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第1回「世界の製造業がAI活用導入事例を増やしている理由とは?」

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」と呼ばれる技術の基本的な考えは、1947年、数学者アラン・チューリングによって提唱されました。それから半世紀以上の歳月を経て、私たちのデジタル世界は大きく変容し、近年はAI技術が驚異なスピードで進化を遂げ続けています。私ども「クリスタルメソッド株式会社」は、そうしたAI技術躍進の黎明期、2008年頃から活動を開始し、「DeepAICopy」「対話型AI HAL3(ハルさん)」「Winry」「多機能深層学習アプリケーション」「2D/3D検知システム」等、多様な実用製品を送り出させて頂いております。

世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイ社CEO、1930年生まれのウォーレン・バフェットが、「『辛抱強さ』や『冷静さ』は、知能指数よりも重要かもしれない」という言葉を語りましたが、これはまさにAIの世界に通じる話です。究極的に言えば、私たち人類は「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を人の代わりに担ってくれるロボットやプログラムを求めているのです。AIは、まさにその「効率性」と「正確性」を同時に実現する革新的手段であり、今後の日本社会、特に製造業を牽引する存在となるでしょう。

さて、そのような日本の製造業の未来に欠かす事のできないAIの諸相をお伝えするべく、「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」と題し、これより全20回に渡ってAI解説記事をお届けしてまいります。第1回は「世界の製造業がAI活用導入事例を増やしている理由とは?」についてお話を致しましょう。

製造業=工場の基本「QCD管理」

一言で「製造業」と言いましても、そこには多様な種類が存在しています。この種類の分類方法も様々ですが、例えばよく使われる「産業3類型」というものは次のような3タイプの分類がなされています。それは「基礎素材型産業(産業の基礎素材である鉄・石油・木材・紙等の製品を造る産業)」「加工組立型産業(加工製品である自動車・時計・家電等の製品を造る産業)」「生活関連型産業(生活に必要な衣食住関連、衣料品・衣服・建材等の製品を造る産業」というものです。このいずれの種類の製造業にも共通して言えるのが、「工場」によってモノづくりを行う点だと言えるでしょう。

現代社会において、この工場というのは、ただモノを生み出しているだけではありません。工場には「社会基準・文明水準に相当するモノを生み出す」という目的に沿って、「不良品を生み出さない事」「製品価格が適正である事」「契約した納期・数量に間に合わせる事」などの高次の役目を果たさねばならないのです。こうした役目を果たす為に必要な基本行為が、「生産管理」となります。つまり、「工場の基本」はこの「生産管理」にあるという事になります。

この「生産管理」は、「Quality:品質・仕様」「Cost:コスト・原価」「Delivery:数量・納期」というそれぞれの要素に基づいて行われます。これを略称として「QCD管理」と言います。この「QCD管理」はいわば製造業=工場にとっての基本ソフトであり、これらをいかに効率的にバランスよく達成できるかがモノづくりの鍵となります。これまでの歴史において、QCD管理はスペシャリスト・熟練と呼ばれるような人間が舵取りを行って来ました。しかし、世界は気付き始めたのです。「効率性」と「正確性」を同時に有する強みを持つAIが、この舵取りを人間以上に円滑かつ適切に行えるのではないかと。

AIと製造業の親和性

現在のAIは主に3つの得意分野を有しています。まずは、数値予測・ニーズ・マッチングなどを展開する事の出来る「予測機能」です。続けて、情報判断・情報仕分け・音声識別・画像識別・動画識別・異常検知などを展開する事の出来る「分類機能」です。そして、作業自動化・表現生成・行動最適化などを展開する事の出来る「実行機能」となります。

例えば、発注や売上需要予測等をする際に役立つのは「予測機能」です。こちらは製造業(工場)にとって、コスト・原価に関する調整をする際に役立ちます。故障検出・予兆検知・画像診断等をする際に役立つのは「分類機能」です。物流の最適化やクレーム処理対応を行う際には「実行機能」が役立ちます。

このような点から考えてみても、AIは「QCD管理」を行うに当たって極めて重要な役割を担える事が分かります。今、世界中の製造業でAI技術活用事例を増やしている背景には、このようなAI技術と「QCD管理」の強烈な親和性があるのです。AIが何もかも全てのモノづくりを行ってくれる訳ではありませんが、製造業(工場)の基本ソフトとなる「QCD管理者」として、AIは特化された機能性を抜群に発揮する事が出来ます。

輝かしい製造業の未来へ向けて

製造業は、AIが強みとする「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を存分に活かせる分野であり、そこに日本の輝かしい未来へと繋がる原動力が隠されていると、私どもは考えております。既に私どもが実用化に成功している工業用検査(外観検査・欠品検査、異音判定等)のAIを含め、今後、ますますの技術革新への邁進を続けてまいります。私どもの製品にご関心がございましたら、どうぞ何なりとお問合せを頂ければと存じます。工業用検査については詳しくはこちらからご覧ください。

外観検査

DeepFreq(異音判定)

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