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第13回「製造業が求める『不良原因』の分析AI活用とは?」
シンギュラリティ
IoT(Internet of Things:あらゆるモノがインターネットによって繋がっている事象)はAIテクノロジーとの親和性が非常に高いものです。それはモノ同士の情報収集・分析・共有、更には自律的な学習やフィードバックを促す環境を実現します。その結果として生産効率を極限まで高めた「スマート工場」を生み出す事が、製造業のAI活用におけるひとつ到達点です。
そのようなスマート工場では、製造業(工場)の基本となる「Quality:品質・仕様」「Cost:コスト・原価」「Delivery:数量・納期」の管理(QCD管理)の多くが自動化される事となります。しかもAIの特性として、判断基準は深層学習を重ねるごとにその精度が上がる為、これまで人の熟練の技・経験によって行われていたQCD管理と同等、あるいは局地的には人のそれを超えるような機能性を発揮するような状態にも至ります。
中でも、製造業にとって「不良原因分析」をAIが代替してくれるというのは非常に画期的であり、まさに革新だと言えます。工場が「Quality:品質・仕様」を高める為には、不良製品が出た際に「不良原因分析=事象・原因・対処法・対策の提示」を行う必要があります。AIはこの分析におけるそれぞれの領域において、より正確に、かつ高速で情報処理を進める事が出来るのです。
不良分類から自動記録まで
「不良分類」のプロセスをAIがサポートする場合、テキストマイニング技術を利用して不良原因を特定し、「不良を生み出している原因工程を即座に停止」「不良に対する対策を行って再稼働する」という生産ラインの無駄を省く状況を実現出来ます。センサーデータを活用しながら不良データの深層学習を続ければ、不良分類における効率と精度が堅実に強化されます。
「異常検知」もAI活用の得意分野です。「通常パターンからの乖離」や「異常発生に至るような前兆パターンの出現」に対して、深層学習を重ねたAIは素早く「異常検知」という出力を行います。この異常検知はこれまで熟練の技・技術が必要であった分野ですが、AIはこれを継承し、24時間体制で環境・体調等に左右されず安定して駆動を続けます。異常検知の短時間化にも貢献する為、製造業における意義が非常に高いAI活用事例です。
膨大なビッグデータ分析や文章検索を通じて、新たな知見を発見するプロセスにおいても、AIは大きな効力を発揮します。また、AIが作業工程を自動記録して不良原因分析の基礎データを自動生成・蓄積する=画像・動画解析から文脈解析を実行する、という「自動記録」も大きな力を示しつつあります。そのような現場記録や、記録データを蓄積してまとめる事務作業時間は、これまで人にとって大きな負担のひとつでした。それらがAIに代替される意味は、慢性的な人手不足を解消する省人化への大きな一手となり得るのです。
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