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AIブログ
第14回「金融とAIが融合する可能性の世界」
[ウォール街の格言]
近代金融市場の歴史において中核を成す、アメリカ合衆国の「ウォール街」。AIが深層学習によって判断の調整をし続けるのと同じように、この街で活躍をしてきた人々は長い年月を掛けて、幾つかの「言語的な行動選択パターン(格言)」を見出しています。有名な格言のうち、例えばこういったものがあります。「強気相場は絶望の中で生まれ、懐疑とともに育ち、楽観により熟し、陶酔のうちに終わる」。非常に悪い状況の中で、投機を行うべきチャンスが生まれる。皆が、怪しみつつも、そこに参加する。次第に成果が出始めるので、皆が喜んで、未来も安泰だと感じ始める。そして、何の不安もないと喜びきっている瞬間に、突如として破綻する。このような内容です。
この格言から導き出されるものは、「金融市場の動き」を「人間(投資家)が正確に判断できていない」という構図でしょう。複雑な相場を読み解ける人間は、先ほどの格言とは真逆の行動を取るはずです。強気市場が出た瞬間に陶酔し積極的な参加をして、旬の時期が過ぎたら懐疑を共に去る。そのような合理的な行動を誰しもが取れないという点に、金融市場の動きに関する複雑性と、人間の認識能力の限界が垣間見られます。
この金融と人間の間にある溝に颯爽と登場したのが、AIという存在です。現在、ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を掛け合わせた、「フィンテック(Fintech)」という言葉が注目されています。AIが金融業務で応用されている事例としては、「トレーディング」「決済・送金」「保険」「個人向け融資」「資金調達」「法人向け融資」「経理支援」などがあります。
[フィンテック]
フィンテックの応用範囲はとても広く、また効果的です。なぜなら、金融という行為のそもそもの活動の本質は、「数字の動きを予測する」というもの。これはまさに、AIがこれまで培って来た本質と合致する部分なのです。
具体的には、「生産機器の稼働状況を把握して、与信審査・管理や経営支援を行う」「自動車運転データを基に自動車保険料を算出する」「顧客の出入金履歴やオンラインショッピング行動などを鑑みて与信判断を行う」「ニュースから株価を予想する」「仕分け作業を効率化する」「監査の不正を自動検知する」といった応用事例が考えられます。
話題性としては少々下火となりつつありますが、「ブロックチェーン」技術もまた、フィンテックによるAI応用事例のひとつです。このブロックチェーンとは、中央集権的に管理されたデータベースを置かず、分散型のコンピューターネットワーク上で、「信頼性のある合意」を生み出す技術として開発されたものです。参加者全員が取引台帳の真正性を確認するシステムである為、数字の不正改ざんが不可能だという特徴を持ちます。この揺るぎない信頼性により、「仮想通貨」のベースとして機能をしています。
弊社でもAIと金融を組み合わせた研究を行っております。詳しくはこちらをご覧ください。
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監修
河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)
AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
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