blog
AIブログ
第12回「画像認識AIの持つ可能性の世界」
文:クリスタルメソッド編集部 監修:河合 継(代表取締役)
[スプーナー刑事とサニーの会話]
アイザック・アシモフ著『われはロボット』を原典として制作された、2004年制作のウィル・スミス主演のSF映画『アイ,ロボット』に、非常に印象深い対話があります。自分の「父」である博士を殺害した疑いを掛けられた陽電子頭脳AI搭載ロボットのサニーと、それを操作するAI技術に懐疑的なスプーナー刑事(ウィル・スミス)の一幕です。
サニー:私は空腹も感情もあります。それに、私だって夢を見ます。
スプーナー:人間も夢を見る。犬の夢を見るが、お前はただの機械。命をマネしているだけだ。お前に交響曲を書けるか?キャンバスを傑作に変えられるのか?
サニー:あなたは?
言葉に詰まり、渋い顔をするスプーナー刑事。確かに、このサニーの純粋な返事は、なかなか皮肉な意図も込められています。AI開発の現場では、よく「AIが人類の知能を超えるのかどうか」、という話題に触れます。しかし実際の所、その人類の知能そのものを、人間は把握しきれていないのです。それに、その知能はすべてが機械のように同じではなく、先天的な性質と、後天的な成長環境により、あまりに多彩な個性を有しています。「AIが人間を目指す」というのは一体何を意味するのか、定義をしきれません。そもそも、AIにはどのような可能性があるのかすら、理解をしきれないのです。
ただ、現代において明確に言える事があります。AIは全知全能のゼウスでは無い、という事です。人間の全ての願いを叶えてくれる汎用AI(=強いAI)の登場には、まだ時間が掛かります。しかし、そう言いながらも、もうひとつ、明確に言える事があります。特化型AI(弱いAI)に関しては、既に人間を凌駕する働きぶりを獲得するものが多く登場しているという事です。
[画像認識AIが持つ可能性]
2Dセグメンテーションを行うAI(画像を処理するAI)もまた、深層学習の獲得により、大きな飛躍を遂げた技術です。このタイプのAIは「人間の目」の機能に特化した働きぶりを示します。具体的には、「監視業務」「マーケティング」「教育・娯楽」「認証技術」といった項目が挙げられるでしょう。更に細分化した応用事例を挙げますと、「顔認証による顔パス機能」「顔認証によるスマート決済システム」「属性情報に基づくマーケティング」といったものが浮かびます。
例えば、JR駅にある最新型の自動販売機前に立ちますと、「あなたにはこちらの商品がオススメ!」というホップアップ表示がタッチ画面上に浮かび上がると思います。こちらは、そのお客さんの顔シワや目鼻の配置などを瞬時に読み取り、10代以下から60代以上までの年代と性別の14パターンの属性を判断し、それに加えて気温や天候などの調整を加えた上で、「オススメ・マーケティング」を展開しているのです。
ただし、この可能性には倫理的なリスクも伴っています。一時期、ウェアラブル端末の未来を築く中核になると期待された「Google Glass(メガネ型のウェアラブル端末)」ですが、こちらは開発中止に追い込まれてしまいました。この中止判断における様々な要因のひとつは、プライバシー問題だとされています。メガネを通じて顔認証を行う機能が搭載された場合、すれ違う歩行者が意図せずに、自分の情報を相手に差し出している状況となります。同類のプライバシー問題は、様々な認証システムや実験の中で取り沙汰されています。このような社会的課題とも併せながら、画像認識AIが持つ可能性を探求し続けねばなりません。
また、2Dセグメンテーションに関する研究も行われています。よろしければこちらからご覧ください。
お問い合わせはこちらからよろしくお願い致します。
ご愛読いただきありがとうございました!
よろしければクリスタルメソッドのSNSもご覧ください!
Twitter https://twitter.com/CrystalmethodZ9
Facebook https://www.facebook.com/クリスタルメソッド株式会社-100971778872865/
AIの業務活用をご検討の方へ
クリスタルメソッドは、バーチャルヒューマンをはじめAIの開発・業務導入を支援しています。生成AI・AIエージェントの活用や、自社業務へのAI導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
- 無料相談・お問い合わせ:ご相談はこちら
Read next
あわせて読みたい
-
学習に最適な画像データを集めるAI「撮影条件提案システム」の仕組みと実装
AI画像学習における撮影条件の問題 工業製品の外観検査や品質管理領域で画像認識モデルを運用する際、エンジニアが最初に直面する壁の一つが「学習データの品質」である...
-
第11回 工場のアラーム検知をAIが解消する時代へ
工場の設備は24時間止まらずに稼働し続けることを求められますが、従来の保全アプローチには「人手不足」「見逃し」「計画的でないダウンタイム」という三重の課題が伴っ...
-
AIフェイクニュースとは?偽動画・偽情報の実例と見分け方・対策
AIフェイクニュースとは AIフェイクニュースとは、生成AIを使って作られた偽の動画・音声・文章が、あたかも本物のニュースや発言であるかのように拡散される現象を...