まったのが、それから約10年後の2016年となります。ここでは日本製造業界の明らかな人手不足問題が顕著に現れ始めており、膨大な事務作業が既存の人的リソースを超えてしまう状況が各方面で散見されていました。このような労働課題と働き方革命の推進を背景として、RPAはここ数年で爆発的な広がりを示しています。

RPAの導入率は2017年では上場企業の10%程度でしたが、2019年11月の事典では中堅中小企業25%、全体で約38%というデータが示されています。特に昨今のコロナ禍の影響を受けて、事務作業の自動化・効率化テクノロジーは更なる注目を浴びる事となり、「RPA理解なくして成功なし」と評されるほどの存在を示しているのです。RPAは機械志向ではなく人間志向の技術です。今後は機械志向のAIとの包括的な融合によって更なる、生産性の高度効率化が求められています。

輝かしい製造業の未来へ向けて

私たちの全ての願いを叶えてくれる汎用AI(強いAI)の登場はまだ先の話になりそうですが、「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」という人間の脳構造を模倣した「ニューラルネットワーク」の誕生により、着実に「AI自らが、学習の積み重ねによって、より高度な判断を行う」という技術が現実のものとなっています。医療分野を始め、自動運転・カーナビ・ノイズキャンセル・音声分離・ロボティックス・介護・ビジネスデータ・IoT・アシスタントAI(Amazon EchoやGoogle Home等)、生活のあらゆるシーンでの活用が広がっています。

その中でも製造業は、AIが強みとする「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を存分に活かせる分野であり、そこに日本の輝かしい未来へと繋がる原動力が隠されています。既に私どもが実用化に成功している工業用検査(外観検査・欠品検査、異音判定等)のAIを含め、今後、ますますの技術革新への邁進を続けてまいります。私どもの製品にご関心がございましたら、どうぞ何なりとお問合せを頂ければと存じます。

以上、こちらが製造業AI解説特別連載「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」、第19回「製造業の事務系業務を支えるAI活用『RPA』とは?」に関するお話でした。続く第20回、本連載ラストとなります記事では「日本の製造業におけるAI活用分野の可能性と気概とは?」について取り上げさせて頂きます。

第5回 AI・人工知能 EXPO【春】

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■「第5回 AI・人工知能 EXPO【春】」
公式サイト:https://www.ai-expo-at.jp/
会期:2021年4月7日(水)~9日(金)10:00~18:00
会場:東京ビッグサイト青海展示棟(商談可能)
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
参加料金:事前登録にて無料
後援団体:
一般社団法人 人工知能学会
一般社団法人 日本ディープラーニング協会
同時開催:
第2回 ブロックチェーン EXPO【春】
第1回 量子コンピューティング EXPO【春】

■弊社概要
会社名:クリスタルメソッド株式会社
公式サイト:https://crystal-method.com/
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段 4 丁目 1-14 TL ビル 5F
代表者:代表取締役 河合 継
研究者:20 名以上
主な取引先:大手自動車メーカー、金融システム構築
展望:対話 AI「HAL」に向けた「意識」の導入
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