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第5回「豊かな生活を導くカーナビAI活用の世界」
運転手が消える未来?
「人はただ自動車に乗るだけ。後は自動車のAIに任せておけば、目的地まで運んでくれる。」そのような自動運転技術へのAI開発が勢いに乗ってから、それなりの時間が経過しています。インテル(アメリカ)、テスラ(アメリカ)、グーグル(アメリカ)、アップル(アメリカ)、バイドゥ(中国)、フォード・モーター(アメリカ)、ダイムラー(ドイツ)、エヌビディア(アメリカ)など、世界の大手企業約50社が参画する自動運転AIの開発戦。この世から「運転手が消える」未来も、そう遠くは無いのかもしれません。
しかし、本当に運転手はこの世から消える職業なのでしょうか。2018年、テスラ社は人類に先駆けて、AI自動運転テスト中の死亡事故を発生させてしまいました。米運輸安全委員会はこの事故原因を、強い日差しとトレーラー側面の反射による誤認識だと述べています。運転手を必要としなくなる未来を築くのなら、こうした安全性の確保を最優先にしなければなりません。便利であるだけでなく、そこに安心がなければ、AIは「人類にとって使える技術」とはならないのです。
AIの進化に伴い、これまで人間が行ってきた仕事をAIが代替する。これは、蒸気機関が誕生して馬車に関わる仕事がなくなったのと同様、新しい技術が生まれる度に既存の仕事が消失または縮小する歴史の法則です。独立行政法人労働政策研究・研修機構によりますと、AIによって消失する傾向にある仕事、消失しない傾向にある仕事というのは、次の通りだそうです。
▼消失する傾向にある仕事:一般(医療)事務員、駅務員、会計監査係員、学校事務員、給食調理人、行政事務員、銀行窓口係、金属研磨工、警備員、自動車組立工、自動車塗装工、スーパー店員、測量士、タクシー運転者、宅配便配達員、電気通信技術者、電子部品製造工、道路パトロール退院、ビル施設管理技術者、ホテル客室係…等々
▼消失しない傾向にある仕事:アナウンサー、犬訓練し、医療ソーシャルワーカー、インテリアコーディネーター、インテリアデザイナー、映画カメラマン、映画監督、エコノミスト、音楽教室講師、学芸員、学校カウンセラー、観光バスガイド、クラシック演奏家、グラフィックデザイナー、ケアマネージャー、経営コンサルタント、ゲームクリエイター、外科医、広告ディレクター、コピーライター、作家…等々
もっと先の未来に、強いAI(=汎用的なAI)が生まれ、シンギュラリティが起きましたら、本当にそうした人類の労働スタイルの大革命が生じる事でしょう。その時には、確かに運転手を必要としない世の中になるかもしれません。ですが、まだそれは「先の未来」の話。現時点のAIは、3D、すなわちこの「三次元」の世界を瞬時に、そして正確に判断するには、まだ技術課題が山積しています。人間は2歳児の時点でも犬と猫を簡単に判別する事が出来ますが、AIがその判断を行うには、推論・物理法則・ロボット技術等、あらゆる問題を解決しなければならないのです。
ただし、その一方で、私たちは「特化した分野」において、AIに最高の仕事をさせる世界の実現段階には至っています。特化した分野における2Dまたは3DのAIの働きは、人間をはるかに超える「正確性とスピード」の判断力を発揮しているのです。AIによる3D判断は、工業用検査(外観検査・欠品検査・異常検知・立体検査等)、ロボティックス等、製造業や生活のあらゆる側面での応用が行われています。自動車に搭載されるカーナビにも、現在はAIが用いられているのです。
カーナビAI活用
自動運転のように「人間に代替するAI」ではなく、「人間の行動をより円滑にする為のサポートを行う特化型AI」。そのような領域に属している応用事例のひとつが、その「カーナビAI」です。利用者の過去の走行データを蓄積・分析しながら、距離、所要時間、料金等の要素を鑑みつつ、一人ひとりの運転傾向に合わせた「推奨ルート」を提供する。誰が使っても同じカーナビではなく、その運転手の為に活動するカーナビ。これは、AIが敵対的に人間社会に潜り込むのではなく、友好的にパートナーとしての地位を保つ、適切な距離感を保ったAIだと言えます。
また、こちらのカーナビAI技術には、「音声認識AI」にも注目が集まっています。Google HomeやAmazon Echoなどでも注目されている、音声による人間活動のアシスタント機能は、走行中の運転手にとって最大の朗報です。運転中でも「安全に(これが何よりも大切です)」、しかも気軽に操作できる音声インターフェースを実現する事により、運転のストレスを大きく軽減させる事が出来るでしょう。また、疑問に思った事や時事ニュースへの問いかけ、お勧めの観光やレストランの情報等、生活の幅を広げる応答にも魅力的な未来があります。カーナビAI活用は、現在もっとも熱の入れられているAI技術開発のひとつなのです。また弊社ではオフィスで活躍するアシスタントAIの開発を行っています。詳しくはこちらからご覧ください。
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