物流DXの事例集

物流業界でのDXについてより深く理解するためここでは、物流DXの事例についてわかりやすく説明します。
無賃運搬車による仕分け作業
まずは、SGホールディングス株式会社のグループ企業である佐川グローバルロジスティクスにおける、仕分け業務のDX。DXを導入し、業務効率を改善するための案として、AIやロボットによる作業の自動化が挙げられます。そこで、埼玉県にある佐川流通センターでは、仕分け業務に「t-Sort」と呼ばれるロボットと「RFIDシステム」を導入しました。
t-Sortが運び、RFIDシステムが仕分けロボットを管理するこのテクノロジーは、作業にかかる人手の数を減らしながらも、ヒューマンエラーをなくす試みがなされ、実際にそのロボットの導入によって生産効率の上昇を実現しています。
仕分け業務のDX|佐川グローバルロジスティクス
運送に関わる情報をデジタル化
続いては、株式会社日立物流によって行われている、運送に関わる情報をデジタル化し、AIに分析させることで現場の効率化を図りながらも、新たなビジネスモデルを生み出す取り組みがされています。具体的な取り組みの内容としては以下のようなシステムを導入し、積極的なデータの収集に加えて、そのデータを分析して業務の負担や効率の改善などが行われています。
・サプライチェーン上のデータを一元管理・可視化
・自動化・省人化を目指すスマートウエアハウス
・庫内作業の標準化を図る倉庫内デジタルプラットフォーム
DX戦略|日立物流
運搬スケジュールに関する支援システム
続いては、日本郵船株式会社における自動車専用船の運行スケジュールを支援するシステムについて。船によって貨物を運搬するとき、最適なスケジュールを策定するには、寄港地や貨物の積載状況を始めとして、航路上の天候・港の混雑状況・各関係者との調整など、変動する様々な要素を考慮して決める必要があり、運航担当者の大きな負担となっていました。
そこで、この支援システムを導入することで、人の手では計算できなかった最適スケジュールの提示から、運航担当者の業務効率の改善、そしてノウハウの継承にまつわる問題も解決する事ができます。
自動車専用船の運搬スケジュール策定支援システム|日本郵船
ドローンを活用した配送サービスの展開
続いては、日本航空株式会社がKDDI株式会社と協力して行った、東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトについて。2022年の2月8日から2月10日の間において、同プロジェクトの先駆けとなるドローンでの医薬品配送の実証実験が行われました。
もしドローンによる配送が可能となれば、EC市場の拡大化によって増えた小口の荷物はドローンによって行い、一定以上の積載効率を確保できる荷物にはトラックを使用するなど、運搬効率を上げる事が可能になります。また、それによって労働力の不足や長時間労働などの、様々な課題にも対処可能になります。
また、このドローンによる配送の価値はそれだけではなく、需要の少ない過疎地への配達や、上空を飛ぶ事ができるため被災地への運搬も可能になります。
ドローンで医薬品配送実験|JAPAN AIRLINES