物流業でDX導入が必要な理由を分かりやすく事例を含めてご紹介

デジタル技術を組織全体に取り入れ、システムやビジネスモデルを変化させる事が目的のDX(デジタルトランスフォーメーション)。2025年の崖問題に対して、経済産業省が様々な業界にDXの導入を推進しており、それは物流業界も例外ではありません。

DXは導入するにあたって、各業界が抱えている課題を解決し、より作業効率を上げる事が目的となりますが、物流業界ではどのような課題を抱えているのでしょうか。また、DXを導入した事例として、どのような企業が行っているのか。その点について、今回はご紹介していきます。

物流業界におけるDXとは

物流業におけるDX国土交通省が最近の物流政策について報告をするレポートの中で、今後の物流業界における方針として以下の内容が挙げられています。

・物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化
・労働力不足対策と物流構造改革の推進
・強靭で持続可能な物流ネットワークの構築
最近の物流政策について|国土交通省

昨今のコロナ問題によって、世界各地のサプライチェーンが分断され、現在の物流が抱える課題というのが明確になりました。よって、その課題に対策することに加えて、変化する市場に対応しやすくするための組織改革が求められています。それを可能にするために、デジタル技術を単なる業務の一部に取り入れるのではなく、組織全体に取り入れてシステムを刷新するDXが推進されています。

物流業界が抱える課題

物流貨物

先ほど、このコロナ問題によって物流業界が抱える課題が明確になったと表現しましたが、では具体的に物流業界はどのような課題を抱えているのでしょうか。その課題を明確にすることで、導入するべきデジタル技術や、DXを導入して目指すべき組織のあり方が見えてきます。

労働力不足

まず一つ目は、労働力不足。これは物流業界に限った話ではありませんが、少子高齢化の影響により、新しい労働力を確保することが難しくなっています。そして、国土交通省のレポートによると、ドライバー不足を訴える企業の割合は、年々増えています。これは、後ほど詳しく紹介する、EC市場の拡大化により、以前と配送の仕方が異なってきたことも原因の一端にあるでしょう。

また、労働力不足により、抱えている業務を少ない労働力でこなす必要に迫られ、結果として長時間労働による従業員への負担が増えていることも、物流業界が抱えている課題として挙げられます。

EC市場の拡大による荷物の小口化

また、物流業界特有の課題として、EC市場の拡大化により配達する荷物の小口化が挙げられます。以前までは、BtoBを中心として、トラックいっぱいに積み込んで運搬する事が基本でした。しかし、最近ではEC市場の拡大化に伴い、企業ではなく消費者へ配送する機会が以前に比べて格段に増えました。それにより、トラックに積み込む荷物の数がコントロールしづらくなり、結果としてトラック一台に対する積載効率が2005年から減少し続け、現在では40%まで低下するなど、運搬効率の低さが問題視されています。

また、これが先ほど軽く触れた、人手不足の原因にも関係しています。積載効率が低くなれば、同じ売り上げを維持するためにも、配送する回数を増やす必要が出てきます。それ故に、従業員は長時間労働を求められているのに対して、賃金が上がらないという別の問題にも関係してきます。

物流DXの事例集

貨物船

労働力不足に加えて、EC市場の拡大化による積載効率の低下・長時間労働・給与の低さなど、物流業界は多くの課題を抱えています。では、それを解決するためには、どのようなデジタル技術を取り入れ、DX導入を目指すべきなのでしょうか。それを考えるためにも、DXを導入した事例についてご紹介していきます。

無賃運搬車による仕分け作業

まずは、SGホールディングス株式会社のグループ企業である佐川グローバルロジスティクスにおける、仕分け業務のDX。DXを導入し、業務効率を改善するための案として、AIやロボットによる作業の自動化が挙げられます。そこで、埼玉県にある佐川流通センターでは、仕分け業務に「t-Sort」と呼ばれるロボットと「RFIDシステム」を導入しました。

t-Sortが運び、RFIDシステムが仕分けロボットを管理するこのテクノロジーは、作業にかかる人手の数を減らしながらも、ヒューマンエラーをなくす試みがなされ、実際にそのロボットの導入によって生産効率の上昇を実現しています。
仕分け業務のDX|佐川グローバルロジスティクス

運送に関わる情報をデジタル化

続いては、株式会社日立物流によって行われている、運送に関わる情報をデジタル化し、AIに分析させることで現場の効率化を図りながらも、新たなビジネスモデルを生み出す取り組みがされています。具体的な取り組みの内容としては以下のようなシステムを導入し、積極的なデータの収集に加えて、そのデータを分析して業務の負担や効率の改善などが行われています。

・サプライチェーン上のデータを一元管理・可視化
・自動化・省人化を目指すスマートウエアハウス
・庫内作業の標準化を図る倉庫内デジタルプラットフォーム
DX戦略|日立物流

運搬スケジュールに関する支援システム

続いては、日本郵船株式会社における自動車専用船の運行スケジュールを支援するシステムについて。船によって貨物を運搬するとき、最適なスケジュールを策定するには、寄港地や貨物の積載状況を始めとして、航路上の天候・港の混雑状況・各関係者との調整など、変動する様々な要素を考慮して決める必要があり、運航担当者の大きな負担となっていました。

そこで、この支援システムを導入することで、人の手では計算できなかった最適スケジュールの提示から、運航担当者の業務効率の改善、そしてノウハウの継承にまつわる問題も解決する事ができます。

自動車専用船の運搬スケジュール策定支援システム|日本郵船

ドローンを活用した配送サービスの展開

続いては、日本航空株式会社がKDDI株式会社と協力して行った、東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトについて。2022年の2月8日から2月10日の間において、同プロジェクトの先駆けとなるドローンでの医薬品配送の実証実験が行われました。

もしドローンによる配送が可能となれば、EC市場の拡大化によって増えた小口の荷物はドローンによって行い、一定以上の積載効率を確保できる荷物にはトラックを使用するなど、運搬効率を上げる事が可能になります。また、それによって労働力の不足や長時間労働などの、様々な課題にも対処可能になります。

また、このドローンによる配送の価値はそれだけではなく、需要の少ない過疎地への配達や、上空を飛ぶ事ができるため被災地への運搬も可能になります。
ドローンで医薬品配送実験|JAPAN AIRLINES

まとめ

ノートとペン

今回は、物流業界が抱える課題と、実際に取り組まれているDXの事例についてご紹介していきました。少子化による労働力の不足はともかく、積載効率の低さや長時間労働は、変化した市場に対応しきれていないのが原因と考えることもできます。故に、配達を行うシステムを変化させるためにDXを導入できると、また新たなビジネスモデルの創造にもつながると言えます。

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DXについて定義や意味から分かりやすく解説をします。以下の記事でイチから解説します!是非ご覧ください!
>> DXとは?定義や意味を分かりやすく解説!

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