第10回「日本が目指す製造業とAI活用シナリオとは?」

日本の製造業の未来に欠かす事のできないAIの諸相をお伝えするべく、「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」と題し、これより全20回に渡ってAI解説記事をお届けしております。今回、第10回は「日本が目指す製造業とAI活用シナリオとは?」に関するお話です。

人工知能(Artificial Intelligence)、すなわち「AI」と呼ばれる技術の基本的な考えは、1947年、数学者アラン・チューリングによって提唱されました。それから半世紀以上の歳月を経て、私たちのデジタル世界は大きく変容し、近年はAI技術が驚異なスピードで進化を遂げ続けています。私ども「クリスタルメソッド株式会社」も、そうしたAI技術躍進の黎明期、2008年頃から活動を開始し、「DeepAICopy」「対話型AI HAL3(ハルさん)」「Winry」「多機能深層学習アプリケーション」「2D/3D検知システム」等、多様な実用製品をお届けしております。

究極的に言えば、私たち人類は「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を人の代わりに担ってくれるロボットやプログラムを求めています。AIは、まさにその「効率性」と「正確性」を同時に実現する革新的手段であり、今後の日本社会、特に製造業を牽引する存在になると、私どもは確信をしております。そして今まさに、経産省(経済産業省)は低成長の打開策としての「AI活用シナリオ」を描いているのです。

Society5.0

1980年代、日本の製造業は世界を圧倒する輝かしい技術力とシェアを誇るまでに成長していました。その成長シナリオの中核を描いたのは、当時の通産省(通商産業省)でした。現在、そのような過去の成功事例を鑑みながら、経産省が打ち立てているのが「Society5.0」という新たな成長シナリオです。それは「AIテクノロジー、IoT、ロボット等の革新技術を詰め込んだ社会の誕生」という内容になっています。

Society5.0とは、「第5段階の社会」を意味しています。これまでの日本社会は第1段階の「狩猟社会」、第2段階の「農耕社会」、第3段階の「工業社会」、第4段階の「情報社会」を経て現在に至ります。この現在の「情報社会」に、AIを中心としたテクノロジー活用が十分に加わりますと、「Society5.0(第5段階の社会=AI社会)」に到達をします。より具体的な説明としては、「Society5.0は現実空間にあるセンサーとインターネットを通じて、ヒト・モノ・コトの全ての情報がAIを介してオンラインへの蓄積・分析・フィードバックが適切に行われる社会である」といった説明がなされています。

大げさな表現に聞こえるかもしれませんが、この戦略はあながち夢物語とは言い切れない可能性と潜在力があります。というよりも、むしろそれは「そうならなければならない」という話でもあるのです。日本の国家の基軸となっている農業・モノづくり・モビリティ・医療・エネルギー・行政といった各領域においては、少子高齢化による慢性的な人材不足や産業構造の疲弊により、もはやAIによる十分なサポートを受けなければ立ち行かない状況になりかけています。

製造業の課題とAIの力

日本の製造業が抱えている課題は、主に2点あると言えます。1点目は上述の通りの「慢性的な人手不足」です。続けて2点目は「モノではなくコト(サービスやソリューション)が求められる時代への適応遅延」です。モノづくり世界は多様・複雑化を極めており、クローバリズムによる国際競争力にも配慮しなければならない為、「コト」という視点不足を補填する手段が必要なのです。

AIが強みとする自律的・学習的な3機能(予測・分類・実行)は、そうした製造業の課題解決に大きな力を発揮します。例えば、ニーズに対応した柔軟性の高い生産計画・需要予測・在庫管理を行うに当たっては、「予測」の機能分野が役立ちます。また、工場現場においては、「省人化」「見える化」「熟練技の継承」「異常検知の自動化」等を行い、あらゆる生産問題を総合的に解決する手立てとなり得ます。その他、「倉庫管理」「異業種協調配送」といった物流面での効率化も図る事が出来るでしょう。

AIによって可視化されたデータ連携を基盤として、「サプライチェーンの洗練」「生産性・稼働率の工場」「革新的なモノ・コトの創出」へと至る「Society5.0」の理想像が製造業界に体現されれば、そこに日本の新たな力強い姿を見出す事が出来るはずです。実際、ドイツでは、既にそのような「スマート工場」を先駆的に実現しています。このドイツ製造業とスマート工場に関する事例は、次回のお話とさせて頂ければと思います。

輝かしい製造業の未来へ向けて

私たちの全ての願いを叶えてくれる汎用AI(強いAI)の登場はまだ先の話になりそうですが、「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」という人間の脳構造を模倣した「ニューラルネットワーク」の誕生により、着実に「AI自らが、学習の積み重ねによって、より高度な判断を行う」という技術が現実のものとなっています。医療分野を始め、自動運転・カーナビ・ノイズキャンセル・音声分離・ロボティックス・介護・ビジネスデータ・IoT・アシスタントAI(Amazon EchoやGoogle Home等)、生活のあらゆるシーンでの活用が広がっています。

その中でも製造業は、AIが強みとする「辛抱強さ=効率性」と「冷静さ=正確性」を存分に活かせる分野であり、そこに日本の輝かしい未来へと繋がる原動力が隠されています。既に私どもが実用化に成功している工業用検査(外観検査・欠品検査、異音判定等)のAIを含め、今後、ますますの技術革新への邁進を続けてまいります。私どもの製品にご関心がございましたら、どうぞ何なりとお問合せを頂ければと存じます。

以上、こちらが製造業AI解説特別連載「AIでコペルニクス的転回を迎えるモノづくり」、第10回「日本が目指す製造業とAI活用シナリオとは?」に関するお話でした。続く第11回は先述の通り、「ドイツ製造業が実現したスマート工場とは?」について取り上げさせて頂きます。

第5回 AI・人工知能 EXPO【春】

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■「第5回 AI・人工知能 EXPO【春】」
公式サイト:https://www.ai-expo-at.jp/
会期:2021年4月7日(水)~9日(金)10:00~18:00
会場:東京ビッグサイト青海展示棟(商談可能)
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
参加料金:事前登録にて無料
後援団体:
一般社団法人 人工知能学会
一般社団法人 日本ディープラーニング協会
同時開催:
第2回 ブロックチェーン EXPO【春】
第1回 量子コンピューティング EXPO【春】

■弊社概要
会社名:クリスタルメソッド株式会社
公式サイト:https://crystal-method.com/
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段 4 丁目 1-14 TL ビル 5F
代表者:代表取締役 河合 継
研究者:20 名以上
主な取引先:大手自動車メーカー、金融システム構築
展望:対話 AI「HAL」に向けた「意識」の導入
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