IoT家電のデメリット

ここまでIoT家電のメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在します。なので、メリットとデメリットを比較しながら、導入する参考にしてみましょう。
Wi-Fiが使えないと困ってしまう
一つ目は、IoT家電はネットワークを利用する関係から、Wi-Fiが使えなくなってしまうと、その便利な機能が失われてしまうこと。この点に関して、もしエアコンや冷蔵庫であれば、例えネットワークに接続しなくても本来の機能は失われないため、まだ良いと言えるでしょう。
1番の問題は、鍵にIoT家電を導入した場合です。このタイプのIoT家電は、既に設置されている鍵に被せるように設置し、遠隔で操作すると通常の鍵を人の手に変わって施錠してくれるものがよくあるパターンです。そして、もしスマホから遠隔操作を行い、鍵などを持たずに出かけてしまうと、Wi-Fiに接続できない時に解錠できなかったり、更にはスマホの充電がなくなった時にも中に入れなくなってしまいます。もちろん、メーカー側もそんな時に備えて、スマホを介さないスペアのボタンを用意してあったり、スマホを使わなくても鍵を持っておけば開ける事はできます。なので、仮にスマホで遠隔操作ができても、鍵は常に持ち歩く意識が必要です。
導入するコストが高い
二つ目のデメリットは、通常の家電よりも導入するコストが高くなってしまうこと。先ほど紹介した鍵のIoT家電でも2万円ほど。泥棒が侵入した時に警報を鳴らすIoT家電でも、本体とドアに取り付ける部分の数によって2万以上します。2万円で泥棒を避ける事ができると思うと、十分安いかもしれませんが、一回の導入で2万円かかるのはあまり手軽とは言えないでしょう。
また、実際にIoT家電を導入した人の中で、使いこなせていると考える人は半数以下というアンケート調査もあります。その原因としては、スマホを出して操作するよりも手で操作した方が早いと感じてしまったり、スマホによる操作・接続が難しいなどの声があります。この傾向は年齢が高くなるほど強く、せっかくIoT家電を導入しても効果を実感できなければ、勿体無いとも言えます。
セキュリティ上の問題も
また、メリットの部分でセキュリティの向上を上げましたが、同時に別の視点からセキュリティ上の問題が発生します。というのも、IoT家電を導入しなければ、遠隔で鍵を開けられる事もありませんが、もし仮に外部からシステムに侵入されてしまうと、勝手に鍵を開けられたり、設置したカメラから覗かれる可能性も否定はできません。
特に最近では、スマートキー搭載車の電波をコードグラバーと呼ばれる物が受信して、車にスペアキーと誤認させて盗難する手口が増えているとか。これはネットワークに接続した犯行ではないため、IoT家電に対するセキュリティとは別の問題ですが、同じような事が起きないとは限りません。なので、セキュリティのしっかりしたものを選ぶか、もしくは複数のシステムを利用するなどの対策が必要になるとも言えます。