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ムーンショット計画、その意味や目標をわかりやすく解説

ムーンショット計画と言う言葉をご存知でしょうか?

令和になり、日本では「ムーンショット計画」といわれる壮大な計画が進行しています。
本記事では、そもそもムーンショットとは内閣府が目指すムーンショット計画はどのような意味を持つのか、何が目標なのか、いつ頃完成し、私たちにどのような恩恵があるのか

AI専門の受託開発会社の観点から、初心者の方にもわかりやすく簡単に、ムーンショット計画について解説していきます。

ムーンショットとは

「ムーンショット(Moon Shot)」とは、月に向かってロケットを打ち上げる計画という意味です。
月面着陸を目指す、第35代アメリカ大統領のJ.F.ケネディ氏のアポロ計画のように、壮大で非常に困難が伴うが前人未到で可能性に満ちた計画のことをいつしか「ムーンショット計画」と呼ぶようになりました。

内閣府が掲げるムーンショット計画とは

VR世界でのアバター


月面着陸を目指すアポロ計画のように、日本内閣府もムーンショット計画を打ち出しています。

内閣府は2020年1月に開催された「48回 総合科学技術・イノベーション会議」でムーンショット計画を設定し、具体的な目標や企画を立案し、研究開発を進める方向で一致しました。
「総合科学技術・イノベーション会議」とは総理大臣と科学技術政策担当大臣らの指導のもと総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び調整をおこなっている科学技術会議です。
48回目は『ムーンショット目標1 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現』を目標に掲げ、様々な企業の技術開発の発展・向上を推進していきます。

このムーンショット目標1の内容として、
①誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤
②サイバネティック・アバター生活
③関連するエリアとビジョン
があげられ、これらを軸に進められています。
内閣府公式HPより一部抜粋

ムーンショット計画が企画された背景

ムーンショット計画が企画された背景

これまではアメリカのGoogle社やapple社に代表されるようなIT企業が率先して技術開発をおこなってきました。

日本もITの分野に力を注いできましたが、アメリカの大企業が牽引しているのが現状です。
また、高齢化社会や化石燃料問題、海外の技術の革新に対する遅れなど、大きな課題が山積みでした。

これに対し、内閣府も科学技術・イノベーション政策を推進するべく立ち上げたのが「総合科学技術」です。

平成13年度から年に数回おこなわれてきた会議も令和3年には50回を超えました。
最初は予算の調整や今後の方針が主な会議内容でしたが、科学技術の発展に伴いテクノロジーやシステム開発なども注目され始めました。
平成26年度には今の「総合科学技術・イノベーション会議」に名前を変え、内閣府の指示のもと、本格的にテクノロジーの研究・開発に注力しています。

特に、少子高齢化社会は日本だけでなくアジア諸国も同じ問題に直面しています。

歯止めをかけるために、アジアの先進国としてもこの問題に真剣に向き合っていかなければなりません。
また、人生100年時代に突入し、定年退職後の生き方や、ライフスタイルの多様化と私たちの生活も大きく変化してきました。

こういった価値観・生活様式の変化に対応するために
内閣府は、こういった価値観や生活様式に柔軟に対応するため、ムーンショット計画として1つの指針を示しました。

様々な解決が困難といわれてきた問題も、月面着陸に成功したムーンショット計画のように、いつか実現可能になることを信じ、国が総力を挙げて問題解決に取り組んでいます。

ムーンショット目標

太陽を眺める女性

ムーンショット目標は上で述べた目標1以外にも存在し、現在では全部で9個の目標があります。ここでは、そのムーンショット目標についてまとめました。

目標1:人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
目標2:超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
目標3:AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
目標4:地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
目標5:未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
目標6:経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
目標7:主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサスティナブルな医療・介護システムを実現
目標8:激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
目標9:こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現

目標1~6は2020年1月、目標7は2020年7月、目標8、9は2021年9月に決定しています。

目標1

少子高齢化のにより働く人口が減少するため、アバター・ロボットを用いた新たなビジネスの実現やサービスを創出を目指す。

また、身体の拡張によりあらゆる年齢の人々が多様なライフスタイルを追求できる社会を実現する。

目標2

高齢化による慢性疾患の予測、予防のため、新しい発想や疾患の原因を解明することで医療技術の発展をさせ、高齢化に関係する社会問題を解決することを目標とする。

目標3

少子高齢化の進展による働く人の減少に対して、人と同じように学習・行動・成長が出来るAIロボットの開発、そのAIを活用することによる新しいサービスの創出を目標とする。

目標4

温室効果ガスや環境汚染物質を改善する新たな資源循環の実現により、人間の消費活動を継続しながら、環境問題を解決することを目標とする。

目標5

世界的な人口増加に伴う食糧需要量の増加に対して、地球本来の生物・自然循環を活用した食料生産や食品ロスを無くすことを目標とする。

目標6

量子コンピュータ等の量子技術と従来の情報技術との組み合わせにより、様々な分野で現在の社会システムを変革することを目指す。

目標7

平均寿命が延びる中、健康寿命を延長し、何歳になっても健康不安なく生活できる環境が必要。そのため、日常生活中に健康に導くような仕掛けを施すことや住む場所に関わらず災害などが起きた時も医療・介護を受けられることを目標とする。

目標8

気象災害の増加により経済や人命に多大な影響を及ぼしている。この問題に対して気象現象の予測と制御を行うことで、台風や豪雨による自然災害から解放された安全な社会の実現を目標とする。

目標9

うつ病など精神的要素が原因である社会問題を解決するため、こころにアプローチする技術・サービスの開発におりストレスの減少、こころの安らぎや活力増大を目標とする。

以下ではこの数ある目標の中から目標1についてわかりやすく解説していきます。

ムーンショット計画の概要

内閣府によるムーンショット計画概要図
ここではムーンショット目標1:人間が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現について概要をわかりやすく簡単に解説します。

目標1は具体的には、
①誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤

①-1.2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。
①-2.2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

②サイバネティック・アバター生活

②-1.2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。
②-2.2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

③関連するエリアとビジョン

Area :「急進的イノベーションで少子高齢化時代を切り拓く」
Vision :「「誰もが夢を追求できる社会」の実現」、「「100歳まで健康不安なく、人生を楽しめる社会」の実現」

のように、2030年を1つの目途に計画が進められています。

特に近年はスーパーコンピュータの出現、機械学習によるAIの進化がめざましく、「AI」が議題の中心に挙がっていることは間違いありません。

ムーンショットとは、本来「到底実現できない非常に困難な問題」を指して使われていますが、今は「時間はかかるがいずれ実現可能である魅力のある問題」としての意味合いが強くなっています。
莫大な資金を投じ、様々な研究と試行錯誤の果てに、2030年には十分実現可能だとして内閣府が公表しており、私たちに大きな期待を抱かせてくれる内容となっております。

ムーンショット計画とAI

数あるムーンショット計画の目標ですが、そのほとんどはテクノロジーの発展と関連しています。
これまでは夢物語のように想像されていたものもテクノロジーの進化により現実化し、さらなる利便性や豊かな生活の実現を目指して日々研究されています。

ここでは、内閣府が掲げたムーンショット計画がITやAIとどのような関連性があるのか解説していきます。

①誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤

ARモニタを操作するロボット


ムーンショット計画の第一の目標として掲げられているのが「誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤」です。

サイバネティック・アバターとは、自身の代わりにロボットや3D映像を映し出すモニター等を組み合わせることで、自身がそこにいなくても同等のパフォーマンスを発揮させるようにするというものです。

遠隔操作できるロボットなどの開発は進んでいますが、次に出てくる願望として「一度に多くのロボットを同時に操ることができる」というものがあります。
現在では機械学習により、AIは自身で試行し、一定の動作を高精度でおこなうことが可能になりました。
次の課題として、「1人で一度に多くのロボットを高精度で操れるようにする」というものです。

また、アバターの開発により、オンライン上や遠隔操作での投影技術も向上しています。

従来は外見はロボットのままで無機質なものでしたが、人間は表情から多くの情報を読み取る生き物ですので、モニターやディスプレイを通して本人の顔を投影させることで、より親密なコミュニケーションが可能になります。
人間以上のパワーを発揮する介護ロボットを介してコミュニケーションをしたり、これまで以上の臨場感が味わえるVRゲームといった用途に使われます。

ムーンショット計画の第一目標「誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤」では、まず第一段階として、2030年までに1つの工程に対して1人で10体以上のロボットを同等の速度・精度で操れる技術の開発を目指しています。
そして第二段階として、大規模で複雑な工程をこなすことができるAIを2050年までに技術の開発と必要な基盤の構築を目標にしています。

②サイバネティック・アバター生活

人とロボットの手


ムーンショット計画の第二の目標として掲げられているのが「サイバネティック・アバター生活」です。

内閣府は、2050年までにはサイバネティック・アバターを応用することで、望む人は誰でも身体的能力・認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させることを目指します。

特に次の3つをコンセプトに掲げ、サイバネティック・アバターを使用したこれまでは全く違う働き方、暮らし方が可能にするために取り組みます。

(1)空間・時間からの制約の解放
(2)身体の制約からの解放
(3)脳の制約からの解放

それぞれ詳細を説明します。

(1)空間・時間からの制約の解放

(1)の空間・時間からの制約の解放は、遠隔操作でロボットを操作すれば、どこからでも働いたり、サービスを受けることが可能になります。

また、ロボットは24時間稼働することができますので、出勤する必要がなくなり自分のライフスタイルに合わせた時間に縛られない生活が可能になります。

こうしたテクノロジーやAIを用いて、空間や時間からの制約を解き放つことを、ムーンショット計画の軸の1つめにあげられています。

(2)身体の制約の解放

(2)の身体の制約の解放では、ロボットを活用することで自身の身体能力以上のパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。

ロボットのパワーを使えば物流の概念が変わり、災害救助などの現場での活躍が期待できます。
身体能力が人と比べて劣っていたとしても、AIを活用することでその能力を補完することができ、誰でも同じような能力を有することができます。

また、身体の不自由を抱えている方も、ロボットの助けがあれば一般の方と同等のパフォーマンスを発揮することが可能になります。
これまでは叶わなかった職業の選択やスポーツへの挑戦することができ、身体の制限から解放されます。

他にも、体感型ゲームなどはより臨場感が増し、自身の体を実際に動かしているものと遜色ない体験が可能になります。

このように、ムーンショット計画の(2)身体の製薬の開放により、自宅にいながら様々な体験ができ、現実では不可能なことも仮想空間で体験することができるようになることを目指します。

(3)脳の制約からの解放

(3)の脳の制約からの解放は
いずれはコンピュータの性能は人間の脳を超えると言われています。

人間の脳に足りない部分をAIで補うことでより高度な研究開発が可能になりますし、自身に足りない能力もAIがサポートすることが出来れば能力差による格差がなくなり、職業選択の幅や暮らし方が広がるでしょう。

また、AIを使って知識を共有することで、より効率の良い強化学習が可能になります。
AIに得意分野を任せ、人間はクリエイティブな発想に注力することで、より良い成果を期待することができます。

これら3つのコンセプトにより、働き方や暮らし方、人間らしい豊かな生活を誰でも選ぶことができるようになり、これから変化していく生活様式にも対応できるようにすると内閣府は考えています。

ムーンショット計画で具体的に何が可能に?

ムーンショット計画実現化の目標としている2030年まで目前に迫っていますが、あまり現実味を帯びていない内容に想像しづらいと感じている方も多いかと思います。
こういった内容はニュースでしか知る機会がないという方も多いでしょうし、あまりテクノロジーに興味がないという方も多いでしょう。

しかし、つい最近までガラパゴス携帯だったものがスマートフォンに置き換わり、パソコン並みのスペックを持つ端末を小学生でも当たり前のように使いこなしています。AIはどんどん進化していて、AIが人間の知能を越えてしまうシンギュラリティが到来するのも近いと言われています。
<<あわせて読みたい>>
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どんどんAIが進化し、私たちの生活に密接に関わっている以上、変化していく社会にもしっかりと対応していかなければなりません。

そういった方たちにわかりやすいように、実際にムーンショット計画が実現したらどんなことが可能になり、私たちの生活はどう変わるのか、具体的に考えてみましょう。

働き方の変化

ゴーグルを付けて働く人達
以前からAIの導入やロボットの技術の発展により、働き方が変わっていくといわれていました。
ムーンショット計画でその変化は加速するでしょう。

単純作業であればロボットのほうがミスなく稼働し続けることができますので、人間は管理や整備を担当することになります。
単純作業が得意な反面、複雑な工程をこなすのは苦手とされていたロボットもAIの強化学習の登場で克服されつつあります。
1人の人間が一度に大量のロボットを同じ速度・精度で動かすことが可能になれば人手不足は解消されるでしょう。

それはつまり、仕事がロボットに奪われる可能性があるということになり、より高度な知識を持つ人材や専門職の人材が求められるということになります。

特に工場や物流センターはすでにロボットを導入しており、運搬やピッキングなどを全自動化している企業もたくさんあります。
AIの機械学習により、一度おこなった作業を学習するようになれば、同じ工程を繰り返す組み立て作業などは圧倒的にロボットのほうが有能です。

また、高度な遠隔操作が可能になれば、自宅にいながらロボットを操作してのリモートワークが可能になります。

コロナ禍の影響もあり、今はテレワークが推奨されていますが、仕事柄どうしても出社しなくてはならない方もいらっしゃるかと思います。
それらを自宅から遠隔操作でロボットを操れば、自宅にいながら作業が可能になりシフトや出社という概念が大きく変わるでしょう。
リモート会議も、カメラがなければ他人の表情が見え、有意義な会議ができないとの声もありましたが、自身そっくりのアバターを使えばリアルタイムで表情を読み取り、アバターが自身の顔をモニターに投影してくれるため感情のある会議が可能になります。
出社する必要がなくなれば、地域や国に関係なく働くことが可能になるため、職業の選択の自由が大幅に増えます。

ムーンショット計画はそういった世界の実現を掲げます。

一方で、ムーンショット計画によりオフィスやテナントという概念が変わり、大規模な会議場を必要とすることもなくなるため、これまでとは全く違った働き方になります。
接客や対応ができるロボットが増えれば店員やスタッフも必要がなくなるため、企業にとっては人件費削減に大きく繋がりますが、雇用される立場から考えれば他人事ではないでしょう。

ムーンショット計画に後押しされた働き方の大きな変化に対し、企業はどう対応していくのか?自身のポジションがどう変化していくのか?
今の仕事をもう一度見つめ直す必要があります。

ロボットと人が共存するように変化

ソフトバンクのPapper
まるでSF映画のような話ですが、ムーンショット計画の先の世界では人はロボットと一緒に生活を送るようになります。

実際、すでに自律するロボットとして「お掃除ロボ」や「ロボットペット」などが存在し、私たちの生活を助けたり、精神的支えになっています。
他にも家電製品にもAIが導入されており、実際にロボット無しでは成立しない企業もたくさんあり、すでにロボットは身近な存在になっています。

ムーンショット計画では、次のステップを目指します。
自ら思考し、人間に寄り添い、人間の生活を助けるロボットの開発です。
介護ロボットだけでなく育児ロボットや家事ロボットなどが登場すれば、私たちの生活も豊かになりますし、少子高齢化社会の対策や労働環境の改善などが期待されています。

弊社が考えるムーンショット計画への試み

2030年、2050年へのムーンショット計画実現に向けて様々な研究開発がされているなか、弊社もAIの研究・開発に日夜力を注いでいます。

弊社がどのような事業をおこない、日頃の研究の成果がムーンショット計画にどう貢献していくのかをご紹介していきます。

◆ AIの研究開発

AIをイメージした脳
ムーンショット計画においてAIは必須事項となっています。

人間の指示通りに動くのではなく、ロボット自身が思考し、行動し、その結果から得た情報をシミュレートして最善の行動を選択する強化学習をおこなうためにも、AI(人工知能)は肝となる部分です。

一口にAIといっても、用途やジャンルによってその種類は多岐に渡ります。

その中でも弊社はR&D(Research and Development=研究開発)に特化しており、お客様のニーズにあったAIを作り上げるノウハウを獲得しております。
対象は画像や数値、テキストなどの2Dデータだけでなく、音や三次元構造など幅広く扱っております。
特に、人間の声だけを抽出するAIは、ロボットとのコミュニケーションや、テレワークが増えてくる今後の日本の働き方にも大きく貢献できると考えています。

他にも画像を認識し、物体を検出するAIは今までも生産工場や外観検査を用いる企業に重宝されてきましたが、これからますますロボットが生産の主流になるなかで、人の目よりも高精度で素早く大量に検査できるのは大きな強みだと見ています。

◆ サイバネティック・アバターの作成

弊社の対話型AI「HAL3
2Dデータが得意なAIは、2Dを応用した3Dに関しても得意です。

人間の顔のパーツを2Dデータとして読み取り、本人かどうかの顔認証だけでなく、それをアバターの顔に貼り付ければ本人とそっくりのアバターが誕生します。
そしてAIが思考し、顔の表情筋の動きを作り出せば、バーチャル空間でアバターを使いながら、まるで本人と会話しているような錯覚さえ生まれます。
より高品質なコミュニケーションが可能となり、自宅にいながら世界中の人と会話することさえ可能になります。

弊社も対話型AIを開発しており、音声認識を活用した、より自然なイントネーションを用いた会話や受付スタッフ業務をおこなえる段階まできております。
いずれは人間同様のコミュニケーションができるまで改良が進めば、高齢化社会による介護スタッフ不足の解消や企業の人手不足にも対応できると考えております。

ネット社会がますます成長すれば、自身の顔出しではなく自身を模したアバターが名刺代わりになることも十分に考えられます。
バーチャルYouTuberと呼ばれるアバターがすでに一つのビジネスモデルとして確立されていることからもわかるように、自身がアバターを纏って別人に生まれ変わったり、新しい活動をする場になったりとメディアや娯楽などでもアバターはますます使われていくことでしょう。

こういった場面で弊社のAIの技術は存分に発揮されるものと考えます。

より高性能なアバターを開発するべく、弊社のノウハウを駆使し、

  • 声からの感情認識
  • 相手の表情の認識
  • 自身の最適な表情の選択
  • より自然なイントネーションでの会話
  • 物体認識による解説
  • 文章の認識及び発声
  • 日本語、英語、中国語の翻訳及び発声

などが非常に高水準に達しています。

ムーンショット計画で掲げられた世界では人とロボットが共存します。
そんな社会では、ただ無機質に音読し、無表情なロボットとの会話ではなく、「リアルなコミュニケーション」が求められます。

弊社ではこれまでの技術を詰め込み、AIに強化学習をさせ日々成長しています。
より多くの言語を理解できるようになれば、空間の制約だけでなく言語の壁さえも飛び越えることができます。
それにより、ムーンショット計画で描かれた社会の実現に確実に貢献していきます。

◆ DeepMovieCreator

弊社ではDeepMovieCreatorというAIを開発しています。

DeepMovieCreaterは、AIが原稿を元に、読み上げだけでなく、アバターと背景動画を全て自動で作成します。

使用する手順は以下の2ステップのみです。

  1. 原稿・動画のタイトルを設定
  2. 言語を選択

これだけで弊社のAIは動画を作成することができます。
現在は日本語・英語・中国語の3ヶ国語に対応しています。

以下に簡単なサンプルをお見せします。

動画プレーヤー

00:00

03:40

動画プレーヤー

00:00

02:57

このような動画を全自動で作成することができるようになっており、ムーンショット計画の全てが現実になるのも消して夢物語ではないのです。

このAIに用いられている技術に関連する以下の記事もぜひご覧ください
>> ディープフェイクとは?実例を含めてわかりやすく解説!

◆ 少子高齢化対策

祖父と孫の手を比べて
昨今、特に大きな課題となっている少子高齢化問題です。

単純に出生率だけでなく、賃金の格差や待機児童問題、育児のサポート不足など様々な要素が絡んでいます。

ムーンショット計画が実現できれば、これらの問題をAIで解決できる可能性が高くなります。

自宅にいながら働くことができれば、母は育児との両立が可能になります。
AIによる健康管理やオンライン受診、育児ロボットが普及すれば、より育児の負担は軽減できるでしょう。
保育士不足にも一定の効果が期待できますし、一方で高齢の方への介護士不足も補え、手厚いサポートが可能になります。

まとめ

ここまで内閣府が打ち出したムーンショット計画の内容、もたらされる変化、また弊社がムーンショット計画にどのような貢献ができるかをお話してきました。

「ムーンショット計画」という単語を初めて耳にした方も多いかと思いますが、目標とする社会の実現まであと少しというところまで来ており遠い未来の話ではありません。
ロボットと共存などとイメージが湧かない方も多いと思いますが、いずれ一家に1台汎用ロボットがある未来が来るかもしれません。

内閣府がどういった目的でムーンショット計画を掲げており、その目標達成に向かって微力ながら弊社が貢献しています。
1人でも多くの方にムーンショット計画、ひいてはAIに興味を持っていただければ幸いです。

この記事を読んで興味を持っていただいて、弊社での開発取り組みを気になった方は是非以下のSNSもご覧頂けると幸いです。

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