第9回「豊かな感情を解析するAIの世界」

好きなのに嫌い

AIは全知全能のゼウスでもなければ、魔法の杖でもありません。私たち人間と同じ、あるいはそれ以上に、全ての願いを叶えてくれる汎用AI(=強いAI)は、まだ先の未来の展望に過ぎません。それでも、「深層学習」という、人間の脳構造を模倣した「ニューラルネットワーク」が展開されてからは、「AI自らが学習の積み重ねによって、より高度な判断を行う」という革新が世の中に生まれ始めています。

しかし、そうした革新にはAIにとっての最難関のひとつ、人間の活動における「対話」という気難しい試練が待ち受けています。対話は、人間が行う処理の中でも非常に複雑なものです。対象者が発した内容を解析すると共に、対象者の意図を推論して理解した上で、環境や人間関係に見合った発言を相手に返す。何気なく行っている私たちの対話行為は、こうして電子的に再現しようとしてみますと、あらゆる技術課題を乗り越えねばならないという事が分かります。

一例として、誰かが「好きだ」と言ったとしましょう。そのテキスト通りに捉えるのなら、なるほど、対象者が自分に対して好意がある、肯定的に捉えている、という事になります。しかし、それは本当に真意から放たれた言葉でしょうか。人間の場合、「嫌い」であっても「好きだ」と言って状況を調整する事があります。その逆のパターンも、当然あります。表情や感情などから総合的に判断しなければならない、実に複雑性が極まる事象です。

対話はそもそも、「発話する事に世界が変容するダイナミックなプロセス」と表現されています。雑談の場合、その対話に期待する効果には「①信頼感の醸成」「②嗜好の獲得」「③思考の喚起」「④承認欲の充足」といったものが挙げられます。こうした対話効果を十分に機能させるに当たっては、「感情的な音声表現」が非常に重要な意味を持ちます。強く「嫌いだ」と言えば拒絶的な反応となり、軽く「嫌いだ」と言えば好意的な反応となり得ます。同じく、「アホ」と怒鳴れば拒絶的、軽く「アホ」を笑えば好意的です。

音生成に関するAI開発は、ただ音を並べるだけでは、最終的な対話の効果を十分に果たす事が出来ませんから、各開発者はその点に着目し、十分な配慮を行っています。

豊かな感情を解析するAI

弊社クリスタルメソッド株式会社の開発を代表する「HAL3(ハルさん)」には、まさにそのような音感情認識機能が搭載されています。こちらの機能は、利用者の皆さんが画面に向かって話しかけると、その際の声のトーンや言葉の特徴により、皆様の感情(喜怒哀楽)を分類・表示する。このような特化型AIによる、優れた機能性なのです。この音感情解析AIには、人の真意を汲み取る潜在能力が含まれています。詳しくはこちらからご覧ください。

HAL3 (ハルさん)

例えば、あるカップルが、休日のテーマパークデートを約束していたものの、そちらが仕事の都合でキャンセルしなければならなくなったとしましょう。その際、片方の方がとても期待していただけに、相手に「なんで仕事なんか入れたんだ、前からずっと約束していたのに!」と大きな声を出したとします。私たちがここから感ずるのは「怒り」ですが、音感情解析AIに掛けますと、「哀しみ」の数値が優先される結果となるかもしれません。もしそれが分かるのなら、相手に対するアプローチの仕方は「怒りの反射」ではなく「哀しみへの慰め」という事になります。

人の感情を音声から解析する事により、適切なアプローチ方法を探る。ビジネス・医療・行政などの範囲において、今後の活躍が期待される技術です。AIの判断が絶対だとは言いませんが、人間が何かを選択する上での役に立つ事は間違いありません。

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