3d
3D画像での異常検知システム(3DのAI・深層学習)
監修
河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)
AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
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3DのAI・深層学習
3Dデータとは?
写真等の一般的な2Dデータは、ピクセル(画素)の縦×横の2次元の配列です。
では3Dデータはどの様に表現されるのでしょうか?実は、3Dデータには様々な表現方法があり、用途によって使い分けられています。
ボクセルデータ
ピクセルの配列で表される2Dデータの考え方を、そのまま3Dデータに拡張したのがボクセルデータです。ボクセルデータは、ボクセル(2Dデータにおけるピクセルに相当)の縦×横×高さの3次元の配列で表されます。
医療分野等、物体の内部の情報を細かく知る必要がある場合に用いられますが、解像度を上げるほどデータ量が膨大になります。
ポリゴンメッシュデータ
単にメッシュと呼ばれる事が多いです。立体を、頂点と辺で構成される多角形の集合で表します。多角形としては一般的に3角形が用いられます。
物体の表面だけのデータになるのでボクセルに比べてデータ量が少なく済むのが特徴です。
点群データ
全て点で表された3Dデータです。ボクセルデータも点の集合とみなせますが、ボクセルは縦×横×高さで格子状に並んでいるのに対し、点群データの場合、点の位置に制限はありません。
3次元測定器で撮影した3次元データは全て点群として得られる為、測定データとしては基本の形式になります。3Dデータ表現の中では特に研究が進んでいます。
これらの3Dデータを適切に扱う事で、2Dデータだけでは難しい問題にアプローチする事が可能になります。
3Dデータにおける深層学習
PointNet
それ以前では、画像分類の分野で成功したCNNをそのまま応用出来るボクセルデータに点群を変換して処理する研究が主流でした。しかし、PointNetではデータの処理を工夫することで、3D点群データをそのまま扱い、深層学習アプローチでの精度の高いモデル分類、セグメンテーションなどを可能にしました。論文はこちら。
PointNetの応用範囲としては、分類、部分セグメンテーション、セマンティックセグメンテーション等が挙げられます。

PointNet++
PointNetのネットワークに階層構造を加えることで、局所的な特徴を捉えられるように改良したネットワークです。論文はこちら。
PointNet#
弊社で開発した、PointNet++を更に改良したネットワークで、「色情報と時系列情報を付与した3次元点群の分類」という論文を人工知能学会で発表しました。
PointNet++に色情報を特徴量として追加し、PointNet++の特徴抽出入力の構造を変更したモデルです。PointNet#によって、色情報を加味した3Dデータの判定を行うことが可能になりました
MeshNet
点群データではなく、ポリゴンメッシュに間する深層学習の研究です。論文はこちら。

弊社で実現したこと
3D異常検知
2D画像ではとらえきれない物体の凹凸等の異常を、3Dデータの解析をする事で検知する事を目的としています。
3D異常検知の流れは以下のようになります。

- 3D点群データの取得
3次元測定器で対象を撮影すると、点群データが得られます。撮影中は撮影状況のモニタリングも可能です。
- 3D点群データベース
取得した3D点群データをデータベースに保持します。また取得したデータの表示や、異常検知の学習に使用することができます。
- 3Dモデルの作成
取得した点群データから、処理に必要な3Dモデルを作成します。独自開発した手法により、高速に動作します。
- 学習・判定
取得した3Dデータを用いて、異常検知やパーツごとの分類を行います。2Dでは正確に把握することが難しい異常(シワ等)を3Dデータを用いたアプローチによって、2Dより高い精度で検出することができます。
一例としては、家具の3Dスキャンすることで3Dデータを構築し、GAN(敵対性ネットワーク)の活用でデータを増やした後、PointNet++で不良判別を行う、等が挙げられます。実施イメージを下に示します。


左図はシワのない立方体、右図はシワのある立方体を表しています。

上のグラフのように識別精度が変化します。弊社ではおおむね90%~95%の精度を達成しています。
為替情報の幾何学的特徴を用いた売買アルゴリズムの検討
PointNet++を用いて為替情報の分類を行いました。
本研究の目標は、為替取引(ドル円)に対して機械学習を用いたアプローチによってリターンを上げる事です。
・PCAおよびt-SNEを用いて、インプット情報を三次元データとする
・正解ラベルは5分後の価格変動に応じて行う(表1)
・連続する512時点分の三次元データを間隔256で移動させて順次入力
→パラメーター最適化

学習結果、以下のような表現を得ました。
Stay
Up
Down
詳しくは人工知能学会金融情報学会第21回での発表についての記事をご参照ください。
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よくある質問
Q. 3Dデータにはどのような表現方法がありますか?
A. ボクセルデータ、ポリゴンメッシュデータ、点群データの3種類が代表的です。用途によって使い分けられ、医療分野など物体内部の情報が必要な場合はボクセルデータ、3次元測定器で撮影したデータは点群データが基本形式になります。
Q. PointNetとはどのような技術ですか?
A. 3D点群データをそのまま扱い、深層学習アプローチで精度の高いモデル分類やセグメンテーションを可能にした技術です。PointNet++はこれに階層構造を加えて局所的な特徴を捉えられるよう改良したネットワークです。
Q. PointNet#とは何ですか?
A. PointNet++をさらに改良したネットワークで、色情報と時系列情報を付与した3次元点群の分類を可能にする独自技術です。人工知能学会で論文発表されています。
Q. 3D異常検知はどのような流れで行われますか?
A. 3次元測定器で対象を撮影して点群データを取得し、3Dデータベースに保持したうえで3Dモデルを作成し、学習・判定を行う流れです。2D画像ではとらえきれない物体の凹凸等の異常を検知することを目的としています。
Q. 2D画像での異常検知とは何が違いますか?
A. 2D画像では捉えきれない物体の凹凸などの立体的な異常を、3Dデータの解析によって検知できる点が異なります。2D画像での異常検知には別ソリューションの「DeepAI」が対応しています。
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