第10回「AIが優秀な秘書として自動車に乗る日へ」

自動車メーカー 対話AI カーナビなど 優秀な秘書 DeepAICopy

近年、自動車業界で活発に研究が進められている領域が「自動運転技術」です。従来の大手自動車メーカーに加え、テスラ社、アップル社、グーグル社のような新興の大手電子メーカーの参入も見受けられます。この自動運転技術とAIは非常に深い関わりを持っています。

自動運転技術の仕組みの大枠を説明する事は簡単です。AIがどのように運転する事が適切であるかを判断し、加速・減速・ハンドル操作を行うのです。しかしそう簡単に言っても、そもそも「どうやってAIが周囲の状況を判断するのか」という疑問が湧くはずです。人間はそれを目や耳で行っていますが、AIは目や耳の代わりに「センサー」を用いるのです。この自動運転領域のAIには従来の電波や超音波のセンサーに加え、最近では「LiDAR」というセンサー技術に注目が集まっています。

iPhone12Pro/Pro Maxにも「LiDAR」センサーが搭載されるようになりましたので、その実力を把握している方も多いかもしれません。LiDARは「Light Detection and Ranging」の略称であり、レーザー光で物体の距離や向きを立体的に解析する機能を持ちます。短い時間、短い波長で非常に正確な3次元計測が出来るので、このLiDARを通じて得られた情報が、AIにとって「周囲の状況」を把握する最適な情報材料になる訳です。

Lider

こうした自動運転技術に加えて、運転を支援する領域でもAIの大々的な研究と活用が進められています。カーナビなどの運転支援装置に対してAI技術を適用する事により、より安全で円滑な運転を実現しようという試みです。AIは深層学習によって情報の蓄積・分析・活用を自律的に行い、限定された作業領域を人間以上のスピードと正確さでこなす実力を持っていますので、こうした運転支援の世界でも非常に優秀な秘書として活躍する可能性を秘めているのです。

ただし、もちろんAIが本物の秘書のように汎用的な動作を行う事は、現時点での技術性から不可能です。そこで運転支援に関わるAI開発者は領域を可能な限り狭めて、その領域内で精度を高める事を目指します。運転支援の場合、Amazon AlexaGoogle Home等のスマートスピーカーのような広範囲の受け答えは必要ありませんので、道案内や運転操作に関する領域に限定して学習を重ねます。また、深層学習だけではなく、ビッグデータやマシンコントロール技術、センサー技術などと組み合わせる事で、その支援品質の向上を図ります。

そうした領域の中でも、弊社は「対話」という部分に力を注いでいます。優秀な秘書という存在は、ただ情報の受け答えが出来るだけでは務まりません。容姿・声質・仕草といった人間的な要素をある程度再現する事が、優秀な秘書としての存在に至る重要な要素となり得ます。究極的には、マーベル社の映画『アイアンマン』に登場するような運転者支援AI「ジャービス」のような、個性すらも感じさせるような対話を行える運転支援AIを誕生させたいと考えています。

弊社の開発した「DeepAICopy」は、そうした対話AIを代表する一事例です。この「DeepAICopy」は、この世に存在している本物の人間が持つ容姿・仕草・声質を取り込み、これを映像として自動生成する事を可能としています。実在の人間が持つ生体要素が再現されていますので、非常に自然なコミュニケーションを実現します。この対話AI技術を先の各種運転支援技術を組み合わせれば、優秀な秘書として皆様の運転行為を力強くサポートする事になるはずです。

AIが優秀な秘書として自動車に搭乗してくれる日も、そう遠くないと思われます。完全な自動運転技術の開発も着実に進んでいますが、その一歩手前の運転支援という領域も十分に開拓の可能性を秘めた場所となります。自動車がより安全で快適な移動を可能とする移動装置になるよう、弊社も対話AIの開発に力を注ぎ続けて参ります。