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AIブログ
第15回「オフィスで活躍するAIの世界」
[かつては苦手だった分野]
従来、コンピュータと呼ばれる電子媒体が最も苦手としていた活動があります。それが「パターン認識」です。パターン認識とは、図形や自然言語を認識し、それを理解するという行為を示します。例えば、私たちは(完全ではないとは言え)、向こう側から歩いてくる人物の性別を瞬時に判断する事が出来ます。顔つき、体つき、装飾品、声、あるいは「雰囲気(総合的な仕草)」という言語として表現しにくいものまで、その様々な要素を一瞬で見分ける・聞き分ける事が出来るのです。
しかし、あくまでもコンピュータが生きている世界は、私たちとは異なる二次元の世界。つまり、2D世界(画像・テキスト・動画)の認識が可能であっても、3D世界(人間、造形物、空間)を認識する事が極めて困難だというのが、コンピュータの特徴だったという訳です。実用には遠い道のりが必要だと思われました。
そこに、革新が訪れます。「機械学習(Machine Learning)」から発展した「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」という考え方です。この深層学習によって、コンピュータは私たちが指示を与えなくても、「AI自らが、学習の積み重ねによって、より高度な判断を行う」という、一種自律的な機能を持ち得たのです。これは本当に革新そのものであって、ビジネスや生活環境を大きく変容させる潜在力を有しています。
例えば、手書き文字や印刷された文字の認識を正確に行う3Dセグメンテーション系AI(3次元の事象を判断できるAI)があれば、宅配・郵便などの物流仕分け・課金を自動で行えるようになります。音声という事象に対しても認識や生成が可能となれば、そのAIはあらゆる顧客対応や人材管理面において大きな効果を果たす事でしょう。
[オフィスで活躍するHAL3]
私たちクリスタルメソッド株式会社が主力開発を行っているHAL3(ハルさん)もまた、そうした「私たちのすぐそばで活躍するAI」としての存在感を高めています。こちらは対話型AIとして開発されたもので、主にオフィスワークにおける強力な支援が可能となっています。
HAL3は、「発話内容を認識して受付業務を行う」「写真認証登録を行う事で勤怠管理」「顔の表情から感情を読み取り、健康管理を行う」「知りたい事を質問するとWeb情報を含めて回答する」「議事録の文字起こしを発話者の感情と共に作成する」「リスク許容量によってお勧めの投資信託を紹介し、レコメンド機能を実装し営業サポートを行う」「シーン推定や物体認識機能により、その場の環境に適したワードを用いた対話をする」など、あらゆる範囲におけるAIサポートを行えるのです。詳しくはこちらからご覧ください。
なお、特にAIによる顔認証技術はオフィスだけではなく、治安維持や行政面での活躍も期待されています。既に実用化されて社会に組み込まれている事例も多く、「防犯カメラに映り込んだ人込みの中から特定の人間を抽出する」ような、極めて高度な技術性も実現されています。この分野で先行する(日本の感覚的には「先行し過ぎている」)国は、中国です。今や、都市部のあらゆる場所にカメラが網羅され、AIによる顔認証技術により自動的に犯罪者や危険行動を24時間監視しています。
確かに、莫大な人口を抱える都市においては、このようなAIの大活躍は歓迎するべき事かもしれません。しかし、それは自由やプライベート情報を差し出す事によって成立するディストピアな世界です。こちらを是とするか非とするかは、まだ人類は多くの議論を重ねなければなりません。
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