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第17回「製造業の機器緒元にAI活用を行うビッグメリットとは?」

機器諸元の重要性

製造業(工場)は量産ラインの構築によって、QCD管理(「Quality:品質・仕様」「Cost:コスト・原価」「Delivery:数量・納期」)を執り行います。量産ライン(生産方式)は、主に「ライン生産」と「セル生産」という種類が存在します。ライン生産はコンベアの周りに人員を配置し、各人が単発的・局所的な作業を担当するという方法です。セル生産はセルと呼ばれる作業場所に1人または複数人が配置され、複層的・複合的な作業を担当するという方法です。自動車業界の場合、多品種多量生産を必要とする一般市販車両は前者を、多品種少数生産を必要とするフォーミュラーカーは後者を選択する傾向にあります。

いずれの方法にしても、そのような量産ラインを立ち上げる際には、エンジニアが設備に対して機器諸元(パラメーター)を適切に設定・調整しなければなりません。先述のQCD管理のバランスを鑑みながら、諸元の最適地を設定する行為には熟練の技・経験を持ったスペシャリストが必要です。近年は多品種少数生産方式の需要が高まっている為、更にこのような諸元の設定・調整の時間・労力・人件費が肥大化する傾向にあります。

そうした負担が企業側にあっても、諸元の設定・調整がQCD管理の行方を左右するものである以上は、疎かにする事の出来ない箇所となります。機器諸元は製造業にとってのコア作業のひとつなのです。

自動設定AIと最適解

そのような機器諸元を、人ではなくAIが自動的に行うというものが、「自動設定AI」と呼ばれるものです。これまで膨大な時間・労力・人件費が投入されていた諸元設定・調整の作業をAIが代替する為には、「強化学習」という手法が必要となります。「与えられた環境で行える手段を抽出する」「その手段の中での最適解を導き出す」といった具合に、AIが自律的に「最適な諸元」を獲得できるような状態に仕上げるのです。

自動設定AIの導入において、最初に必要となるステップが目視検査の自動化です。判断基準の善悪をAIに学習させるという所からスタートします。その後、自動設定AIには「試行錯誤をこう行って欲しい」という自動化環境を与えます。

技術的な表現としては、自動設定AIは「①審判役AIを作る」「②監督役AIを作る」という流れが取られます。生産活動情報の取り込み自動化を通じて、データ自動処理AIを確立させるのが①のステップです。ここでは行動(制御命令)に対する報酬(評価)の計算を自動化します。続く②のステップでは、「状態と報酬を踏まえて、どう行動に及ぶべきか」という計算を確立させます。自動設定AIは完成に至るまでに数年が必要となりますが、その後の能力価値を鑑みれば十分な投資時間だと考えられます。

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