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DXで利用されつつあるAI 関係性と活用法
DXに活用されるデジタル技術は、クラウドやIoTを始めとして様々ですが、その内の一つにAIがあります。
AIはDXを支えるデジタル技術要素”ABCD”のうちAに当てはまり、DXの導入に対しても大きな役割を担っています。
AIはDXにおいて具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。また、なぜAIはDXに必要とされるのでしょうか。
今回は、DXにおけるAIの必要性と関係性について紹介していきます。
DXとその必要性
業務の一部にデジタル技術を取り入れるのではなく、組織全体にデジタル技術を取り入れ、組織の変化を促すことがDXの意義とされますが、そもそもなぜDXは導入する必要性があると言われているのでしょうか。
AIとの関係性の前に、まずはDXの必要性についてご紹介します。
レガシーシステムによる柔軟さの欠如
一つ目は、組織におけるレガシーシステムを改善し、変化に対する柔軟さを得ることが目的にあります。
複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムを利用し続けることで、2025年以降大きな損失が懸念されることを
「2025年の崖」と言いますが、レガシーシステムを利用し続けることで市場の変化に対応できなくなったり、ITシステムの運用管理費が高額化するなどの問題を抱えています。
変化する市場への対応
二つ目の目的は、多様化したニーズによって変化する市場に対応する事です。
レガシーシステムによって変化する市場への対応力が低下するだけに限らず、現代では多様化したニーズによって、以前に比べて需要を理解するのが難しくなっています。
そんな現代で、強い競争力を確保するには、膨大なデータを分析して行う製品開発が重要になります。
そして、その膨大なデータを分析するためにデジタル技術が必要になります。
業務の効率化
現在日本では少子高齢化が進んでいますが、それによって労働力が減少しています。
それによって、以前よりも少ない人数で業務を回さなくてはいけなくなり、加えて変化する市場に対応するために、さらなる業務が要求される現状にあります。
この課題に対して、新たに人材を確保する事ができれば良いのですが、難しいと言わざるを得ません。
よって、その代わりに少ない人数でも業務を回せるだけの効率化が必然であると言えます。
そもそもAIとは何か
DXを導入する必要性を明確にした上で、続いてはAIについてです。
AIといえばディープラーニングによって学習し、SiriやAlexaなどが世間には登場していますが、具体的にどういったものをAIと呼ぶのか、あまり明確ではないのでしょうか。
なので、続いてはAIという概念を明確にしていきましょう。
定義が曖昧なAI
実は人によっても定義が曖昧なAIですが、日本の研究者である公立はこだて未来大学学長の中島秀之氏は、
「人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である」
平成28年版 情報通信白書|総務省より
と定義しています。
心を持つ機械という概念で言えば、AIはまだ実現できていないと言えます。
よって、ここで重要なのは知能・知性を持つ機械という考え方だと言えますが、今度は「そもそも知性とは何か」という点において、AIを明確に定義することを困難にしています。
5つのレベルが存在
一概にAIといっても、その程度には5つのレベルが存在します。
- レベル1 特定の動作しか行えず、制御アルゴリズムに従って動くAI
- レベル2 学習できず、アルゴリズムに従って動く代わりに、組み込んだ知識によって対応の幅が広がったAI
- レベル3 学習しパターンを増やしてくれるAI
- レベル4 自ら学習し急速に成長するAI
- レベル5 人間と同じレベルで思考できるAI
レベル1だと単なるプログラムという印象で、一般的にはレベル3からがAIと認識されやすいでしょう。
現在はまだレベル5のAIはできていませんが、自動運転に組み込まれているAIはレベル4に当てはまります。
DXとAIの関係性
ここまでDXが必要とされる理由とAIについてご紹介してきました。
この二つの点を踏まえて、DXにおけるAIにはどのような役割が求められるのでしょうか。
そして、どのような問題を解決する事を期待されているのでしょうか。
ビッグデータの分析・活用
一つ目は、AIによってビッグデータの分析や活用が期待されています。
DXを導入する必要性において、多様化したニーズを理解する点を挙げましたが、ニーズを理解する為の膨大な情報の分析は、人の手では困難であると言えます。
そこで、AIによる分析を行うことで、作業効率を低下させる事なく、ニーズを理解して市場の変化に対応しやすくなる事が期待されています。
また、AIの活用によって情報を可視化することで、ビッグデータをより活用しやすい形にする効果も期待されています。
業務効率の改善
二つ目は、少子高齢化によって低下した労働力に対して、業務効率の改善が期待されています。
先ほども触れた、AIを活用することで情報を可視化する事も、業務効率を改善するきっかけの一つであると言えます。
また、現在では無人決済システムなどが登場しており、これによって人件費の削減から非対面の両方を推進する事が可能になります。
他にも、物流における最適な運航スケジュールを考えるのは、様々なパターンの中から人の手によって考えるのは困難でした。
そこで、AIを導入することで最適な運航スケジュールを提案しながら、運航担当者の負担を大きく減らすことにもつながります。
顧客体験(CX)の向上
消費者が商品・サービスを購入する前から購入後までのサポートの事を、このCXと呼びますが、AIを導入する事でCXの向上にもつながります。
例えば、AIによるチャットボットを導入することで、消費者は時間をかける事なく知りたい情報が得られ、企業にとっても業務効率の改善につながります。
また、実際に羽田空港で導入されている待ち時間予測システムは、利用者が感じる長い待ち時間に対する不満の解消を可能にします。
他にも、AIによる予測を行えば、店頭における商品の需要や供給過多を把握し、適切に商品を並べる事ができます。
そして、それはCXの向上だけでなく、流通や人材における余分なコストが発生することにもつながるため、企業にとって大きな恩恵があると言えるでしょう。
まとめ
AIによる分析は、今回ご紹介したように業務効率の改善から、変化する市場に対応する点においても重要な役割を担っています。
また、それに加えて今まで人が行っていた経験や勘による業務を、他の人でも行えるようにする事が可能になります。
つまり、AIは業務効率を改善するだけに限らず、各業界における技術の継承問題の解決にもつながります。
今後、よりAIの技術は発達していき、いずれは人間の知能を超えるシンギュラリティが到達するとも言われています。
そうなれば、業務効率を改善するのに飽きたらず、全てAIが業務を行える様になるかもしれません。
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DXについて定義や意味から分かりやすく解説をします。以下の記事でイチから解説します!是非ご覧ください!
>> DXとは?定義や意味を分かりやすく解説!
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