人工知能(AI)を活用している分野の事例
人工知能は、高度な学習・認識技術によって多くの産業で活躍しています。ここでは、以下5つの分野における活用事例を見ていきましょう。

- 自動車
- 医療
- 製造業
- コールセンター
- 身近な製品・サービス
どのように活用されているのか、詳しく紹介します。
(1)自動車

自動車は消費者と身近な存在であり、人工知能の開発が活発な分野の1つです。自動車の生産体制の需要予測、画像認識による品質検査など、多くの場面で活用されています。中でも開発が進んでいるのが、自動運転技術です。
自動運転技術は、国土交通省によって5段階の「自動運転レベル(※2)」に分けられています。2022年現在、市販車として実用化されているのは「自動運転レベル3」までの自動車です。なお、レベル3の車の自動運転が許可されている区間は「渋滞時の高速道路」などに限られています。
今後、特定条件で完全自動運転が可能な「自動運転レベル4」や、全ての公道で完全自動運転を行える「自動運転レベル5」の実用化が期待されます。
※2出典:国土交通省「自動運転車の安全技術ガイドライン」
(2)医療

人工知能を搭載した「AI医療」も、近年開発・実用化が進んでいる分野です。中でも、画像認識を応用した「画像診断」は、多くの医療現場で活躍しています。レントゲンなどの画像から異常部分を検知することで、病気の早期発見が可能です。見落としや誤診を防げる点に加え、医師の作業効率化にも貢献しています。
自然言語処理を用いる「自動問診システム」や「カルテ解析」を活用すれば、スムーズかつ高度な病名診断も可能です。さらに、ロボットによる手術サポートや自動採血ロボットなどの開発も進んでいます。
(3)製造業

製造業は、すでに多くの現場で人工知能が導入されている分野です。主に、以下の用途で人工知能が活かされています。
- 不良品の検知:画像認識により生産ラインの不良品を識別・検知する
- 自動作業:在庫管理、梱包、仕分けなどの作業の自動化
- 需要予測:過去の実績や季節・天候要因にもとづいた需要の予測
- 予知保全:工場内の設備の故障時期を予測し、事前にメンテナンスする
このように、製造業では人工知能の画像認識や予測技術が多用されています。
(4)コールセンター

コールセンターは、主に音声認識や自然言語処理が活躍する業種です。たとえば、テキストベースで自動で応答する「チャットボット」を使うことで、コールセンターへの問い合わせを減らせます。
チャットボットは、顧客の質問に対して最適な回答を自動提示するシステムです。24時間365日稼働できるため、すぐに問い合わせたい顧客の需要にも応えられるでしょう。
また、音声認識により、顧客とオペレーターの会話の解析が可能です。人工知能は会話をリアルタイムで分析し、資料やFAQのページを自動でオペレーターに提示します。オペレーターの負担軽減のみならず、スタッフごとの対応の差をなくすことによる顧客満足度の向上にも効果的です。
(5)身近な製品・サービス

人工知能を取り入れた身近な製品・サービスは、数多く存在しています。具体例は以下をご覧ください。
- スマートスピーカー
- 掃除ロボット
- 翻訳ツール
- スマホカメラの物体認識機能
上記の中でもとりわけ多機能なのが、スマートスピーカーではないでしょうか。スマートスピーカーは人間の発話を解析し、操作指示や雑談に応えます。検索エンジンによる検索結果、家電のオン・オフ、音楽再生、メモの入力など、多彩な機能を搭載しています。人工知能は、日常生活でも活躍する大切な技術と言えるでしょう。