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DeepSeekはなぜ無料で使えるのか?無料版の仕組みと範囲を解説

監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
運営会社について編集方針

DeepSeek無料版とは?基本概要と利用できる範囲

DeepSeekは中国のAIスタートアップDeepSeek社が開発した大規模言語モデル(LLM)であり、2024年末から2025年にかけて世界的な注目を集めました。その最大の特徴は、高い性能を持ちながら無料で利用できる範囲が非常に広い点にあります。ChatGPTやClaudeなど既存のAIサービスと比較しても、無料枠での制約が少なく、個人・法人を問わず幅広いユーザーが活用しています。

2026年6月時点の現行フラッグシップはDeepSeek-V4-Pro(2026年4月リリース)、消費者向けチャットの既定モデルはDeepSeek-V4-Flashです。本記事では、DeepSeek無料版で何ができるのか、有料プランとの違い、APIの料金体系、モデルのオープンウェイト公開状況まで、検索で知りたい情報をすべて網羅的に解説します。

DeepSeekの言語処理イメージ
DeepSeekの言語処理イメージ

DeepSeekの主なサービス形態

DeepSeekが提供するサービスは大きく3つの形態に分かれます。

① Webアプリ
chat.deepseek.com
ブラウザから無料利用
② モバイルアプリ
iOS・Android対応
無料ダウンロード
③ API
開発者向け
有料(低コスト)

Webアプリとモバイルアプリは基本的に無料でアカウント登録するだけで利用開始できます。Plus/Proのような有料個人プランは存在せず、消費者向けチャットは完全無料です。APIは従量課金制ですが、他社比較で非常に安価な料金体系を採用しています。また、モデルの重みをオープンウェイトで公開しているため、技術力があれば自前のサーバーで動かすことも可能です。

DeepSeek無料版でできること・できないこと

無料版(chat.deepseek.comおよびアプリ)で利用できる機能と制限を正確に把握することが、使いこなしの第一歩です。

無料版で利用できる主な機能

  • DeepSeek-V4-Flashとの対話:テキスト生成・要約・翻訳・文章作成など汎用的な言語タスク。消費者向けチャットの既定モデルで、InstantモードおよびExpertモードで提供されている
  • 推論(thinking)モードの利用:数学・コーディング・論理的推論に強い思考型モード。V4-FlashはthinkingとNon-thinkingの両モードに対応しており、「Deep Think」として無料で切り替え可能
  • コード生成・デバッグ:Python、JavaScript、TypeScriptなど主要言語に対応
  • 日本語を含む多言語対応:英語・中国語・日本語・韓国語など幅広い言語での入出力
  • ウェブ検索機能:最新情報を参照しながら回答生成(機能として提供されている場合)
  • ファイルのアップロード・解析:PDFやテキストファイルの読み込みと内容への質問
  • チャット履歴の保存:アカウントに紐づけた会話履歴の管理

無料版の制限・注意点

  • サーバー混雑時のアクセス制限(フェアユース):ピーク時に「Server Busy」エラーが表示されることがある(スロットリングあり)
  • 1回あたりの入出力トークン数の上限:非常に長い文書の一括処理には限界がある
  • 画像生成機能はなし:テキストと一部の画像入力(マルチモーダル)には対応しているが、画像を生成する機能は提供されていない
  • コンテキストウィンドウの実質的制約:モデル自体は最大1Mトークンの長コンテキストを持つが、無料Webアプリ上では非常に長い文書の処理に制約が生じる場合がある
  • データプライバシーの懸念:中国企業のサービスであるため、入力したデータの取り扱いには注意が必要(詳細は後述)

DeepSeekの無料版と有料版・APIの違いを比較

DeepSeekには「無料のWebアプリ/アプリ」と「APIの従量課金」という2つの利用経路があります。消費者向けチャットに有料個人プランは存在せず、課金はAPIの従量制のみです。以下の表で整理します。

項目 無料版(Webアプリ/アプリ) APIプラン(従量課金)
費用 完全無料(有料個人プランなし) 従量課金(低価格)
対象ユーザー 個人・一般ユーザー 開発者・企業
利用モデル DeepSeek-V4-Flash
(Instant/Expertモード)
DeepSeek-V4-Pro
DeepSeek-V4-Flashほか
コンテキスト長 制限あり(実質的) 最大1Mトークン対応
レート制限 混雑時に制限あり プランに応じた上限
システムプロンプト設定 不可 可能
アプリ組み込み 不可 可能
バッチ処理 不可 可能

個人が日常的に文章作成や学習補助として使うなら無料版で十分な場面が多くあります。一方、プロダクトへの組み込みや大量のリクエスト処理が必要な場合はAPIの利用が前提となります。

DeepSeek APIの料金体系(2026年時点)

APIは厳密には「無料版」ではなく従量課金ですが、他社サービスと比較して圧倒的なコスト優位性があります。2026年6月時点では、フラッグシップのDeepSeek-V4-Pro(総パラメータ1.6T・アクティブ約49B)と低コスト版のDeepSeek-V4-Flash(総パラメータ284B・アクティブ約13B)がAPIの主力として提供されています(出典:DeepSeek API Docs — Pricing)。

モデル 規模 入力・キャッシュミス
(1Mトークン)
入力・キャッシュヒット
(1Mトークン)
出力
(1Mトークン)
DeepSeek-V4-Pro
※プロモ価格(75%割引中)
総1.6T・活性49B $0.435
(標準 $1.74)
$0.003625 $0.87
(標準 $3.48)
DeepSeek-V4-Flash 総284B・活性13B $0.14 $0.0028 $0.28

V4-Proの $0.435(入力)・$0.87(出力)は75%割引のプロモーション価格です。プロモーション終了後は標準価格の入力 $1.74・出力 $3.48(いずれも1Mトークンあたり)が適用されます。最新の料金は公式ドキュメントでご確認ください。

V4-Flashは低コスト・高速処理を重視したモデルで、コストを抑えたい用途や大量処理に適しています。V4-Proはフラッグシップとして長文脈推論・コーディング・エージェント用途に最適化されています。参考として、OpenAIのGPT-4o系モデルは入力$2.50・出力$10.00(1Mトークンあたり)前後であり、DeepSeek-V4-Proはプロモ価格時点でもその水準と比較して入力コストが大幅に安価という競争力を持ちます。

また、DeepSeekのAPIはアカウント登録後に一定の無料クレジットが付与されることがあり、小規模な検証や試験的な利用は実質無料で行えます(付与量やキャンペーン内容は変更される場合があるため、公式サイトで確認することを推奨します)。

オープンウェイトモデルとしての「無料利用」

DeepSeekのもう一つの「無料」の側面が、モデルの重みをオープンウェイトで公開している点です。DeepSeek-V4-ProおよびDeepSeek-V4-FlashのモデルウェイトはHugging Face・GitHubで公開されており、MITライセンスのもとで自由に利用・改変・商用利用が可能です。

オープンウェイト利用が向いているケース

  • 自社サーバーやオンプレミス環境でAIを動かしたい
  • データを外部に送信できないセキュリティ要件がある
  • モデルのファインチューニング(追加学習)を行いたい
  • 研究・学術目的で内部構造を調査したい

ローカル実行に必要なスペック目安

オープンウェイト版をローカルで動かす場合、モデルの規模によって必要なGPUメモリが大きく変わります。OllamaやLM Studioなど、ローカルLLMの実行環境との組み合わせで比較的手軽に試すことも可能です。

モデルバリエーション パラメータ数 最低GPU VRAM目安 実用的な環境
DeepSeek-R1-Distill-Qwen-1.5B 1.5B 4GB〜 一般的なゲーミングPC
DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B 7B 8GB〜 RTX 3060以上
DeepSeek-R1-Distill-Llama-70B 70B 40GB〜(量子化で削減可) マルチGPU構成推奨
DeepSeek-V4-Flash(オープンウェイト版) 総284B(MoE) 数十〜百数十GB〜(量子化で削減可) マルチGPU構成
DeepSeek-V4-Pro(フルサイズ) 総1.6T(MoE) 数百GB〜 データセンター級GPU必須

個人レベルで手軽に試す場合は、蒸留版(Distill系)の小パラメータモデルを量子化(GGUF形式など)して使うのが現実的です。Ollama経由であれば「ollama run deepseek-r1:7b」のようなコマンド一つで試せます。

DeepSeek無料版のモデル性能:V4-FlashとV4-Proの違い

無料版のWebアプリでは主にDeepSeek-V4-Flashが既定モデルとして提供されており、thinking(推論)モードへの切り替えも無料で可能です。APIではV4-ProとV4-Flashの両方が利用できます。それぞれの特性を理解することで、用途に応じた使い分けができます。

DeepSeek-V4-Flash(チャット既定)

タイプ:軽量・高速汎用モデル

得意分野:文章生成、翻訳、要約、コーディング、長文脈処理(最大1Mトークン)

応答速度:高速。thinkingとnon-thinkingの両モード対応

向いている用途:日常的なテキスト作業、素早いアウトプットが必要な場面、コスト重視の大量処理

DeepSeek-V4-Pro(フラッグシップ)

タイプ:最高精度の旗艦モデル(thinking対応)

得意分野:長文脈推論、複雑なコーディング・エージェントタスク、高難度の問題解決

応答速度:V4-Flashより重厚。最大出力384Kトークン

向いている用途:高精度が求められる処理、エージェント連携、API経由での本格利用

V4-ProはOpenAIのo3系に相当する最上位モデルで、長文脈推論とエージェント連携が強化されています。V4-Flashは消費者向けチャットの既定として提供されており、thinkingモードを含む多様な用途を高速にこなします。これらを無料・低コストで使える点がDeepSeekの大きな価値です。

DeepSeek無料版を始める手順

実際に無料版を使い始めるまでの手順はシンプルです。

  1. 公式サイトにアクセス
    ブラウザで「chat.deepseek.com」を開きます(日本からもアクセス可能)。
  2. アカウント登録
    メールアドレスまたは電話番号で登録します。Googleアカウントによるソーシャルログインにも対応しています。
  3. モデル・モードの選択
    チャット画面の入力欄下部にある切り替えボタンから「DeepThink」を有効にすることでthinkingモードに切り替えられます。デフォルトはV4-FlashのNon-thinkingモードです。
  4. 日本語でそのまま質問
    日本語の入力に完全対応しており、英語に翻訳する必要はありません。
  5. 必要に応じてファイルをアップロード
    クリップアイコンからPDFやテキストファイルを添付できます。

他社の主要AIサービスとの無料版比較

DeepSeek無料版の立ち位置を理解するために、競合サービスの無料枠と並べて比較します。

サービス 無料で使えるモデル 無料の制限 推論モードの無料利用
DeepSeek V4-Flash(thinking含む) 混雑時スロットリングあり ◎ 無制限(通常時)
ChatGPT(OpenAI) GPT-4o mini / GPT-4o(制限あり) GPT-4oは1日の利用上限あり △ o1 miniは有料のみ
Claude(Anthropic) Claude 3.5 Sonnet(制限あり) 1日の利用回数に上限 × 推論系は有料プランのみ
Gemini(Google) Gemini 1.5 Flash / Pro(制限あり) 利用回数・速度制限あり △ Gemini Thinkingは制限あり
Copilot(Microsoft) GPT-4o(回数制限あり) 1日のターン数上限あり × 別途契約が必要

この比較から分かる通り、推論(thinking)モードが無料で制限なく使えるのはDeepSeekの大きな強みです。OpenAIのo1やo3 miniはいずれも有料プランまたは利用量制限がかかります。

DeepSeek無料版を使う際のプライバシー・セキュリティの注意点

無料版を利用する際に多くのユーザーが気にするのがデータの取り扱いです。中国企業のサービスという点から慎重な評価が必要です。

把握しておくべきリスクと対処法

  • 入力データのサーバー保存:DeepSeekのプライバシーポリシーによると、チャット履歴はDeepSeekのサーバー(中国国内を含む)に保存されます。個人情報や企業の機密情報、未発表の技術情報などは入力しないことが原則です。
  • 業務用途での利用には社内規定を確認:企業によっては外部AIサービスへのデータ送信を制限していることがあります。業務データを扱う場合は事前にIT部門や法務部門と確認してください。
  • オープンウェイト版によるオンプレミス実行:データを外部送信したくない場合は、前述のオープンウェイトモデルを自社サーバー上で動かす方法が最も安全です。
  • チャット履歴の削除機能:アカウント設定からチャット履歴の削除は可能ですが、サーバー側のデータ保持期間については公式ポリシーを参照してください。
  • セキュリティ研究者の指摘:2025年初頭に一部のセキュリティ研究者がDeepSeekのWebアプリのコードに特定のトラッキング挙動を確認したという報告がありました。利用環境やデバイスの選択を含めた総合的な判断が必要です。
推奨:無料版での利用に適した情報・適さない情報

利用に適した情報(例) 利用を避けるべき情報(例)
一般的な文章作成・学習
公開情報の要約・翻訳
プログラミング学習・サンプルコード
個人の趣味・創作活動
顧客情報・個人情報
社内の未公開情報・設計書
医療・法律・財務の機密データ
パスワード・認証情報

DeepSeek無料版の活用例・おすすめの使い方

実際にどのような場面でDeepSeek無料版が力を発揮するのか、具体的な活用例を紹介します。

学習・研究のサポート

V4-FlashのthinkingモードやV4-Proの推論能力を使うことで、数学の証明過程を段階的に説明させたり、論文の論理構造を批評させたりといった高度な知的作業を無料でこなせます。「なぜそうなるのか」という過程を丁寧に示してくれるため、学習への活用に向いています。

プログラミング・コードレビュー

Python・JavaScript・TypeScript・Rustなど主要言語のコード生成、バグの特定・修正提案、アルゴリズムの説明などが得意です。DeepSeek-V4系はコーディング用途を重点強化領域として設計されており、複雑な実装課題でも高い精度を発揮します。チャット形式での対話的なコーディングサポートとして十分な能力を持ちます。

エージェントタスク・複数ステップの作業

DeepSeek-V4はエージェント向け用途を念頭に設計されており、複数の手順を踏む作業の自律的な処理や、指示の順序立てた実行に強みを持ちます。リサーチ→まとめ→出力といった連続したタスクを任せる使い方に向いています。

多言語の文書作成・翻訳

日本語の文章校正、英語への翻訳(ビジネスメール・論文要旨など)、中国語を含む多言語処理においてはDeepSeekが特に強みを持ちます。中国語と日本語の相互翻訳は他サービスと比べても精度が高い傾向があります。

アイデア出し・ブレインストーミング

マーケティングコピーの候補出し、記事の構成案の作成、事業アイデアのリスト化など、アウトプット量が求められる作業で力を発揮します。制限なくリクエストを繰り返せる無料版の特性が活きます。

DeepSeekの多言語処理・推論能力のイメージ
DeepSeekの多言語処理・推論能力のイメージ

よくある質問(Q&A)

Q. DeepSeek無料版は本当に完全無料ですか?

はい、chat.deepseek.comおよびスマートフォンアプリの利用は、アカウント登録さえすれば追加料金なしで使えます。クレジットカード登録も不要です。Plus/Proのような有料個人プランは存在しません。ただし、APIを使って自分のアプリに組み込む場合は従量課金が発生します。

Q. 日本語で使えますか?

はい。日本語での入出力に完全対応しています。日本語でそのまま質問・指示を送ることができます。

Q. 無料版で利用回数の上限はありますか?

公式には明示された回数制限は設定されていませんが、サービスが混雑しているときにはリクエストが一時的に制限(フェアユーススロットリング)されることがあります。サービス開始当初と比較してインフラは整備されており、安定性は向上しています。

Q. 無料版でthinking(推論)モードも使えますか?

はい。Webアプリおよびアプリの入力欄にある「DeepThink」ボタンをオンにすることで、追加費用なしにthinkingモードが使えます。DeepSeek-V4-FlashはthinkingとNon-thinkingの両モードに対応しており、競合サービスが課金ユーザーのみに提供している推論モード相当の機能が無料で使える点は引き続き大きな価値があります。

Q. 最新モデルはどれですか?

2026年6月時点の現行フラッグシップはDeepSeek-V4-Pro(2026年4月24日リリース、総パラメータ1.6T・アクティブ約49B)です。消費者向けチャット(chat.deepseek.com)の既定モデルはDeepSeek-V4-Flash(総パラメータ284B・アクティブ約13B)で、InstantモードおよびExpertモードとして提供されています。いずれもMITライセンスのオープンウェイトモデルです。

Q. 無料版に有効期限はありますか?

現時点ではDeepSe

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