第13回「製造業が求める『不良原因』の分析AI活用とは?」

日本の製造業の未来に欠かす事のできないAIの諸相をお伝えするべく、「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」と題し、これより全20回に渡ってAI解説記事をお届けしております。今回、第13回は「製造業が求める『不良原因』の分析AI活用とは?」に関するお話です。

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」と呼ばれる技術の基本的な考えは、1947年、数学者アラン・チューリングによって提唱されました。それから半世紀以上の歳月を経て、私たちのデジタル世界は大きく変容し、近年はAI技術が驚異なスピードで進化を遂げ続けています。私ども「クリスタルメソッド株式会社」も、そうしたAI技術躍進の黎明期、2008年頃から活動を開始し、「DeepAICopy」「対話型AI HAL3(ハルさん)」「Winry」「多機能深層学習アプリケーション」「2D/3D検知システム」等、多様な実用製品をお届けしております。

究極的に言えば、私たち人類は「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を人の代わりに担ってくれるロボットやプログラムを求めています。AIは、まさにその「効率性」と「正確性」を同時に実現する革新的手段であり、今後の日本社会、特に製造業を牽引する存在になると、私どもは確信をしております。そのようなAIによる製造業への恩恵のひとつとして、「不良原因」の分析は「スマート工場化」に対して大きな役割を果たしています。

シンギュラリティ

IoT(Internet of Things:あらゆるモノがインターネットによって繋がっている事象)はAIテクノロジーとの親和性が非常に高いものです。それはモノ同士の情報収集・分析・共有、更には自律的な学習やフィードバックを促す環境を実現します。その結果として生産効率を極限まで高めた「スマート工場」を生み出す事が、製造業のAI活用におけるひとつ到達点です。

そのようなスマート工場では、製造業(工場)の基本となる「Quality:品質・仕様」「Cost:コスト・原価」「Delivery:数量・納期」の管理(QCD管理)の多くが自動化される事となります。しかもAIの特性として、判断基準は深層学習を重ねるごとにその精度が上がる為、これまで人の熟練の技・経験によって行われていたQCD管理と同等、あるいは局地的には人のそれを超えるような機能性を発揮するような状態にも至ります。

中でも、製造業にとって「不良原因分析」をAIが代替してくれるというのは非常に画期的であり、まさに革新だと言えます。工場が「Quality:品質・仕様」を高める為には、不良製品が出た際に「不良原因分析=事象・原因・対処法・対策の提示」を行う必要があります。AIはこの分析におけるそれぞれの領域において、より正確に、かつ高速で情報処理を進める事が出来るのです。

不良分類から自動記録まで

「不良分類」のプロセスをAIがサポートする場合、テキストマイニング技術を利用して不良原因を特定し、「不良を生み出している原因工程を即座に停止」「不良に対する対策を行って再稼働する」という生産ラインの無駄を省く状況を実現出来ます。センサーデータを活用しながら不良データの深層学習を続ければ、不良分類における効率と精度が堅実に強化されます。

「異常検知」もAI活用の得意分野です。「通常パターンからの乖離」や「異常発生に至るような前兆パターンの出現」に対して、深層学習を重ねたAIは素早く「異常検知」という出力を行います。この異常検知はこれまで熟練の技・技術が必要であった分野ですが、AIはこれを継承し、24時間体制で環境・体調等に左右されず安定して駆動を続けます。異常検知の短時間化にも貢献する為、製造業における意義が非常に高いAI活用事例です。

膨大なビッグデータ分析や文章検索を通じて、新たな知見を発見するプロセスにおいても、AIは大きな効力を発揮します。また、AIが作業工程を自動記録して不良原因分析の基礎データを自動生成・蓄積する=画像・動画解析から文脈解析を実行する、という「自動記録」も大きな力を示しつつあります。そのような現場記録や、記録データを蓄積してまとめる事務作業時間は、これまで人にとって大きな負担のひとつでした。それらがAIに代替される意味は、慢性的な人手不足を解消する省人化への大きな一手となり得るのです。

輝かしい製造業の未来へ向けて

私たちの全ての願いを叶えてくれる汎用AI(強いAI)の登場はまだ先の話になりそうですが、「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」という人間の脳構造を模倣した「ニューラルネットワーク」の誕生により、着実に「AI自らが、学習の積み重ねによって、より高度な判断を行う」という技術が現実のものとなっています。医療分野を始め、自動運転・カーナビ・ノイズキャンセル・音声分離・ロボティックス・介護・ビジネスデータ・IoT・アシスタントAI(Amazon EchoやGoogle Home等)、生活のあらゆるシーンでの活用が広がっています。

その中でも製造業は、AIが強みとする「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を存分に活かせる分野であり、そこに日本の輝かしい未来へと繋がる原動力が隠されています。既に私どもが実用化に成功している工業用検査(外観検査・欠品検査、異音判定等)のAIを含め、今後、ますますの技術革新への邁進を続けてまいります。私どもの製品にご関心がございましたら、どうぞ何なりとお問合せを頂ければと存じます。

以上、こちらが製造業AI解説特別連載「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」、第13回「製造業が求める『不良原因』の分析AI活用とは?」に関するお話でした。続く第14回は「製造業が求める『設備保全』のAI活用とは?」について取り上げさせて頂きます。

第5回 AI・人工知能 EXPO【春】

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■「第5回 AI・人工知能 EXPO【春】」
公式サイト:https://www.ai-expo-at.jp/
会期:2021年4月7日(水)~9日(金)10:00~18:00
会場:東京ビッグサイト青海展示棟(商談可能)
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
参加料金:事前登録にて無料
後援団体:
一般社団法人 人工知能学会
一般社団法人 日本ディープラーニング協会
同時開催:
第2回 ブロックチェーン EXPO【春】
第1回 量子コンピューティング EXPO【春】

■弊社概要
会社名:クリスタルメソッド株式会社
公式サイト:https://crystal-method.com/
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段 4 丁目 1-14 TL ビル 5F
代表者:代表取締役 河合 継
研究者:20 名以上
主な取引先:大手自動車メーカー、金融システム構築
展望:対話 AI「HAL」に向けた「意識」の導入
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