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第2回「奥深い2Dセグメンテーションの世界」

深層学習(Deep Learning)の萌芽

人工知能研究の勢いが加速した2000年代以降、人間がひとつひとつ、手作業で膨大なルールや知識を与えなくても、既存のデータを参照して正解を導き出すタイプの、統計・確率型の人工知能が一挙に発展をしました。要するに、これより私たちは本格的に「AI」に、ある種の意識を与えようと試み始めたのです。

もちろん、それは非常に原始的な「意識」であって、私たちが持つような複雑性を持つものではありません。それは現実の中にある様々な記号とその定義を、瞬間的に判断するという、とてもシンプルなものです。

このような「自律的なAI」を誕生させるに当たって、初期の段階で用いられていた手法は、「機械学習(Machine Leaning)」です。この手法の一例として、ここに画像認識の事例を紹介します。1枚1枚の画像に対して「コーギー」「ゴールデンレトリバー」というタグ(データ上のラベル)をつけまして、大量の犬の画像をAIに学ばせます。その際に、「尻尾に着目して区別しなさい」とAIに指示を与えておきますと、まだ解析していない犬の画像が登場しても、そのAIは「これはコーギー」「これはゴールデンレトリバー」だと判断をしてくれます。このような区別ができるように、自ら学習をする訳です。

この「機械学習」を更に発展させたものが、「深層学習(Deep Learning)」です。こちらはあまりAIの事をご存じない方も、何となく耳にする単語だと思われます。深層学習は、先ほど人がAIに与えていた指示である「特徴量」を、AI自身によって自律的に設定する機能が適用されています。

「特徴量」というのは、学習データにどういった特徴があるのかを数値化したものです。例えば、コーギーの場合、「体高に比べて体長が長い」「中型犬」「体は筋肉質でがっしりとしている」「活発に動き回る」といった特徴が、ゴールデンレトリバーの場合は「体高より体長がやや長い」「バランスの取れた体つき」「大型犬」「垂れ耳」「目はアーモンド型」といった特徴が数値化されます。機械学習の場合、それらの特徴量は人がひとつずつ指示しなければならない。深層学習の場合は、それらの特徴量をAIが半ば自動的に設定していきます。

この場合、犬の画像を確認したAIは、「尻尾」だけではなく、「形状」「色彩」「サイズ」「動き」等の判断基準を自分なりに設定するようになります。人間の神経を真似て作られた「ニューラルネットワーク」という多層構造の情報圧縮技術が、このような革新的な方法を可能としているのです。

2Dセグメンテーション

このような画像に対して、深層学習(ディープラーニング)を有するAIが判断を行う技術を、「2Dセグメンテーション」と表現します。このセグメンテーション(Segmentation)とは「分割」を意味する英語です。2Dとは、平面的な情報、主には「画像」を意味します。こちらの「2Dセグメンテーション」による画像検査は、本連載記事の第1回でもご紹介した医療用画像処理を始め、工業用検査(外観検査・欠品検査等)、自動運転やカーナビ、ロボティックス等、製造業や生活のあらゆる側面での応用が行われています。

弊社は独自の2Dセグメンテーションを存する、非常に有効なAIを獲得しております。こちらの「有用性」というものが、私たちにとって何よりも肝心なのです。弊社の研究に関して詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。

2DのAI・深層学習

深層学習には、データから統計的に学習していく為、未知の情報への対応が懸念されています。一例として、スウェーデンの自動車会社ボルボは、道路に飛び出してくるシカなどの大型動物の検知システムを開発・輸出していますが、残念ながらオーストラリアのカンガルーをうまく判断出来ないという展開に出くわしてしまいました。AIは人間のように事物の本質的な意味を複合的に考察している訳ではなく、あくまで学習から意味を判断しているに過ぎないのです。

使えるAIである事。そして、それが「より正確に、より迅速な判断」を行うものである事。これが、弊社の開発した「2Dセグメンテーション」の在るべき姿です。

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監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
運営会社について | 編集方針

よくある質問

Q. 機械学習と深層学習の違いは何ですか?
A. 機械学習は人が特徴量(判断基準)を指示するのに対し、深層学習はAIが自律的に特徴量を設定する点が異なります。

Q. 2Dセグメンテーションとは何ですか?
A. 深層学習を有するAIが画像(平面情報)に対して行う「分割」技術です。医療用画像処理、工業用検査、自動運転、ロボティックスなどに応用されています。

Q. 画像セグメンテーションにはどんな手法がありますか?
A. セマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーション、パノプティックセグメンテーションの3手法に分類されます。

Q. 深層学習には弱点もありますか?
A. 学習データにない未知の情報への対応が課題とされており、例としてボルボの動物検知システムがカンガルーをうまく判断できなかった事例が紹介されています。


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