アノテーションが利用される場面

注釈という意味を持つアノテーションですが、実際にどの様な場面で利用されるのでしょうか。用途としては、大きく分けて「ビックデータの活用」「機械学習における教師データ」の二つがあります。
ビックデータの活用
マーケティングを始めとして、現代で様々な状況において利用されるビッグデータ。多様化した消費者のニーズを理解し、変化する市場や広告戦略を活用する点において、ビッグデータの存在は必要不可欠です。しかし、その膨大な情報量ゆえに、そのままだと適切なデータを探しにくいという欠点を持っています。
そこで、”このデータは何に関するデータなのか”という事を表すアノテーションを利用することで、素早く求める情報を見つけやすくなります。情報を効率よく整理し、情報の収集やデータの分析を行いやすくなります。
また、人の目であれば簡単に理解できるような情報でも、AIでは抽象的な概念を理解しにくいです。しかし、そんな時にも取得したデータにアノテーションが行われていれば、AIを活用した分析もよりスムーズになり、その結果市場の変化に対してタイムリーに分析結果を反映させることが可能になります。
機械学習における教師データ
DXを始めとして、様々な分野で期待されている機械学習ですが、精度の高い機械学習を進める点においても、アノテーションは重要な存在です。
まず、機械学習には”教師あり学習”・”教師なし学習”の二つがありますが、教師なし学習は答えとなるデータを必要としません。故に、基本的には教師あり学習を行う際に、アノテーションが必要となります。教師あり学習を行う時の流れとしては、以下の様に進行していきます。
1. データ収集
2. 意味づけ:アノテーション
3. 学習
4. 評価
5. 運用
欠陥品の発見や自動運転における信号の認識などは、人間にとっては判断が容易でも、抽象的な概念である故にAIには判断が難しいと言えます。そこで、アノテーションを行うことによって、機械学習としての精度を高めることができます。