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中国のDXを活用したサービスを5つ紹介!

中国のDXサービス事例

中国でのDXはどのように進んでいるのでしょうか。
DXを推進することにおいて、デジタルを活用できる人材の不足など様々な問題を抱える日本を尻目に、積極的に日常生活の中にもDXを取り込むことに成功している中国。2025年には車の台数の半分を、条件付き自動運転車に切り替えることを目標にするなど、その意識の高さが測れます。今回は、これから日本がDXを推進していく時の参考にするべく、中国で行われているDXの事例についてご紹介していきます。

日本の置かれているDX推進状況

悩んでいる女性

日本企業のうち、半数がいまだにDXを取り入れる事ができていないのが現状となっています。その原因として、日本企業の歴史の長さやDXへの認知不足、企業の幹部におけるDXを進めるリーダーシップの弱さや不明瞭なビジョンなどが挙げられます。

DXを進めるためには、組織全体のシステムを変革し、紙の資料を電子化するなどの必要性があります。しかし、歴史の長い企業であるほど、社内の不明瞭な部分(ブラックボックス化)が多く、DXを進めるための足枷となっています。また、DXは取り入れることに意味があるのではなく、DXを活用して新たな価値の創造や、業務の効率化を目指し先のビジョンを明確にする必要があります。その点においても、DXへの理解が不十分な社員が多く、DXでどのような事ができるのか、どのようにDXを取り入れるべきなのかが不明であり、従って先のビジョンを想像する事ができません。

上記のように、日本にはDXを推進するための課題が数多く存在します。しかし、それらは海外のモデルケースを参考とすることで、DXを取り入れた先のビジョンを始めとして、解決する課題でもあります。

中国におけるDXの事例5選

中国の企業は日本とは対称的で、新しい技術を取り入れることに、積極的な風土があります。故に、中国ではデジタル技術を活用することで、どのような新たなサービスや価値創造が行われているのかをみていきましょう。人手不足や業務の効率化などの問題を抱える日本においても、これらの事例は良いモデルケースになるでしょう。

百度(バイドゥ)が運営する”無人タクシー”

無人タクシー

Waymo Oneなどアメリカでも、実際にサービスが開始されている無人タクシーですが、中国でも無人タクシーのサービスが開始されています。運営しているのは、中国のGoogleとも言われている、中国国内で最大の検索エンジンを提供する企業。

無人タクシーのサービスが行われていた当初は、助手席に補助員が同乗することを前提として、無料での試験的な運行がされていました。しかし、2022年4月からは自動運転のレベルを1段階上げることで、補助員の同乗なしでの運行を可能にし、一部地域では本格的に有料のサービスとして行われています。

この無人タクシーは、Uberの様に出発地点と目的地点を設定し、その時に決められた料金を支払うシステムとなっています。また、出発地点までは自動運転で迎えに来てくれます。自動運転というと、料金の未払いなどの問題も考えられますが、専用アプリを介してやり取りを行うため、その心配はありません。タクシー自体にお金が置かれていないため、タクシー運転手に危害を加える様な事件の予防にも繋がります。

中国国内では、他にも上海汽車でロボタクシーの運用が行われています。事前に社内の温度や音楽を設定することも可能と、以前にもまして利便性が高そうです。

ハウステンボスにも負けないロボットによる”無人ホテル”

ホテルの一室

日本のハウステンボスには”変なホテル”という、ロボットがお出迎えするホテルがありますが、中国にも似た様な存在のホテル”FlyZoo Hotel”があります。運営するのは中国最大手のECサイトを運営するAlibaba。

このホテルの特徴は、宿泊客は顔認証だけでチェックインする事が可能で、配膳はロボットが行い、カーテンやエアコンなどの操作は音声による操作ができます。また、顔がカードキーの代わりになるため、部屋の中に忘れて出かけたり無くす心配もないこと。

流石に清掃員や料理人まではロボット化することはできず、FlyZoo HotelのCEOもこれらの人員を削減する事はないと宣言しているそうですが、その他のお客の目に見える大部分はロボットが担当しています。

ホテルに訪れた時というのは、ホテルマンとの会話も楽しみの一つであるため、そういった存在がいなくなってしまうのは少し無機質な感じがしてしまいます。しかし、ロボットホテル以上に人手不足の解消や業務の効率化に貢献することもないでしょう。

マンション住人向け”スマートアプリ”

アプリを操作する男性

中国には、マンションにおける門の施錠や料金の管理が行えるアプリが存在します。そのアプリを提供している深圳市の保利物業は、自社で管理しているマンションの居住者向けにこのアプリを開発しました。管理会社からの通知や、管理会社へのお問合せもこのアプリを通して行う事ができ、他にも食品の購入や家電の修理など、身の回りに関するサービスも受ける事ができます。

鍵をどの様にして施錠するシステムなのかは不明であり、それ次第ではスマホを盗まれた時に侵入されないかという疑念は残ります。また、政府による監視社会であるとして有名な中国において、アプリ内の情報が閲覧されないか等の不安も残ります。ただ、それを差し置いても、DXを活用したこのアプリはただ利便性を上げるだけでなく、入居者の生活を快適にするという新たな価値を創造しているとして、非常に価値のあるサービスであると言えます。

”顔認証”によるキャッシュレス決済

顔認証

偽札問題によって中国における紙幣への信頼が低く、それによってどの国よりもキャッシュレスの普及が早かった中国ですが、実は既に顔認証による決済にまで進歩しています。この顔認証による決済も、やはりIT大手であるAlibabaやWeChat Payを運営するテンセントが開発しています。

実はこの顔認証のキャッシュレス決済のシステム、何も中国に限った技術ではありません。実は日本でも一部地域に導入されているのです。その一例が、私物を持ち込むことのできない工場内の自販機。当然ながら、工場内ではスマホや財布を持ち込めないことも多いため、その時に顔認証で飲み物を買える様にしたのです。しかし、この自販機は一般的にはまだ広まっていません。その点においても、やはりDXをいち早く広めようとする行動力は中国の方が強いと言えます。

スマホによる”リモート診察”

診断

コロナ禍において、何か体の異常を感じた時に病院へ行きたくても、なかなか行きずらいという思いは、多くの方が感じたのではないでしょうか。そんな時にも、中国では自分の症状をスマホに入力することで、処置の方法や診察を受ける事ができます。このサービスを提供しているのが、中国版のLINEであるWeChatと連携しているWeDoctorという企業。

簡単な処置や症状の場合はテキストによって指示をもらい、より詳しい診察の場合は専門の医師が対話しながら診察を行い、必要に応じて病院を紹介して情報を共有する事ができます。

現在AIによる医療の診断技術が開発されている事も考えると、このリモート診察による恩恵は非常に大きくなる事が予想されます。現在日本でも医者不足が懸念されているため、このリモート診察は日本が抱える課題を、解決する大きな手助けになる事が予想されます。

この記事でのまとめ

中国の夜景

新しい技術を開発することにおいて、やはり日本よりも優位にあるのが中国。その強みの一つには、新しい技術を広く活用するその意欲にあると言えます。日本においては、中国に引けを取らない技術力を持っていながらも、挑戦する意思が低いためにどうしても新しい技術をいち早く生かせずにいます。故に、中国の事例を参考にしながら、新たなDXへの取り組みについて考えていく事が必要になると言えそうです。

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