PoCで検証すること

PoCでは様々な観点からプロジェクトや開発案件をチェックし検証しますが、
具体的にどのようなポイントを検証するのでしょうか?
業種によって検証する項目は異なりますが、
大別すると主に下記の3つがPoCで検証されるポイントとなります。
① 費用対効果
② 技術的な部分での実現性
③ 具体性
順番に確認していきましょう。
費用対効果
まず、PoCで検証するポイントとしては費用対効果の観点があります。
優れたアイディアや事業計画を発案できたとしても、
結果として期待していた効果を上げられなければ、損失となってしまいます。
そのため、PoCで試作開発したシステムや、製品を利用したユーザーの意見を集め、
実際にプロジェクトで期待される効果を検証することが必要です。
例えば、多数の飲食店を展開する企業が人件費の削減をしたいと考えます。この際に、レジを自動化することや注文をタブレットに変更することで、どのような効果があるのかをPoC検証します。
PoCで初めに見込んでいた効果を得るのが難しい場合には、
プロジェクトや開発自体からの撤退、または変更や見直しを検討しましょう。
技術的な部分での実現性
技術的な部分での実現が可能かどうか確認することも必要です。
開発したシステムや製品などを実際の運用環境に近い状況で検証を行い、
技術的にシステムを実現できるか確認します。
たとえば、「実際の環境でも音声が拾えるのか」、「実際の環境でも人と動物を区別できるのか」などの技術的な実現性の検証などがあります。このような技術的な検証は経験や知識がないと困難になるため、PoCを進める前から技術者に参加してもらう必要があります。
こうして実現性をPoC検証することで、当初の計画が机上の空論とならないよう、
考えられるリスクなどを抽出し失敗の可能性を減らします。
もし可能であれば、PoCを行う前に技術者を参加させることにより、
計画の実現性がより明確になりますのでおすすめです。
具体性
費用対効果も良く、技術面での実現性も可能と判断された場合、具体性の面でも検証を行っていきます。
具体性の観点は、実際の運用環境で製品やシステムを利用する際の使い心地や、業務プロセスと適合性を検証する作業です。
たとえば、新しいシステムの開発を検討している場合、システムをより使いやすくするために画面上のボタンの配置や、画面遷移などを確認します。
開発側からは良いと思っていても、実際に使用する人達が使いにくくては本末転倒です。
そのため、必ず現場と同じ環境でPoC検証を行う必要があります。