フィンテックは金融サービスに大きな変化をもたらしています。
2000年代前半に登場したフィンテック(FinTech)という言葉が登場してから、多くの金融会社が力を注ぐようになりました。

ただ、フィンテックとは何かをよく知らない人もいるでしょう。
この記事ではフィンテックについて身近なサービスの例を通して紹介します。
今後の展望が明るい技術なのでぜひ今のうちに詳細を確認しておきましょう。

フィンテックとは

プログラムコード

フィンテックとは金融(Finance)と技術(Technology)から生み出された言葉で、ITを利用して新しい金融サービスを開発・提供する事業領域です。
既存の金融サービスにとらわれずに創意工夫をして利便性が高いサービスを確立し、金融機関へのBtoBビジネスを展開しているフィンテック企業もあります。
ITによって常識だったやり方が覆されるケースはどの分野でもあります。
フィンテックは金融業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とも言える確信性のある取り組みです。

フィンテックの市場規模

フィンテックは世界でも日本でも市場規模が急速に大きくなっています。
一般社団法人東京国際金融機構による2020年のマーケットレポートでは、2017年に13.67億米ドルだったフィンテック市場は2019年の時点で32.73億米ドルに成長しています。
同機構では2022年には110億ドル規模になると予想しています。

矢野経済研究所の予測でも1兆2102億円に拡大する発表されているため、3年間で3倍~4倍程度に市場規模が大きくなる分野として注目されているのがフィンテックです。

海外では先進国だけでなく、発展途上国でもフィンテックが活用されています。
ITは金融とマッチする性質があるため、積極的なフィンテックの開発が進められているのが現状です。

 

フィンテックが急成長した背景

フィンテックが急速な成長をしている背景には2つの要因があります。

1つはITの技術的な進歩と浸透です。
インターネットの普及率やスマートフォンの保有率が著しく高まり、ITの活用が日常的におこなわれるようになりました。
利便性の高いIT機器を普段から使用しているユーザーの期待に応えることはビジネスを進める上では欠かせません。
金融サービスでもITの積極的な活用によってユーザーニーズに応えることが重要視されるようになり、フィンテックの開発が活発になっています。

もう1つは金融における分権化の動きです。
2008年のリーマン・ショック以降、銀行や企業への不信感を抱くユーザーが多くなりました。
資産管理には金融サービスが必要ですが、中央一元管理型の銀行や証券会社では不安があるという声が大きくなっています。
金融の改革をして中央集権体制から脱却したいといった考え方のユーザーに着目してフィンテックによるソリューションが開発されています。

フィンテックを支えるIT

地球

フィンテックはITによって支えられています。
技術革新によって新しいフィンテックが生み出され、金融が改革されてきました。
ここではフィンテックを支えているITについて具体例を紹介します。

インターネット

フィンテックの最も基本になっているのはインターネットです。

インターネットを通じてオンラインで送金をしたり、投資信託に申し込んだりすることができるようになったのがまず大きな改革でした。
現在では当然になっていますが、フィンテックが生まれたきっかけになったのがインターネットの普及です。

モバイルデバイス

フィンテックの成長を急加速させたのはスマートフォンなどのモバイルデバイスの登場と普及です。
モバイルデバイスを持つ人が大半を占めるようになり、アプリを通して金融サービスを提供する形を整えられるようになりました。
プッシュ通知でタイムリーな情報を提供したり、本人認証をSMSで実施したりするのが典型例です。

API

APIによってアプリ連携ができるようになり、金融サービスの可能性が広がりました。
APIとはApplication Programming Interfaceで、スマートフォンアプリやウェブアプリなどで情報連携をすることができます。
複数の銀行や証券会社の口座情報を一つのアプリで一元管理したり、GoogleやFacebookなどのアカウント情報を使ってログインできたりするのが具体例です。
ユーザビリティを向上させると同時に、セキュリティの強化にも役に立っています。

ブロックチェーン

ブロックチェーン技術の登場によってフィンテックの新しい道が切り開かれました。
クライアントとサーバーに基づく中央一元管理型の仕組みから、分散管理型の仕組みに切り替えることができるようになったからです。
ブロックチェーンは中央管理者を持たずに、ユーザーが暗号化された取引履歴の情報を共有するシステムです。
ブロックチェーンによってリーマン・ショック後に強まった分権化への期待に応える金融サービスの提供が可能になり、暗号資産やDeFiなどが登場しています。

AI

フィンテックにさらなる可能性を導き出したのがAIです。
AIによってビッグデータの解析ができるようになったことでサービスが多様化しました。
資産運用のポートフォリオをAIによって提案したり、過去の顧客データに基づいて学習させたAIによって融資審査をしたりする応用事例が出てきています。
AIは画像認識による顔認証などにも活用されていて、金融におけるセキュリティ対策においても重要な技術になっています。

IoT

IoTはフィンテックに新しい潮流を生み出すきっかけになった技術です。
Internet of Thingsの略称で、スマートフォンや電化製品、住宅設備などがインターネットによってつながる概念として知られています。
IoTによって情報が集積することにより、ユーザーの日常的な行動についての情報に基づくサービスの提案ができるようになりました。
AIによる機械学習や深層学習を併用することで、ユーザーのビッグデータから的確な金融サービスの紹介や資産運用のサポートを行える時代になっています。

身近にあるフィンテック

クレジットカード

フィンテックは身近に溢れるようになってきました。
どのようなITを活用しているかはサービスごとに異なりますが、例えば以下のようなサービスはフィンテックです。

・暗号資産(仮想通貨)
・クレジットカード
・プリペイドカード
・QRコード決済
・タッチ決済
・家計簿アプリ
・オンライン投資
・ロボアドバイザー投資
・クラウドファンディング
・ソーシャルレンディング

この他にも融資や保険などの分野でフィンテックを活用している事例もあります。フィンテックはもはや日常に存在するものだと考えた方が良い時代です。

フィンテックの今後の展望と課題

パソコン

フィンテックは急成長しているのは確かですが、今後の展望はどうなのかが気になる人いるでしょう。
フィンテックにはまだ課題も多いのも事実です。ここではフィンテックの今後の展望と課題を解説します。

新しいサービスの創出の可能性

フィンテックはITの革新によってこれからも新しいサービスを創出できるポテンシャルを持っています。
インターネットの普及が引き金になって始まったフィンテックは、スマートフォンやIoTなどのデバイス、ブロックチェーンやAIなどの技術の開発によって以前は考えられなかったようなサービスの提供を実現してきました。
今後のITの進展によってさらに魅力的で便利なサービスが生み出される可能性があります。
既存の金融サービスにこだわらずに開発を進めるトレンドができているので、今後の躍進も大いに期待できるでしょう。

初期コストと利用コストの問題

フィンテックはコスト面について賛否両論があります。
ITによるプロセスの自動化や業務効率化、ブロックチェーンの応用による分散管理化によって利用コストは下げられるのは確かです。ユーザーとしては金融サービスの手数料を下げられるのがメリットでしょう。
金融機関としても適切な形でフィンテックを導入すれば運用コストを下げることが可能で、手数料を下げても利益を得られる仕組みを整備することが可能です。
しかし、フィンテックの導入には初期コストがかかります。
特に他社との差別化を図り、優位に立てるフィンテックを開発するには時間も費用も負担が大きくなります。
今後のフィンテックではコストについて金融サービスの提供会社・ユーザーの両方の面からどのような形に落とし込んでいくのかが大きな課題です。

セキュリティの課題

フィンテックにはセキュリティについて現状として良し悪しがあります。
ブロックチェーンによる分散管理型の金融サービスでは、個人情報が特定の金融機関に管理されることがないので情報漏えいリスクが低いのは確かです。
しかし、情報管理は個人が責任を負う形になるため、ユーザー側が高いレベルの情報リテラシーを持つことが求められます。

一方、従来通りのサーバーを用いる中央一元管理型のサービスでは、金融機関が個人情報の管理をして漏えいリスクを限りなくゼロに近づける必要があります。
セキュリティについての意識が低いユーザーも依然として多いため、それでもフィッシング詐欺などによる被害が起こらないように金融機関側が対応しなければならないのが現状です。
セキュリティの課題はインターネットを通じて取引をする以上、フィンテックでは今後も避けて通れません。

まとめ

フィンテックはIT活用によって生み出された新しい革新的な金融サービスを指します。

インターネットが登場してから積極的な取り組みが展開されるようになり、ブロックチェーンやAI、IoTなどの活用によって多種多様なフィンテックが生み出されています。
コストやセキュリティの課題はありますが、今後も新しい金融サービスを創出できる可能性を秘めている魅力的な分野です。
AIは近年の進展が著しく、フィンテックの新しい可能性を切り開くのに有用な技術なので、革新的な金融サービスの開発に活用していきましょう。

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