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第3回「AIと生産ラインが融合する日へ」

工場 対話AI ラインの説明 海外 翻訳 DeepAICopy

産業革命以後、モノづくりの世界では「工場」という形態が活動の中心に据えられるよう になりました。この「工場」を特徴付ける仕組みは「生産ライン」という仕組みになりま す。生産ラインとは従来の手工業の作業内容を工学的にプログラム化したものです。その 具体的な構成は製造するモノによって異なりますが、多くの場合はベルトコンベアが用い られます。分業化された個別作業がベルトコンベアの各位置に割り当てられ、労働者はそ れぞれの位置で単発の作業を続けます。このような流れ作業により、製品の品質を保ちな がら大量生産を行う事が出来ます。

工場ではAIというテクノロジーが話題になるよりも前から、ロボット等による自動化・無 人化の挑戦が続けられて来ました。分業化された単発の作業は、一定のルールに基づいて 行動するロボットの得意分野であったからです。1960年代にはアメリカで産業用ロボット が普及し始め、日本には1970年末から本格的に使われるようになりました。1980年から 1990年に掛け、日本の製造業は爆発的な躍進を遂げてバブル期に突入しますが、その成功 の背景には「産業用ロボットによる生産ラインの効率化」があったのです。

産業面から見て「生産ライン」の優れた点は、労働者が高度な技術や知見を必要としない というものになります。これまで10年間の練習や修行を積んだ者の手により、1日に数個 しか作れなかった製品が、生産ラインという工程によって自動化される事により、数時間 の研修を受けた従業員達の手によって1日に数千、数万の製品を作れるようになるのです 。この生産ラインの仕組みは文化面から見ると賛否両論もあるでしょうが、大量の人口と 広大な文明社会を支える為には不可欠な存在であると言えます。

しかし、この生産ラインにもひとつの難点が存在しています。それは指導者や管理者が必 要となる点、そして状況の変化に応じた対応がしにくい点です。短時間であっても、生産 ラインに加わる従業員を育てる為には、指導者や管理者がどうしても必要となります。慢 性的な人手不足に悩まされる日本では、こうした育成側に力を掛けにくいという状況にあ ります。また、生産ラインは一度組みますと、それを変更するには多くの労力と財力が必 要となります。更に効率化を図りたい時、あるいは何か課題が生じている時などにも、す ぐには対応をしきれないのです。

そのような流れを経て、2000年代からはプログラムの可変が可能な多機能ロボットが生産 ラインに登場するようになりました。従来のロボットは教えられた内容をひたすらこなす だけでしたが、このような多機能ロボットはプログラムを変える事によって作業内容をあ る程度は調整する事が出来ます。これによって状況変化への一定の対応を行えるようにな りましたが、やはりまだ人間による補助が必要でした。そして現在に至って、更なる無人 化を実現するべく登場したのがAIです。

AIは深層学習という仕組みを介して、自律的に情報の蓄積・分析・活用を行う事が出来ま す。限定された作業でしたら、人間よりも遥かにスピーディーで正確な仕事を行う事が出 来るのです。ビッグデータを活用する事で状況変化にも対応し、生産ラインの最適化を図 る事が出来ます。 生産ラインをサポートするに当たっては、AIの更なる真価が発揮されねばなりません。それが「対話AI」という領域です。生産ラインに携わる従業員を育成・管理する際、ただ情 報が羅列されるだけでは不足です。人間と同じように感情的な表現の出来る「対話」を行 う事により、従業員の育成や状況変化の課題にも適切に対応できるようになるのです。

また、「対話AI」は生産ラインを海外に設ける際や、外国人の従業員に作業内容を説明す る際にも最大の効果を発揮します。生産ラインの各作業や設備の説明をローカライズする 事はこれまで非常に困難でしたが、対話AIの翻訳能力や会話能力をもってすればそれも容 易なものとなります。

弊社が開発に至った「DeepAICopy」も、この分野でお役に立てる対話AIテクノロジーで す。この「DeepAICopy」は実在する人間の容姿や動作を忠実に取り込み、対話を自動生 成するという画期的な機能を有しています。AIが持つ情報蓄積と活用の強みに加え、人間 的な反応が可能となるプログラムです。上述のような生産ラインに関わる各種分野におい ても、この「DeepAICopy」は存分に力を発揮出来ます。

今後、ますます繋がりを深めるであろう、生産ラインとAIテクノロジー。弊社は「対話 AI」研究の先端を貫く企業として、これからも意欲的に製造業へのアプローチを続けて参 ります。

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