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Apache MINA「CVE-2026-118636」——RCE脆弱性、3.0.0系は修正なし
文:クリスタルメソッド編集部 監修:河合 継(代表取締役)

CVE-2026-118636とは何か:Apache MINAに潜むCVSS 9.8の脆弱性
2026年10月31日、Apache Software Foundationは、ネットワークアプリケーション開発フレームワーク「Apache MINA」にリモートコード実行(RCE)脆弱性が存在することを公式に開示した(出典:CVE公式記録 cve.org)。
CVE番号はCVE-2026-118636。CVSS 3.1スコアは9.8(CRITICAL)であり、評価ベクトルはAV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:Hである。攻撃はネットワーク経由・低複雑度・認証不要・ユーザー操作不要という条件下で成立し、機密性・完全性・可用性のすべてへの影響が「高」と評価されている。このスコアは、Apache Software Foundationが採番元CNA(Certificate Numbering Authority)として付与したものである。
弱点の分類はCWE-502「信頼できないデータのデシリアライズ(Unsafe Deserialization)」。Apache MINAの3.0系codecモジュールに含まれるJavaNativeMessageDecoderが、受信したフレームバイトに対してクラスフィルタを設けずにObjectInputStream.readObject()を呼び出す実装になっている。信頼できない通信相手との経路上にこのコンポーネントが置かれたとき、攻撃者はgadget-chainを介してサーバー上で任意コードを実行できる状態となる。
本脆弱性はCISA KEV(既知の悪用脆弱性カタログ)への掲載は確認されていない。EPSS(悪用される統計的確率の推定)は2026年11月1日時点で約0.58%(パーセンタイル約0.47)と低水準だが、EPSSはあくまで統計的推定であり、特定環境での悪用リスクを保証するものではない(出典:CVE公式記録)。
関連記事MCP ToolboxのCVE-2026-93328は? / Zammadの脆弱性CVE-2026-102489は?
Apache MINA 3.0.0系に修正版が出ない理由と技術的背景
CVE公式記録には「UNSUPPORTED WHEN ASSIGNED」と明記されており、3.0.0ブランチは非アクティブであるため、ベンダーはこの問題を修正するバージョンをリリースする予定はないとされている(出典:CVE公式記録)。
問題の核心はObjectInputStream.readObject()の無防備な呼び出しにある。Javaのデシリアライズ機構はクラスフィルタ(ObjectInputFilter)によって受け入れるクラスを制限できるが、JavaNativeMessageDecoderはこれを実装していない。攻撃者はJava標準ライブラリや広く使われるOSSに含まれる「gadget」クラスの連鎖を利用して任意のコードを実行させる。
公式の回避策(workaround)はCVE記録に示されていない。
次に読む:LangflowのCVE-2026-104339は?
影響バージョンと対応方針の比較
ベンダーが示している対応方針は一つのみ:最新の Apache MINA 2.2.X ブランチへの移行である(出典:CVE公式記録)。
今やるべきこと
取るべき行動は以下の3点に集約される。
- Apache MINA 3.0.0〜3.0.0-M2を使用している場合、ベンダーの告知に従い最新の Apache MINA 2.2.X ブランチへの移行を実施する。
- 3.0.0ブランチは非アクティブであるため、ベンダーはこの問題を修正するバージョンをリリースする予定はないとしている。
- 修正版が無いため、ベンダーの告知に従う。公式の回避策はCVE記録に示されていない。
自社の機器が対象かどうかの判断や、すでに侵入されていないかの確認は、構成やログを見ないと判断できません。
参考文献
- CVE公式記録(採番元CNA:apache)「CVE-2026-118636」— https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2026-118636(2026年10月31日公開・最終更新)
- NVD(National Vulnerability Database)「CVE-2026-118636」— https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-118636
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