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Gemini Gems とは?作り方・使い方・おすすめ【2026年版】
Gemini Gemsとは?カスタムAIアシスタントの仕組みを徹底解説
「毎回同じ指示をGeminiに入力するのが面倒」「特定の業務に特化したAIアシスタントを使いたい」――そう感じたことがあるなら、Gemini Gems(ジェミニ ジェムズ)は強力な解決策になります。GemsはGoogleが提供するGeminiのカスタムAI機能で、あらかじめ役割・口調・知識・制約を設定したパーソナライズドアシスタントを自分で作成・保存できます。実務でGeminiを活用してきた経験から言えば、Gemsを導入した前後では業務効率が大きく変わります。本記事では、Gemsの仕組み・作り方・活用事例・注意点まで、実運用の知見を交えながら徹底的に解説します。
Gemini Gemsとは何か
Gemini GemsはGeminiに組み込まれた「カスタムペルソナ機能」です。端的に言えば、特定の目的に特化したシステムプロンプトとキャラクター設定を保存したショートカットと理解するとわかりやすいでしょう。
通常のGeminiは毎会話がリセットされるため、「あなたはマーケティング専門家です。日本語で簡潔に答えてください」といった前提条件を毎回入力する必要があります。Gemsはその設定を「ひとつのアシスタント」として保存しておき、次回以降はそのGemsを選ぶだけで即座に最適な状態で会話を始められます。
Gemsはユーザー自身が作成する「カスタムGems」と、Googleが事前に用意した「Google提供のGems」の2種類に分かれます。
ユーザーが名前・説明・指示・参照ファイルを自由に設定して作成。無制限に保存可能(プラン制限あり)。
ライティングエディター、コーディングパートナー、学習コーチなど10種類前後があらかじめ用意済み。すぐに使える。
Geminiの基本的な概要やモデル構成については Geminiとは|Google製生成AIの全体像 をご参照ください。本記事ではGemsの機能そのものを深掘りします。
Gemsはどのプランでどこまでつかえるか
Gemsの利用可否はGeminiの契約プランによって異なります。結論から言うと、カスタムGemsの作成・利用はGemini Advanced(Google One AI Premium)以上のプランが必要です。無料プランではGoogle提供のGems(公式プリセット)の一部しか使えません。
| プラン | カスタムGems作成 | Google提供Gems | ファイルアップロード |
|---|---|---|---|
| Gemini 無料 | ❌ 不可 | 一部のみ | ❌ 不可 |
| Gemini Advanced(AI Premium) | ✅ 可(無制限) | ✅ すべて | ✅ 可 |
| Google Workspace(Business/Enterprise) | ✅ 可(管理者設定による) | ✅ すべて | ✅ 可 |
Geminiの無料プランでできることの全体像は Gemini無料プランでどこまでできるか で詳しく解説しています。料金プランの比較は Gemini料金プラン完全ガイド をご覧ください。
カスタムGemsの作成手順
Gemsの作成はGeminiのサイドバーから3〜5分程度で完了します。以下の手順で進めてください。
- Gemini(gemini.google.com)にアクセスし、左サイドバーの「Gems」をクリック
Gemini Advancedにサインインしている場合、サイドバーに「Gems」の項目が表示されます。 - 「新しいGemを作成」をクリック
Gem Managerが開き、設定フォームが表示されます。 - 名前・説明を入力
他のGemsと区別しやすい名称を付けます。説明文は任意ですが、チームで共有する場合は用途を書いておくと便利です。 - 「指示」欄に役割・ルール・制約を記述
ここがGemsの核心です。「あなたは〇〇の専門家です。〜のフォーマットで回答してください」といった形で自然言語で記述します。 - 参照ファイルをアップロード(オプション)
自社の商品情報・スタイルガイド・よくある質問集などのテキストファイル/PDFを添付すると、Gemsはその内容を参照して回答できます。 - 右側のプレビューでテストし「保存」
保存したGemsはサイドバーのGemリストに追加され、いつでも呼び出せます。
弊社の実運用では、「指示」欄を書く際に①役割の定義→②出力フォーマット→③禁止事項→④例示の4要素を盛り込むと安定した品質が得られました。特に「〜は書かないでください」という禁止事項の明記が、出力のブレを大幅に減らす効果があります。

「指示(Instructions)」の効果的な書き方
Gemsの品質を左右する最重要要素は「指示」欄の記述内容です。ここではGeminiのシステムプロンプトに相当する内容を記述します。
指示を構成する4つの要素
「あなたは日本語コピーライターです。BtoB SaaSのマーケティング経験があります」のように具体的に設定する。
「回答は必ず箇条書き3点以内で」「見出しはMarkdown形式で」など、形式を固定する。
「根拠なく断言しない」「競合他社名は出さない」など、出力を絞り込むルールを列挙する。
「例:入力=○○→出力=××」の形で1〜3例を示すと、望む出力スタイルを素早く学習させられる。
指示の長さの目安
指示が短すぎると出力がブレやすく、長すぎると優先順位が曖昧になります。実運用の感覚では200〜600文字程度が扱いやすいレンジです。ただしRAG(参照ファイル)でカバーできる知識は指示欄に書かず、ファイルに委ねるとすっきりします。
よくある失敗パターン
- 役割だけで制約がない:「マーケターとして振る舞ってください」のみでは出力スタイルが定まらない。
- 抽象的すぎる指示:「わかりやすく書いてください」は解釈が広すぎる。「中学生でも理解できる語彙で書く」と具体化する。
- 矛盾した指示:「簡潔に」かつ「網羅的に」など相反するルールを共存させると出力が安定しない。
参照ファイルの活用:Gemsを自社知識で強化する
カスタムGemsの強力な機能の一つが参照ファイルのアップロードです。PDF・テキストファイル・Googleドキュメントなどを添付すると、GemsはそのドキュメントをRAG(検索拡張生成)的に参照して回答します。
参照ファイルに向いているコンテンツ
- 自社サービスの仕様書・FAQ・マニュアル
- ブランドガイドライン・ライティングスタイルガイド
- 商品カタログ・価格表
- 社内用語集・業界固有の定義集
- 過去の優良コンテンツ例(出力スタイルの手本として)
参照ファイル利用の注意点
- ファイルサイズや1Gem当たりの添付数には上限があります(2025年時点では1Gemにつき最大10ファイル、合計500MB程度が目安)。Googleの公式サポートページで最新情報を確認してください。
- 機密情報・個人情報を含むファイルのアップロードは利用規約とデータポリシーを必ず確認してから行ってください。Workspaceプランではデータの学習利用をオフにできる設定があります。
- アップロードしたファイルの内容が古くなると回答品質が下がります。定期的な更新が必要です。
弊社では「コンテンツ制作アシスタントGem」にブランドガイドラインと過去記事のスタイルサンプルを添付しています。これにより、新しいライターがGemに指示を出すだけで、ブランドトーンに沿った下書きが自動生成されます。スタイルの統一にかかる校閲時間が体感で約30〜40%削減されました。
Google提供の組み込みGems一覧
Gemini Advancedには、Googleがあらかじめ用意した汎用Gemsが含まれています。カスタムGems作成の前にこれらを試すことで、Gemsの感覚をつかめます。
| Gem名 | 主な用途 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ライティングエディター | 文章の編集・校正・改善提案 | メール・レポートの磨き込み |
| コーディングパートナー | コード生成・デバッグ・説明 | 開発・スクリプト作成 |
| 学習コーチ | 概念の説明・クイズ・学習支援 | 新知識のインプット |
| ブレインストーミングパートナー | アイデア出し・発散思考 | 企画・キャンペーン立案 |
| キャリアガイド | 職務経歴書・面接準備 | 転職・キャリア相談 |
業務別カスタムGemsの活用事例
Gemsは「どんな指示を書くか」次第で、ほぼあらゆる業務に応用できます。以下は実際の運用で効果を確認した事例です。
コンテンツマーケティング
指示例:「あなたは日本語SEOコンテンツの専門ライターです。見出し構成を提案する際はH2〜H3の階層を明示し、検索意図と対応するセクションを一覧表で示してください。語調は丁寧語(です・ます)を使用し、主張の後に根拠・具体例を続けてください。」
添付ファイルにキーワードリスト・競合記事の構成メモを入れると、独自の記事構成を自動生成できます。
カスタマーサポート支援
指示例:「あなたは〇〇サービスのカスタマーサポート担当です。添付のFAQを参照し、ユーザーの質問に対して簡潔かつ丁寧に答えてください。FAQに記載がない場合は、推測で回答せず『担当者に確認します』と伝えてください。」
FAQ・マニュアルを参照ファイルとして添付することで、新人スタッフの即戦力化に活用できます。
プログラミング・技術ドキュメント
指示例:「あなたはPython・TypeScriptが得意なシニアエンジニアです。コードを書く際は関数に型アノテーションを付け、コメントは英語で記述してください。セキュリティ観点の注意事項がある場合は必ず言及してください。」
社内データ分析・レポーティング
指示例:「あなたはデータアナリストです。数値データを受け取ったら、①要約統計→②主要な傾向→③推奨アクションの順で箇条書きにまとめてください。グラフが必要な場合はMermaid記法で提案してください。」

Gemsの管理・共有・削除
管理方法
作成済みGemsはすべて「Gem Manager」から一覧管理できます。名前・指示の編集、参照ファイルの差し替えもここから行います。Gemsの数に現時点で明示的な上限は設けられていませんが、サイドバーの表示は最近使用した順に並びます。
チームでの共有
個人アカウントで作成したGemは現時点では他のユーザーと直接共有する公式機能がありません。チームで同一Gemを使いたい場合は、指示内容をドキュメントで共有し、メンバーが各自で同じ内容のGemを作成する運用が現実的です。
Workspaceのエンタープライズ契約では、管理者が組織全体に共有できる機能の展開が進められています(2025年時点での提供状況はGoogle Workspaceの管理コンソールで確認ください)。
削除
Gem Managerから対象Gemの「…」メニューを開き、「削除」を選ぶと即時削除されます。一度削除したGemsは復元できないため、指示内容をテキストファイルにバックアップしておくことを推奨します。
GemとGeminiのNotebookLM・Copilot Studioとの違い
似た機能として混同されやすい他のサービスとの違いを整理します。
| 機能 | Gemini Gems | NotebookLM | Microsoft Copilot Studio |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 役割・ペルソナの保存 | 特定ドキュメントへのQ&A | エンタープライズ向けBot構築 |
| ファイル参照 | ✅(補助的に) | ✅(メイン機能) | ✅(外部接続も可) |
| プログラミング不要 | ✅ | ✅ | △(ローコード) |
| 外部システム連携 | ❌(Gemini内のみ) | ❌ | ✅ |
| 最適なユーザー | 個人〜小チーム | 調査・リサーチ用途 | 大規模企業システム |
Gemsは「設定を保存した便利なショートカット」として個人・小チームが日常的に使うのに最適です。APIを使った本格的なAIエージェント開発や、他サービスとの比較については Gemini vs 他社AIサービス徹底比較 も参考にしてください。
Gemsを使う上でのデータプライバシーと注意点
Gemsに参照ファイルやシステムプロンプトとして入力した情報は、Googleのサーバーに送信・保存されます。利用にあたって以下の点を確認してください。
- 個人の利用(Google One AI Premium):Geminiのアクティビティ設定に応じて会話履歴がGoogleに保存される場合があります。設定からオフにすることが可能です。
- Workspace利用:管理者が「Geminiによる改善のためのデータ使用」をオフにしている場合、入力データがGoogleのモデル学習に使われません。機密情報を扱う場合はWorkspaceプランを検討してください。
- 機密情報・個人情報:顧客データや社員の個人情報を含むファイルは、データポリシーを確認した上で取り扱いを判断してください。原則として機密情報は参照ファイルに含めないことを推奨します。
まとめ:Gemini Gemsで「毎回ゼロから始める」を卒業する
Gemini Gemsは、AIを「汎用ツール」から「自分専用のアシスタント」に変える機能です。要点を整理すると:
- 何ができるか:役割・口調・フォーマット・参照ファイルを保存したカスタムアシスタントを作成・呼び出せる。
- 誰が使えるか:カスタムGems作成はGemini Advanced(AI Premium)以上が必要。
- 品質を決める要素:「指示」欄の記述(役割定義+出力形式+禁止事項+例示)と参照ファイルの質。
- 実務での効果:同じ品質の出力を再現性高く得られるため、コンテンツ制作・サポート・開発など幅広い業務効率化に直結する。
- 注意点:機密情報の取り扱いとデータポリシーの確認を忘れずに。
まずはGoogleが提供する組み込みGemsで感覚をつかみ、次に自分の業務に合ったカスタムGemsを1つ試作してみることをおすすめします。Gemsを使いこなすことが、Geminiの実力を最大限に引き出す近道です。Gemini全体の使い方や他サービスとの位置づけは Geminiとは|Google製生成AIの全体像 で改めて整理していますので、あわせてご参照ください。
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監修
河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)
AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
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