blog

SiteGuard Server Editionの脆弱性CVE-2026-106931、悪用を確認

SiteGuard Server Editionの脆弱性CVE-2026-106931、悪用を確認

CVE-2026-106931の概要——SiteGuard Server Editionで何が起きているか

2026年10月14日、EG Secure Solutionsのホスト型WAF(Webサーバーに組み込んで使うWAF)「SiteGuard Server Edition」にOSコマンドインジェクションの脆弱性が公式登録された(CVE-2026-106931、採番CNA:jpcert)。攻撃者が、脆弱性のある製品を実行しているシステム上でroot権限またはSYSTEM権限により任意のOSコマンドを実行できる可能性があり、脆弱性の種別はCWE-78(OSコマンドの不適切な中和)に分類される(出典:CVE.org CVE-2026-106931)。

10月20日にはCISA(米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)のKEV(Known Exploited Vulnerabilities)カタログへの掲載が確認された(出典:CISA KEV カタログ)。KEVへの掲載は「実際の悪用が確認された」ことを意味する。ベンダーのEGセキュアソリューションズとJPCERT/CCのJVN(JVN#88474777)も、悪用が確認されていると明記している。ただし自社が影響を受けるとは限らない。CISAの対処期限は米連邦機関向けであり、日本企業への義務ではない。

ベンダーの告知によると、脆弱性があるのは製品の「統計機能」で、この機能は初期値で有効になっている。統計機能が有効な環境が影響を受ける。ベンダーは、サポート契約のある顧客には9月29日に個別に案内したとしている(出典:EGセキュアソリューションズの告知、JVN#88474777)。

CVSSスコアは以下のとおりである(評価者:JPCERT/CC)。

CVE-2026-106931 CVSSスコア一覧(評価者:JPCERT/CC)
評価方式 スコア 深刻度 主なベクター
CVSS 3.0 7.8 HIGH ローカル・低権限・ユーザー操作不要/機密性・完全性・可用性すべてHigh
CVSS 4.0 8.5 HIGH ローカル・低権限・ユーザー操作不要/後続システムへの影響なし

EPSS(悪用される確率の統計的推定)は0.0253(パーセンタイル84.9%、2026年10月29日時点)と報告されている。これは確定した予測ではなく統計モデルによる推定値であり、「悪用される」と断定するものではない(出典:CVE.org CVE-2026-106931)。

関連記事ディープラーニングとは?機械学習との違いは? / テキストマイニングとは?意味・できること / GANとは?敵対的生成ネットワークの仕組み

影響を受けるバージョンと修正版——SiteGuard Server Edition の版管理を急ぐ理由

CVE-2026-106931の影響を受けるバージョン範囲は、JPCERT/CCによるCVE公式記録で以下のように確定している(出典:CVE.org CVE-2026-106931)。

影響を受けるのはVer2.20以降の上記バージョンで、統計機能が有効な環境である。IIS版のうちVer3.10からVer4.00 Update4は、この脆弱性の影響を受けない(ベンダー告知・JVN)。古いバージョンのまま運用を続けているサーバーは特に注意が必要だ。

ベンダーは、Apache版・Nginx版・IIS版はVer8.00 Update5、FreeBSDのApache版・Nginx版はVer7.00 Update6で修正したと案内している。バージョンアップが難しい場合に備えて、統計処理の対象ファイルを差し替えるパッチも提供されており、サポート終了バージョンも対象に含まれる。

自社が対象か判断がつかない場合は、お使いの製品と版の情報をお送りいただければ、公式情報をもとに対象かどうかの目安をお伝えします(無料相談)。

CISA KEV掲載が意味すること——悪用確認済みという事実の重さ

CVE-2026-106931は2026年10月20日にCISA KEVカタログへ追加された。KEVへの掲載は「実際に悪用が確認された」ことを意味する(出典:CISA KEV カタログ)。単なるCVSSスコアによる危険度評価とは異なり、実際の悪用が確認されたことを示す指標である。

CISAが定めた対処期限は2026年10月23日であった。これは米国連邦政府機関を対象とした義務的期限(BOD 26-04に基づく)であり、日本企業に法的義務を課すものではない。CISAが示した必要な対処は、ベンダーの指示に従ってミティゲーションを適用し、BOD 26-04のガイダンスおよびCISAの「Forensics Triage Requirements」に準拠すること、クラウドサービスについてはBOD 26-04の該当ガイダンスに従うか、ミティゲーションが利用できない場合は製品の利用を中止することである。

ランサムウェアでの利用状況は「Unknown(不明)」と記録されている。

なお、本脆弱性とAIとの関係は確認されていない。AIが発見した脆弱性でも、AI製品の欠陥でも、AIを活用した攻撃でもない。ホスト型WAFの統計機能にある、OSコマンドの扱いに関する実装上の問題である。

対処——修正版への更新と期限

  • 修正版へ更新する。Apache版・Nginx版・IIS版はVer8.00 Update5、FreeBSD版はVer7.00 Update6。更新が難しい場合のパッチもある。詳細はEGセキュアソリューションズの告知を参照。
  • ベンダーが示す対策は、アップデートとパッチの2つ。適用前に管理画面から診断情報を取得して保管するよう、ベンダーが案内している(詳細は告知を参照)。
  • CISAの対処期限は2026年10月23日(米連邦機関向け)。

自社の機器が対象かどうかの判断や、すでに侵入されていないかの確認は、構成やログを見ないと判断できません。


参考文献

重大な脆弱性が出たら、メールでお知らせします

悪用が確認された重大な脆弱性が出たときだけ送ります(頻繁には送りません)。無料・配信停止はメール内のリンクからいつでもできます。

個人情報の扱い

脆弱性への対応・AIセキュリティでお困りの方へ

クリスタルメソッドは、脆弱性情報の監視とお知らせ、AIセキュリティのご相談、AIを業務に取り入れる際のセキュリティを学ぶ研修をお受けしています。「使っている製品が対象か分からない」「社内でAIを使うときの注意点を整理したい」といった段階からご相談いただけます。

AIニュースのまとめをメールで

毎週月曜、海外AIニュースの日次ダイジェストを1週間分まとめてお届けします。無料・いつでも配信を停止できます。

監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
運営会社について | 編集方針

Read next

あわせて読みたい

  • AI技術解説のイメージ

    ディープラーニング(深層学習)とは何か?機械学習との違い等をわかりやすく解説します!

    ディープラーニング(深層学習)は、画像認識・自然言語処理・自動運転など、現代のAI技術を支える中核的な仕組みです。しかし「AIとどう違うのか」「機械学習との関係...

  • テキストマイニングとは?やり方やツールまで解説のイメージ

    テキストマイニングとは?意味・できること・やり方・ツールを解説【2026】

    テキストマイニングとは、大量のテキストデータを自然言語処理(NLP)で解析し、有用な情報や傾向を自動的に抽出する技術です。口コミ・アンケート・問い合わせ・SNS...

  • GAN (敵対的生成ネットワーク) について説明します!

    GAN(敵対的生成ネットワーク)とは?仕組み・活用事例をわかりやすく解説

    GAN(敵対的生成ネットワーク)は、AIが「偽物を作る側」と「見破る側」の2つのネットワークを競わせることで、本物と見分けがつかないほど高品質なデータを生成でき...

View more