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DeepSeekとは?できること・使い方・モデル・安全性を初心者向けにやさしく解説【2026年版】
「DeepSeek(ディープシーク)って、安くて賢いって聞くけど実際どうなの?」「無料で使えるの?安全なの?」——そんな方に向けて、このページではDeepSeekのできること・使い方・料金・安全性を、専門用語をできるだけ避けてやさしくまとめます。AIにくわしくない方でも、読み終えるころには「自分なら何に使えそうか」がイメージできるはずです。
細かい仕様・料金表・他AIとの比較は、それぞれの専用記事へリンクしています。まずはここで全体像をつかんでください。

DeepSeekとは?ひとことで言うと「安くて賢い、中国発のAIアシスタント」
DeepSeekは、中国のAI企業「DeepSeek(深度求索)」が開発しているAIアシスタントです。ChatGPTやClaude(クロード)と同じように、質問すると文章で答えてくれたり、文章やコードを作ってくれたりします。
いちばんの特徴は、トップクラスの賢さを、圧倒的に安く(多くは無料で)使えること。「MoE(混合エキスパート)」というしくみで、必要な部分だけを動かして効率よく動くよう設計されているため、低コストを実現しています。さらにモデルが公開(オープンウェイト)されているので、自分のPCや自社サーバーでも動かせます。2026年6月時点の主力はV4世代で、高精度の旗艦モデル「DeepSeek-V4-Pro」と軽量・低コストの「DeepSeek-V4-Flash」の2本立てです。DeepSeek-R1で知られた推論(筋道を立ててじっくり考える働き)は、現行V4モデルの思考モード(答える前にいったん考える動作)に引き継がれています。
DeepSeekで何ができる?(主な機能)
DeepSeek(ディープシーク)は、文章の作成・要約、翻訳、プログラミング支援、データ整理、難しい推論まで、はば広く使えます。試しやすい具体例を挙げると——
- 文章の要約・作成:長いメールや資料を数行に要約したり、たたき台の文章を作る
- 翻訳・言い換え:日本語⇔英語などの翻訳や、堅い文章をやさしく言い換える
- プログラミング支援:コードの生成・修正・エラー原因の説明。思考モードのdeepseek-v4-proは複雑な実装の相談にも向く
- 調べもの・整理:箇条書きの整理、表への変換、アイデア出しの壁打ち
- じっくり考える推論:算数・論理・段取りなど、途中の考え方を示しながら答える(V4系の推論モード)
- コスト・データ面の自由度:無料のWebチャットに加え、開発向けの低価格API、データを外に出したくない場合の自社サーバー実行も選べる
業務でどこまで実用になるか、機能と限界をくわしく知りたい方は DeepSeekでできること(業務別の機能と限界)の解説 をご覧ください。最新モデルの中身は DeepSeek V4の詳細解説、考える過程を見せる推論モデルの系譜は DeepSeek-R1の解説 で紹介しています。
【2026年6月時点】最新動向 — 現行モデルはV4世代
DeepSeekのAPIモデルは現在、「deepseek-v4-flash」(速さ・低コスト重視)と「deepseek-v4-pro」(高精度・思考モード対応の旗艦)の2本立てです。どちらも2026年4月24日にリリースされ、最大1Mトークンの長コンテキストに対応しています。旧モデル名の「deepseek-chat」「deepseek-reasoner」は2026年7月24日(15:59 UTC)に廃止予定と公式が告知しているため、モデル名や料金を調べるときは情報の日付に注意してください。
- 一度に読み込める文章量が大きい(コンテキスト長 最大1Mトークン):トークンはAIが文章を扱う単位で、長い文書や大量の資料も一度に読み込めます
- 低価格路線は継続:例としてv4-flashは出力100万トークンあたり$0.28。最新の単価表と他社比較は DeepSeek APIの解説 にまとめています
(出典:DeepSeek公式APIドキュメント api-docs.deepseek.com/quick_start/pricing、2026年6月8日確認)
【2026年8月更新】2026年7月31日には後継の「deepseek-v4-flash-0731」が公開ベータとして公開され、価格は既存モデルと同じ入力$0.14/出力$0.28(100万トークンあたり、キャッシュヒット時はさらに安い$0.0028)に据え置かれたまま性能が向上しました。需要が急増し、8月1日には1日あたり8兆トークンを処理したとも報じられています。一方で2026年8月6日、DeepSeekは「近くAPI料金を大幅に値上げする」と公式に発表しており、具体的な新料金・実施時期はまだ公表されていません(出典:DeepSeek公式発表を報じたTechBriefly・explainx.ai等、2026年8月10日確認)。低価格が魅力だったDeepSeekの前提が変わりつつあるため、これから導入を検討する場合は最新の料金を都度確認することを強くおすすめします。
2025年1月「DeepSeekショック」の衝撃
DeepSeekが2025年1月に低コストで高性能とされる推論モデル「R1」を公開したことは、世界のAI業界・株式市場に大きな衝撃を与えました。米国の主要AI関連株が急落し、「高性能AIの開発には巨額の計算資源が必須」という当時の前提が揺らいだ出来事として世界的に報じられ、以降DeepSeekは「低コストで実用的な中国発AI」の代表格として知られています。LLMを業務で選ぶ際は、話題性だけでなくコスト対効果とAPIの安定運用実績を合わせて確認するとよいでしょう。
無料で使える?料金はいくら?
DeepSeekはWebチャット(chat.deepseek.com)なら完全無料で使えます。有料の個人サブスクリプションは存在せず、消費者向けチャットは無料のみです(混雑時は「Server Busy」によるスロットリングあり)。なぜ無料で使えるのか・無料の範囲や制限は DeepSeekはなぜ無料で使えるのか に、開発者向けのAPI単価や他社との料金比較は DeepSeekの料金解説 にまとめています(金額は変動するため、必ず最新をご確認ください)。
使い方・利用形態は3つ(Web版/API/ローカル実行)
導入を検討するとき、「どのモデルか」より先に決めておきたいのが「どの形態で使うか」です。形態によってデータの扱いが違います。
| 利用形態 | 向いている人 | データの扱い・注意 |
|---|---|---|
| Web版・アプリ | まず無料で試したい | 入力は中国企業のサーバーで処理される。機密・個人情報は入れない |
| API | 開発・自動化に組み込みたい | 低単価が魅力。規約とデータ保持の確認が前提(API解説) |
| ローカル実行 | データを外に出せない | オープンウェイト(MIT)を自社PC・サーバーで実行(ローカル実行の解説) |
Web版の具体的な操作手順は DeepSeekの使い方ガイド、文書画像をMarkdown化するOCRモデルは DeepSeek-OCRの特徴・使い方の解説 をご覧ください。モデルがMITライセンスのオープンウェイトで公開されている意味は大きく、データを外部に出さずに試せますし、特定の会社のサービスに縛られずに済みます(いわゆる「ベンダーロックイン」を避けやすい)。まずは無料のWeb版で用途に合うかを確かめ、機密を扱う工程だけローカル実行やAPIへ切り分けるのが現実的です。
Web版を今すぐ試す:具体的な手順とプロンプト例
実際に使うイメージがわきやすいよう、Web版での具体的な流れを示します。
- アクセス・登録:chat.deepseek.com にアクセスし、メールアドレスまたは電話番号でアカウントを作成する(登録・利用ともに無料)
- 入力欄にプロンプトを入力:画面下部のテキストボックスに指示文を入力してEnter(または送信ボタン)を押す
- 必要に応じて思考モードに切り替える:算数・論理パズル・込み入った実装相談など「じっくり考えてほしい」課題では思考モードをオンにすると、答えを出す前の考え方の道筋も示しながら回答が返ってくる。単純な要約や雑談は通常モードのままで十分速い
- 出力を確認し、対話を重ねて絞り込む:一度で満足のいく答えが返らない場合は「もっと簡潔に」「表形式でまとめ直して」のように追加で指示を出し、やり取りを重ねて仕上げていく
プロンプト(指示文)は、あいまいな依頼より具体的な依頼のほうが精度の高い回答が返ってきやすいのは、他の生成AIと同様です。目的・条件・出力形式を1文足すだけで結果の的確さが変わります。
- 要約したいとき:「以下の文章を、社内会議で共有する想定で箇条書き3点に要約してください。専門用語は残してよいですが、結論を最初に書いてください。(本文を貼り付け)」
- 翻訳・言い換えたいとき:「次の日本語の文章を、取引先向けの丁寧なビジネス英語に翻訳してください。直訳ではなく英語として自然な言い回しにしてください。(本文を貼り付け)」
- コードを書かせたいとき:「Pythonで、CSVファイルを読み込んで特定の列だけを抽出し別のCSVで出力する関数を書いてください。標準ライブラリのみ使用し、ファイルが存在しない場合のエラー処理も含めてください」
- じっくり考えさせたいとき(思考モード向き):「次の条件を満たす配送ルートを考えてください。まず前提条件を箇条書きで整理し、そのうえで手順を追って結論を導いてください。(条件を記載)」
いずれも、目的(何のために使うか)・条件(制約や前提)・出力形式(箇条書き/表/コードなど)の3点を書き添えるのがコツです。この組み立て方はDeepSeekに限らずChatGPTやClaudeでも共通して有効です。
APIで組み込む場合の基本
自社のツールや業務フローに組み込みたい場合はAPIを使います。DeepSeekのAPIはOpenAIのAPIと互換性のある形式で設計されているため、OpenAI向けに書かれた既存のコードやライブラリを、接続先(エンドポイント)・APIキー・モデル名を書き換えるだけで流用しやすいのが実務上のメリットです。大まかな流れは次のとおりです。
- DeepSeekの公式サイトでアカウントを作成し、APIキーを発行する
- OpenAI互換のクライアントライブラリ(Python・Node.jsなど)で、接続先をDeepSeekのAPIエンドポイントに向ける
- モデル名に「deepseek-v4-flash」(速さ・低コスト重視)または「deepseek-v4-pro」(精度・思考モード重視)を指定してリクエストを送る
- まずは低単価のv4-flashで動作確認し、精度が足りない工程だけv4-proに切り替えて費用対効果を見極める、という使い分けが現実的です
具体的なコード例やSDKの選び方は DeepSeek APIの解説 に、Ollamaなどを使って自社PC・サーバーで動かすローカル実行の具体的なコマンド手順は DeepSeekのダウンロード・インストール手順 でまとめています。
ローカル実行のハードルは正直に言うと高い。フル版のV4-Pro(総パラメータ1.6兆、活性化49B)は800GB超のVRAM(H100を10枚規模)が要る本格的なエンタープライズ級ハードウェアが前提で、個人のPCで動かせる規模ではない。比較的軽量なV4-Flash(総パラメータ284B、活性化13B)でも、Q4量子化でおよそ142GB、重めの量子化でも33GB前後(RTX 6000 Ada 1枚やRTX 4090を2枚組む構成)のVRAMが目安になる。一般的なゲーミングPC(VRAM8〜24GB程度)でそのまま動かせる規模ではなく、「ローカルで試したい」なら、DeepSeekが同時に公開している蒸留版の軽量モデル(数B〜数十Bクラス)から試すのが現実的だ。機密データを外に出したくないという理由だけでフル版のローカル実行を検討するなら、社内に専用サーバーを構える予算・工数まで含めて判断する必要がある。
ChatGPT・Claudeと何が違う?
大きな違いは、同じくらいの賢さを圧倒的な低コストで使えること、そしてモデルが公開されていて自分で動かせることです。おおまかな違いを表にまとめると次のとおりです(詳細は各比較記事へ)。
| 比較軸 | DeepSeek | ChatGPT | Claude |
|---|---|---|---|
| 個人向け料金 | Webチャットは完全無料(有料個人プランなし) | 無料枠+Plus $20/月 | 無料枠+Pro $20/月 |
| モデル公開(オープンウェイト) | ◎ MITライセンスで公開・自己ホスト可 | ✕ 非公開 | ✕ 非公開 |
| API単価の傾向 | 非常に低い(例: v4-flash 出力 $0.28/100万トークン) | 相対的に高い | 相対的に高い |
| データ処理の拠点 | 中国企業のサーバー(Web/API) | 米国(OpenAI) | 米国(Anthropic) |
参考として、公式モデルカードのベンチマークスコア(DeepSeek-V4-Pro Maxモード)では、大学院レベルの専門知識を問う「GPQA Diamond」で90.1、コーディング能力を測る「LiveCodeBench」で93.5を記録しており、GPT-5.4 xHighやClaude Opus 4.6 Max、Gemini 3.1 Pro Highといった最上位クラスの他社モデルと同水準の性能を示しています(出典:Hugging Face公式モデルカード。後述の参考文献を参照)。
くわしい比較は DeepSeekを徹底比較(ChatGPT・Gemini・Claudeとの違い) や DeepSeekとChatGPTの比較 をご覧ください。
ローカルLLMの導入やRAG構築をご検討の方は、AI開発会社クリスタルメソッドの無料相談をご利用ください。
安全に使うために(データ・プライバシーの注意点)
便利な一方で、注意すべき点もあります。Webチャットやアプリに入力したデータは中国企業のサーバーで処理されるため、機密情報・個人情報・営業秘密はそのまま入力しないのが基本です。どうしても扱いたい場合は、ローカルで動かせばデータを外に出さずに使えます。
- 入力してよい目安:公開情報や一般的な作業(要約・翻訳・アイデア出しなど)はそのまま入力可。社内向けだが機密ではない情報は、会社名や固有の数値を伏せ字にしてから入力すると安心です
- 入力を避けるべきもの:氏名・連絡先・契約内容・未公開の技術情報などの顧客情報・個人情報・営業秘密。機密を扱う業務は、ローカル実行やデータ保持を確認したAPI構成を検討する
- その他の注意点:中国製AI特有の応答制限がある話題や、提供者の所在国が問題になる組織では、利用前に社内ルールを確認する
入力前にチェックしたい具体的な判断基準
「機密情報を入れない」と言われても、実務では線引きに迷う場面が多いはずです。次のような基準で考えると判断しやすくなります。
- そのまま入力してよいもの:すでに公開されているニュース記事や公式資料の要約、固有名詞を含まない一般的な文書のひな形作成、公開済みの自社サービス説明文のリライトなど
- 加工してから入力するもの:社内資料の”型”や論理構成だけを借りたい場合は、会社名・氏名・金額・契約番号などの固有情報を「A社」「担当者B」「金額X円」のように伏せ字・仮名に置き換えてから入力する。文面の骨格を使うだけならこの方法で十分なことが多い
- 入力してはいけないもの:顧客の氏名・連絡先・住所などの個人情報、契約書の具体的な条項や金額、未公開の技術仕様や特許出願前の内容、社外秘の人事情報、ログイン情報やAPIキーなどの認証情報。これらは一部を伏せ字にしても文脈から推測されるおそれがあるため、そもそも入力しない
- 保存・利用のされ方への心構え:無料のWebチャットに入力した内容は、サービス改善のためにサーバー側で保持・参照される可能性がある、という前提で使うのが安全です。これはDeepSeekに限らず無料のクラウド型AIサービス全般に共通する考え方です。データの取り扱いを契約で明確にしたい場合は、企業向けAPI契約や、自社サーバーで完結するローカル実行を検討してください
安全性・リスクの詳細と対策、入力してよい/ダメな情報のくわしい線引きは DeepSeekの危険性・リスクの解説 でくわしく取り上げています。
よくある質問
Q. DeepSeekは無料で使えますか?
A. はい、Webチャット(chat.deepseek.com)は完全無料で使えます。有料の個人サブスクリプションは存在せず、消費者向けチャットは無料のみです。開発者向けのAPIも他社より大幅に低価格な従量課金で提供されています。
Q. 安全ですか?
A. 入力データは中国のサーバーで処理されるため、機密情報は入力しないのが基本です。ローカルで動かせばデータを外に出さずに使えます。
Q. ChatGPTと何が一番違いますか?
A. 同等の賢さを圧倒的な低コストで使え、モデルが公開されていて自分で動かせる点です。
Q. 日本語でも使えますか?
A. 使えます。日本語での質問・文章作成にも対応しています。
Q. 最新モデルはどれですか?
A. 2026年6月時点の主力はV4世代です。旗艦モデルの「DeepSeek-V4-Pro」(API名:deepseek-v4-pro)と軽量・低コストの「DeepSeek-V4-Flash」(API名:deepseek-v4-flash)の2本立てで、いずれも2026年4月24日にリリースされました。旧モデル名のdeepseek-chat / deepseek-reasonerは2026年7月24日に廃止予定です(出典:公式APIドキュメント)。
Q. 料金はいくらですか?
A. 個人向けのWebチャットは完全無料で、有料の個人サブスクリプションはありません。開発者向けのAPIのみ従量課金で、deepseek-v4-flashは出力100万トークンあたり$0.28、deepseek-v4-proは出力100万トークンあたり$0.87(現行プロモーション価格、標準価格は$3.48)です。料金は変動する場合があるため、公式料金ページで最新を確認してください。
Q. 自分のPCで動かしたり、商用利用できますか?
A. できます。V4-Pro・V4-FlashともにMITライセンスのオープンウェイトとして公開されており、自社のPC・サーバーで動かして商用利用することも可能です。
まとめ
DeepSeekは、「安くて賢い」を地で行く、無料から気軽に試せるAIアシスタントです。2026年6月時点の主力はV4世代(V4-Flash/V4-Pro)で、最大1Mトークンの長コンテキストや推論モードにも対応しています。まずはWebチャットで気になる質問を投げてみてください。「もっとくわしく」と思ったら、各専用記事から料金・使い方・安全性・他AIとの違いを深掘りできます。
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監修
河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)
AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
運営会社について | 編集方針
参考文献
- DeepSeek 公式APIドキュメント(料金):https://api-docs.deepseek.com/quick_start/pricing(2026年6月8日確認)
- DeepSeek 公式APIドキュメント(モデル更新情報):https://api-docs.deepseek.com/updates
- Hugging Face — DeepSeek-V4-Pro 公式モデルカード(ベンチマークスコア出典):https://huggingface.co/deepseek-ai/DeepSeek-V4-Pro
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