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カスハラ対策とは?義務化で企業が講じる措置10項目と進め方・規程の例をわかりやすく解説

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客や取引先など事業に関係する人からの言動のうち、社会通念上許容される範囲を超え、それによって従業員の就業環境が害されるものです。一方で、範囲内の苦情は正当な申入れであり、カスハラには当たりません。

カスハラ対策とは、こうした迷惑行為から従業員を守るために、企業が方針を決め、相談できる体制を整え、起きたときに組織として対応できるようにしておく取組のことです。改正労働施策総合推進法(第33条)により、2026年10月1日から、すべての事業主にカスハラ対策の措置が義務づけられました(施行済み)。事業主は、厚生労働大臣の指針に定められた「方針の明確化と周知」「相談体制の整備」「事後の迅速・適切な対応」「悪質な行為への抑止のための措置」「プライバシー保護・不利益取扱いの禁止」を講じなければなりません。この記事では、まず企業が講じる措置10項目の全体像を示し、続いて義務化の中身、社内で整える順番(5ステップ)、そのまま書き換えて使える雛形(基本方針の文例・社内規程の条文例・判断基準表・実施チェック表)、起きたときの対応と悪質な行為への対処、判断に迷う境界ケース、業種ごとの難所、研修、東京都などの条例を、法令・指針・厚生労働省の企業マニュアルの原文にもとづいて解説します。参照した資料と参照日は記事の最後にまとめています。

目次

カスハラ対策とは?企業が講じる措置(5つの柱と10項目)

指針に定められた措置は、規模にかかわらず必ず講じなければならないものです。

措置 求められること 実務での例
1. 方針の明確化と周知・啓発 カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護するという方針を明確にし、カスハラの内容とあわせて労働者に周知・啓発する 基本方針を就業規則・社内ポータル・研修で示す。顧客向けにも方針を掲示する
2. 相談体制の整備 相談窓口をあらかじめ定めて周知し、担当者が内容や状況に応じて適切に対応できるようにする 窓口担当者の指名、外部窓口への委託、対応マニュアルの整備
3. 事後の迅速かつ適切な対応 事実関係を迅速・正確に確認し、被害を受けた労働者への配慮と再発防止の措置を講じる 記録の確認、被害者のケア・配置の配慮、原因となった商品・サービス・接客の改善
4. 抑止のための措置 過度な要求を繰り返すなど特に悪質なものへの対処の方針をあらかじめ定めて周知し、その対処ができる体制を整える 警察への通報、警告文の発出、サービス提供の停止、出入り禁止、仮処分の申立て。人事・カスタマーサービス・法務の連携体制
5. 併せて講ずべき措置 相談者・行為者等のプライバシー保護と、相談等を理由とする不利益取扱いの禁止を定めて周知する 相談記録の管理ルール、不利益取扱い禁止の規程化

なお、4の対処について、事業主に新たな法的権限が与えられるわけではありません。対処の内容は、業法の定め(旅館業法の宿泊拒否事由など)も踏まえ、業種・業態に応じて決める必要があります。

厚生労働省のリーフレットに書かれた措置10項目

上の5つの柱を、厚生労働省のリーフレット「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」は次の10項目に分けて示しています。リーフレットには「事業主は、以下の措置を必ず講じなければなりません」と書かれています。

カスハラ対策で事業主が講じる措置10項目の一覧図
図:事業主が講じる措置10項目(厚生労働省リーフレットをもとに作成)
柱 講じる措置
方針等の明確化と周知・啓発 ① カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確にし、労働者に周知・啓発する
② カスハラの内容と、あらかじめ定めた対処の内容を労働者に周知する
相談体制の整備 ③ 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知する
④ 相談窓口の担当者が適切に対応できるようにする
事後の迅速かつ適切な対応 ⑤ 事実関係を迅速かつ正確に確認する
⑥ 被害者に対する配慮のための措置を行う
⑦ 再発防止に向けた措置を講じる
抑止のための措置 ⑧ 特に悪質と考えられるカスハラへの対処の方針をあらかじめ定めて労働者に周知し、その対処ができる体制を整備する
併せて講ずべき措置 ⑨ 相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、労働者に周知する
⑩ 相談したこと等を理由として不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発する

②の「あらかじめ定めた対処」の例として、リーフレットは次の4つを挙げています。

  • 管理監督者に、その場の対応の方針について指示を仰ぐ
  • 可能な限り、労働者を一人で対応させない
  • 犯罪に該当し得る言動は警察へ通報する
  • 本社・本部等へ情報共有を行い、指示を仰ぐ

対策を講じる際には、消費者の権利や、障害者差別解消法が定める不当な差別的取扱いの禁止・合理的配慮の提供義務に留意する必要があるとされています(厚生労働省リーフレット・PDF)。

努力義務と「望ましい取組」

  • 他社からの協力要請への対応(努力義務):自社の労働者が取引先などの労働者にカスハラを行ったとして、他の事業主から事実確認などへの協力を求められた場合は、応じるよう努めなければなりません(第33条第3項)。
  • 業種・業態ごとの取組:被害の実態や業務の特性に応じた取組を進め、同じ業種の複数の事業主が一体となって取り組むことが望ましいとされています。
  • 自社が加害側にならないための方針:他社の労働者や個人事業主に対してカスハラを行ってはならない旨を、自社の方針にあわせて示すことが望ましいとされています。

企業がカスハラ対策として社員研修をするときは、カスハラ対応をAIロープレで練習する方法で解説しています。

関連記事カスハラの判断基準と対応方法は?

カスハラ対策の義務化とは(2026年10月1日施行)

項目 内容
根拠となる法律 労働施策総合推進法 第33条(令和7年の改正で新設)
施行日 2026年(令和8年)10月1日 ※施行済み
指針 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)
対象 事業主。厚生労働省のパンフレットには、企業規模による区別や猶予期間は示されていません。派遣労働者については、派遣元だけでなく派遣先の事業主も措置を講じる必要があります
あわせて禁止されること 労働者がカスハラを相談したこと等を理由とする解雇その他の不利益な取扱い(第33条第2項)
違反した場合 厚生労働大臣(都道府県労働局)による助言・指導・勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名等が公表されることがあります(第42条)。報告を求められて報告をしない・虚偽の報告をした場合は20万円以下の過料です(第51条)。刑事罰の規定はありません
同じ日に義務化されたもの 求職者等(就活生・インターン生など)に対するセクシュアルハラスメント対策

相談先は、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。

なぜ義務化されたのか(背景と経緯)

カスハラ対策の義務化は、2025年(令和7年)6月の法改正で決まり、2026年(令和8年)10月1日に施行されました。背景には、カスハラに関する相談の増加があります。

厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)では、過去3年間に、労働者から顧客等による著しい迷惑行為(カスハラ)の相談があったと答えた企業は27.9%でした。前回(令和2年度)の調査から8.4ポイント増えています(政府広報オンライン)。

調査で分かったこと 結果
相談があった企業の割合が高い業種 医療・福祉 53.9%、宿泊業・飲食サービス業 46.4%、不動産業・物品賃貸業 43.4%
該当すると判断した事案の内容 継続的・執拗な言動(頻繁なクレーム、同じ質問の繰り返しなど)72.1%、威圧的な言動(大声で責めるなど)52.2%
企業が受けた損害や被害 通常業務の遂行への悪影響 63.4%、労働者の意欲・エンゲージメントの低下 61.3%

出典:厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」。業種別・内容別・被害別の数値はTOKYOノーカスハラ支援ナビの掲載による。

対策の対象になるカスハラの定義(3つの要素)

法律上のカスハラは、職場で行われる次の①〜③の要素をすべて満たすものです。

① 顧客、取引の相手方、施設の利用者など、事業に関係を有する者(顧客等)の言動であること
② 労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして、社会通念上許容される範囲を超えたものであること
③ それにより労働者の就業環境が害されること

「顧客等」には、商品やサービスを利用する人のほか、問い合わせをする人、取引先の担当者、契約に向けて交渉する相手の担当者、施設やサービスの利用者とその家族、施設の近隣住民なども含まれ、今後利用・取引する可能性のある人も含みます(指針)。

電話やSNSなどインターネット上で行われるものも含まれます。一方で、顧客等からの苦情のすべてがカスハラに当たるわけではありません。客観的にみて社会通念上許容される範囲の苦情は、いわば正式な申入れであり、カスハラには当たりません。障害者が合理的配慮を求めることも、カスハラには当たらないとされています。

どんな言動が当たるかの判断基準・現場での見分け方・事例(裁判例)は「カスハラとは?意味・定義・具体例」で詳しく解説しています。

「社会通念上許容される範囲を超える」かどうかは、言動の内容(契約内容からみて相当性を欠くか)と、手段や態様(やり方が相当でないか)に着目し、言動の目的・経緯・業種・頻度・労働者の状況などを総合的に考慮して判断します。どちらか一方だけが範囲を超える場合でも該当し得ます。

カスハラの定義の3つの要素の図
図:カスハラの定義(3つの要素をすべて満たすもの)

カスハラに当たる言動の例

区分 典型的な例(厚生労働省パンフレットより)
要求の内容が範囲を超えるもの 商品・サービスと関係のない要求(性的な要求、プライバシーに関わる要求)、契約内容を著しく超えるサービスの要求、契約金額の著しい減額の要求、不当な損害賠償要求
身体的な攻撃 殴る・蹴る・物を投げつける・つばを吐きかける
精神的な攻撃 脅迫、人格を否定する暴言、土下座の強要、SNSに悪評を書くとほのめかして脅す、無断での撮影
威圧的な言動 大声で労働者や周囲を威圧する、反社会的な言動
継続的・執拗な言動 同じ質問を執拗に繰り返す、話のすり替え・揚げ足取り、同様のメールを繰り返し送りつける
拘束的な言動 長時間の居座り、長時間の電話で労働者を拘束する

これらは限定列挙ではありません。判断が微妙なものも含めて広く相談に応じることが求められています。

正当なクレームとカスハラの見分け方(会社として判断基準を決める)

カスハラかどうかの判断は、現場の担当者ごとに変わらないよう、会社があらかじめ判断基準を決めて現場と共有しておくことが重要だとされています。厚生労働省の企業マニュアルは、次の3つの観点で判断することを示しています。言動の内容と手段・態様は、どちらか一方だけが範囲を超える場合でもカスハラに当たり得ます。

判断の観点 確かめること マニュアルが示す例
① 言動の内容 事実関係・因果関係を確かめ、根拠のある要求か 購入した商品に欠陥があり交換・返金を求める=謝罪とともに応じるのが妥当。商品と無関係な不当な損害賠償の要求=範囲を超え得る
② 手段・態様 要求を実現するやり方が相当か 要求に理由がある場合でも、暴力的・威圧的・継続的・拘束的な言動(大声での威圧、長時間の居座りや電話など)は範囲を超え得る
③ 就業環境への影響 平均的な労働者の感じ方を基準に、働くうえで見過ごせない支障が生じたか 断るとすぐに要求を取り下げた場合は当たらない可能性がある。殴る・蹴るなどの暴力は直ちに該当し、1回の言動でも就業環境を害する場合がある

カスハラが企業と従業員に与える影響(対策が必要な理由)

カスハラ対策が必要なのは、被害を受けた従業員本人だけでなく、企業の経営にも大きな損失を生むためです。厚生労働省の企業マニュアル(令和8年度改訂版)は、影響を次のように整理しています。

影響を受ける相手 主な影響
従業員 業務のパフォーマンスの低下/健康不良(頭痛、睡眠不良、精神疾患、耳鳴りなど)/現場対応への恐怖や苦痛による配置転換・休職・退職
企業 時間の消費(現場や電話での対応、謝罪訪問、社内での対応方法の検討、弁護士への相談など)/業務上の支障(顧客等への対応で他の業務ができない)/人員の不足(離職に伴う新規採用と教育のコスト)/金銭的損失(値下げ、慰謝料要求への対応、代替品の提供など)/店舗や企業のブランドイメージの低下
他の顧客等 来店する他の顧客の利用環境・雰囲気の悪化/業務の遅れで他の顧客がサービスを受けられない

従業員への被害も深刻です。厚生労働省の令和5年度の実態調査(労働者等調査)では、カスハラを受けたことによる心身への影響として「怒りや不満、不安などを感じた」が63.8%、「仕事に対する意欲が減退した」が46.1%でした。何度も繰り返し経験した労働者では「眠れなくなった」が26.4%、「通院したり服薬をした」が9.2%にのぼります。企業側の調査でも、カスハラによる損害として「通常業務の遂行への悪影響」(63.4%)、「労働者の意欲・エンゲージメントの低下」(61.3%)が上位でした(上の「なぜ義務化されたのか」の表を参照)。

一方でマニュアルは、対策を講じることで、こうしたマイナスの影響を防ぐだけでなく、「会社としてカスハラに対する姿勢を示したことで従業員の安心感が生まれた」「迷惑行為をする人が少なくなり、職場環境がよくなった」といったプラスの影響も期待できるとしています(厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」)。

対策を怠ったときの会社の責任(裁判例)

義務化による助言・指導・勧告とは別に、会社には従業員の心身の安全に配慮する義務(安全配慮義務)があります。カスハラへの対応が不十分だと、従業員から損害賠償を求められることがあります。厚生労働省の企業マニュアルが紹介している裁判例を2つ挙げます。

裁判例 内容 結論
長崎地裁 令和3年1月19日判決(保育園) 保護者から虐待を疑われて追及された保育士が、うつ病を発症して亡くなった。遺族が運営法人に損害賠償を求めた。 法人の対応が十分でなかったとして、安全配慮義務違反が認められた。
東京高裁 令和4年11月22日判決(コールセンター) 電話でわいせつな発言や暴言を受けたオペレーターが、法人に損害賠償を求めた。法人は、上司への転送や担当者の判断で電話を切ってよいといった手順を定め、周知していた。 従業員を守るルールを定めて対応していたとして、安全配慮義務違反は認められなかった。

2つの結論を分けたのは、従業員を守る手順を会社があらかじめ定め、実際に運用していたかどうかです(厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」)。裁判例の詳しい内容は「カスハラとは」の記事でも紹介しています。

次に読む:カスハラロープレ練習のやり方は?

カスハラロープレ練習とは?やり方と効果を5ステップで完全解説

カスハラ対策の進め方(5ステップ)

カスハラ対策の実務の進め方5ステップの図(基本方針・相談窓口・従業員研修・対応マニュアル・記録と連携)
図:実務の進め方5ステップ

指針の5項目を、実際の社内作業に落とし込むと次のような順番になります。かかる期間は会社の規模や体制によって変わるため、社内で予定を立てて進めます。始める前に、相談の記録や従業員へのアンケートで自社で起きているカスハラの実態を確かめ、既存のハラスメント規程・相談窓口・苦情対応の体制で使えるものを洗い出しておくと、方針やマニュアルを業務の実態に合わせやすくなります。

ステップ1:カスハラ対策の基本方針を決める

経営陣で「カスハラ対策の基本方針」を決定します。含めたい項目は次のとおりです。

  • カスハラの定義と該当する事例(自社の業務に即した具体例)
  • 従業員の基本姿勢(不当な要求には応じず、従業員の心身を守ることを優先する)
  • 対応フロー(相談→記録→判断→対応)
  • 被害を受けた従業員への支援(メンタルヘルス、配置転換、休暇など)

基本方針に入れる要素と、社内向け・店頭掲示用の文例、規程の条文例は「カスハラ基本方針のひな形と例文」にまとめています。

ステップ2:相談窓口を設置する

  • 直属の上司以外にも相談できるルートを用意する
  • 電話・メール・対面など複数の方法を用意する
  • 社内で難しい場合は外部機関(弁護士事務所など)への委託も検討する
  • カスハラ専用の窓口を新たに設ける必要はなく、パワハラなどを扱うハラスメント相談窓口や社内ヘルプラインといった既存の体制を使うことや、現場の管理監督者を窓口担当者にすることもできる
  • どの形でも、人事労務・法務などの社内部署や外部の関係機関と連携しやすい体制にする
  • 相談者の個人情報を厳格に保護する

厚生労働省の企業マニュアルは、相談窓口担当者とは別に、対策全体を進める「カスハラ対策推進チーム」があるとよいとしています。比較的規模の大きい企業では、人事労務・カスタマーサービス・法務などの本社部門がチームをつくり、方針や対応手順の作成、研修と周知、再発防止策を取りまとめます。比較的規模の小さい企業では、経営者などが対策の推進と相談窓口の対応を担います。

ステップ3:従業員研修を行う

全従業員に方針と相談方法を伝え、顧客と接する部門には対応スキルの研修を行います。対象ごとの内容と研修の形式は「カスハラ対策研修の進め方」で詳しく解説します。

  • 全従業員向け:カスハラの定義と事例、相談方法
  • 顧客接点の部門向け:対応スキル(ロールプレイを含む。進め方はカスハラロープレ練習のやり方)
  • 管理職向け:初動対応、部下のメンタルヘルスへの配慮

ステップ4:対応マニュアルを作る

厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」などを参考に、自社の業種に合わせて作成します。

  • 正当なクレームとカスハラを見分ける判断フロー
  • 一次対応(話を聞く、記録する、複数人対応に切り替える)
  • エスカレーションの基準(警察への通報など)
  • 被害を受けた従業員への対応

ステップ5:予防と記録の環境、連携の仕組みを整える

カスハラを起こりにくくし、起きたときに事実を確かめられるように、職場の環境を整えます。

取組 内容 根拠・参考
顧客向けに方針を示す 基本方針を自社のホームページや店頭のポスターなどで示す 厚生労働省の企業マニュアル
録音・録画 事実確認に使える記録を残す。個人情報の保護に関する法律等を守って顧客等の個人情報を適切に扱い、記録の保管と閲覧のルールを決める 厚生労働省の企業マニュアル。東京都の奨励金では「録音・録画環境の整備」が選択の取組の1つ
名札の表示を見直す 名札から個人が特定されて攻撃の対象にならないよう、表示のしかたを変える(フルネームをやめて名字だけ・イニシャルにするなど)。名札の情報からSNSで検索され付きまとわれたことをきっかけに見直した飲食業の事例が紹介されています 政府広報オンライン(あかるい職場応援団の事例)
対応の遅れや説明不足を減らす 苦情対応マニュアルや、自社の商品・サービスについての「よくある質問と模範解答」を整え、研修で共有する 厚生労働省の企業マニュアル(研修内容の例)・政府広報オンライン
警備員・警察との連携 暴行・傷害・脅迫など犯罪に当たり得る言動に備えて、警察への通報と警備員との連携の手順を決めておく 厚生労働省の企業マニュアル
責任者がいない時間帯への備え 小規模な店舗や営業時間帯によって現場監督者がいない場合も、現場の従業員だけで基本的な対応ができるよう、対応方法を周知・教育しておく 厚生労働省の企業マニュアル
  • 相談日時・対応履歴を管理する
  • 人事・カスタマーサービス・法務が連携して対処を判断できる体制にする

つくった後の運用と見直し

カスハラ対策は、方針や窓口を一度つくって終わりではありません。厚生労働省の企業マニュアルは、従業員や労働組合などの参画を得ながらアンケート調査や意見交換を行い、運用状況を把握して必要な見直しを検討することが重要だとしています(指針で「望ましい取組」とされるもの)。東京都のTOKYOノーカスハラ支援ナビも、起きた事例を新しい防止策やマニュアル・研修の見直しに生かし、衛生委員会の活用なども含めて定期的に取組を見直すことを挙げています。

  • 入社時:方針と相談窓口を、パート・アルバイトや中途入社の従業員にも漏れなく伝える
  • 事案が起きたとき:手順どおりに対応し、記録をもとに対応の流れを振り返る
  • 定期的に:研修を行い、相談の件数や内容を確かめて、方針・マニュアル・研修を見直す

カスハラ対策の雛形(基本方針の文例・社内規程の条文例・判断基準表・チェック表)

ここからは、指針と厚生労働省の企業マニュアルの内容をもとに、この記事で作成した「例」です。そのまま貼り付けるのではなく、自社の業種・規模・就業規則の形に合わせて書き換えてください。規程に入れる文言は、社内の手続を経て、社会保険労務士や弁護士に確認してから使います。

基本方針に入れる要素と方針の例

ステップ1の基本方針について、厚生労働省の企業マニュアルは、トップ自らが発信し、管理監督者を含むすべての従業員に周知することが重要だとしています。方針に含める要素の例として、次のものを挙げています。

  • カスハラは自社にとって重大な問題である
  • カスハラを放置しない
  • カスハラから従業員を守る
  • 従業員の人権を尊重する
  • 顧客等から社会通念上許容される範囲を超えた要求や言動を受けたら、周囲に相談してほしい
  • カスハラには組織として毅然とした態度で対応する
  • 本方針は企業のトップメッセージである

マニュアルに載っている方針の例文は、おおむね次の流れで書かれています。①お客さまに真摯に対応し、期待に応えることを心がける ②一方で、人格を否定する言動・暴力・性的な要求など従業員の尊厳を傷つける行為は、あってはならない問題である ③従業員の人権を尊重するため、こうした要求や言動には毅然と対応し、従業員を保護する ④従業員が被害を受けたら上長等への報告・相談を勧め、組織的に対応する。最後に代表者の名前を添えます。

方針は、自社のホームページやポスターなどで、お客さま向けに示すことも効果的だとされています(厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」)。

上の要素を入れて、小売店舗を想定して書いた文例です。

カスタマーハラスメントに対する基本方針(文例)

〇〇株式会社は、お客さまからのご意見・ご要望に真摯に耳を傾け、商品とサービスの改善に生かします。

一方で、暴力、暴言、威圧的な言動、土下座の要求、長時間の拘束、従業員の個人情報をSNS等に投稿することなど、社会通念上許容される範囲を超える言動は、従業員の尊厳を傷つけるものであり、看過しません。こうした言動には、事情を十分に説明したうえで対応をお断りすることがあります。特に悪質な場合は、警告、ご来店のお断り、警察への通報、法的措置を検討します。

従業員がカスタマーハラスメントを受けたときは、一人で抱え込まずに相談できる窓口を設け、組織として従業員を守ります。また、〇〇株式会社の従業員が取引先の皆さまに同じような言動をしないよう徹底します。

20XX年X月X日 代表取締役 〇〇〇〇

最後の段落の「自社も取引先に同じような言動をしない」は、指針が「望ましい取組」として挙げている内容です(指針6(4))。

就業規則・社内規程に入れる条文の例

指針は、相談したことなどを理由に解雇その他の不利益な取扱いをされない旨を「就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書」に定めて周知することを、措置を講じていると認められる例に挙げています(指針4(5)ロ)。また、自社の従業員が他社の従業員にカスハラをしたと確認できたときは、就業規則等の規定にもとづいて懲戒その他の措置を講じることが望ましいとしています(指針5(2))。これらを社内規程にまとめる場合の条文の例です。

条 条文例(カスタマーハラスメント防止規程)
第1条
目的
この規程は、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の事業に関係を有する者(以下「顧客等」という。)の言動であって、社会通念上許容される範囲を超えたもの(以下「カスタマーハラスメント」という。)から従業員の就業環境を守るために必要な事項を定める。
第2条
対象
この規程の従業員には、正社員のほか、パートタイム従業員、契約社員および当社で就業する派遣社員を含む。対面のほか、電話、電子メール、SNS等で行われる言動も対象とする。
第3条
相談窓口
会社は、カスタマーハラスメントに関する相談窓口を〇〇部に置き、担当者を従業員に周知する。
第4条
報告と対処
従業員は、カスタマーハラスメントを受けたとき、または同僚が受けていることを知ったときは、管理監督者または相談窓口に報告する。会社は、別に定める対応マニュアルにもとづき、事実を確認し、被害を受けた従業員に配慮し、再発防止の措置を講じる。
第5条
プライバシー
相談窓口の担当者および事実確認に関わった者は、相談者、行為者その他の関係者のプライバシー(性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報を含む)を保護し、職務上知り得た情報を漏らしてはならない。
第6条
不利益取扱いの禁止
会社は、従業員が相談をしたこと、事実確認に協力したこと、都道府県労働局に相談したことなどを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしない。
第7条
他社の従業員への言動
従業員は、取引先その他の他社の従業員に対し、カスタマーハラスメントに当たる言動をしてはならない。違反が確認された場合は、就業規則第〇条にもとづき懲戒の対象とする。

第7条のように懲戒と結びつける場合は、就業規則の懲戒の定めと整合させます。第6条の内容は、パワハラ・セクハラなどの既存のハラスメント防止規程にすでにある場合、その対象にカスハラを加える形でもかまいません。

判断基準表の雛形

企業マニュアルは、業種・業態によって判断基準に違いが出るため、自社で基準をあらかじめ明確にして現場と共有することが重要だとし、①言動の内容、②手段・態様、③就業環境が害されたか、の3つの観点を示しています。これを現場で使う表にした例です。「自社の基準(記入例)」の列は小売店舗を想定した記入例で、時間などの数字は自社で決めます(マニュアル自体も、30分・1時間は一例としています)。

観点と確かめる問い 当たり得る例(マニュアルの典型例) 自社の基準(記入例)
① 言動の内容
要求に根拠があるか。契約や商品の内容から見て相当か
商品と無関係の損害賠償、契約を著しく超えるサービス、契約金額の著しい減額の要求 返品・交換は、購入の事実が確認できるものに限ります。確認できない場合は店長が判断します
② 手段・態様
暴力的・威圧的・継続的・拘束的になっていないか
大声、暴言、土下座の強要、同じ質問の執拗な繰り返し、長時間の居座りや電話 膠着してから30分で対応の終了を伝えます。暴言が出たら二人での対応に切り替えます
③ 就業環境
平均的な労働者が同じ状況なら、働くうえで看過できない支障を感じるか
強い苦痛を与える言動は1回でも該当し得ます。暴行は直ちに該当し、犯罪にも当たり得ます 従業員が対応を続けられないと申し出たら、理由を問わず交代します
誰が判断するか
対応した本人だけで決めていないか
(スーパーマーケット業編の企業例)最終判断は店長、悩む場合は本社に報告 判断は店長(不在時は副店長)が行います。迷ったら本社のお客様相談室に報告します

措置10項目の実施チェック表

指針の10項目を、社内で確認する表にした例です。「残しておく書類の例」があると、取組の状況を説明するときや、運用を見直すときに役立ちます。

措置 確認すること 残しておく書類の例
① 方針の明確化 カスハラへの基本方針を文書にし、管理監督者を含む全従業員(パート・アルバイト・派遣社員を含む)に周知したか 基本方針、社内報や研修での周知の記録
② 対処の内容の周知 カスハラの内容と、その場でどう動くか(報告・交代・録音・通報)を周知したか 対応マニュアル
③ 相談窓口 相談窓口の担当者を決め、従業員に伝えたか 窓口の案内
④ 窓口担当者の対応 相談を受けたときの事実確認・記録の手順があり、担当者が研修を受けたか 窓口対応の手順、研修の記録
⑤ 事実確認 対応日時・場所・対応者・要望の内容・対応結果を残す様式があるか 対応記録の様式
⑥ 被害者への配慮 休暇・配置・メンタルヘルス不調への相談対応などの支援を決めたか 支援の手順
⑦ 再発防止 研修のやり直しと、原因となった商品・サービス・接客の改善を行う仕組みがあるか 振り返りの記録
⑧ 悪質な行為への対処 特に悪質な行為への対処方針(警察通報・出入り禁止など)を決め、関係部門の連携体制があるか 対処方針、関係部門・警察などの連絡先一覧
⑨ プライバシー保護 相談者のプライバシーを守る措置を定め、周知したか 規程・マニュアル
⑩ 不利益取扱いの禁止 相談等を理由とする不利益取扱いの禁止を規程に書き、周知したか 就業規則・社内規程
派遣社員 派遣社員を受け入れている場合、派遣先としての措置も講じているか 派遣社員への周知の記録

カスハラが起きたときの対応と再発防止(措置⑤〜⑦)

指針は、従業員から相談があったときの事後対応として、事実関係の確認、被害を受けた従業員への配慮、再発防止を求めています(措置⑤〜⑦)。厚生労働省の企業マニュアル(令和8年度改訂版)にもとづく流れは次のとおりです。カスハラを受けた従業員がその場でとる具体的な手順は「カスハラ対応の手順と判断基準」で解説しています。

カスハラが起きたときの流れ

  1. 安全の確保:暴力などがあれば、従業員の安全を最優先にする
  2. 事実関係の確認:時系列の状況、顧客等の求め、言動の内容と手段・態様を確認し、記録する
  3. 被害を受けた従業員への配慮:心身の状態を確かめ、必要なら専門家につなぐ
  4. 再発防止:方針・手順の再周知、事例の共有、研修

従業員の安全を確保する

殴る・蹴る・物を投げるといった暴力行為などがあった場合は、その従業員の安全の確保を最優先にします。マニュアルは、現場監督者が対応を代わる、顧客等から従業員を引き離す、担当者の変更や複数人での対応に切り替える、状況に応じて警察への通報や弁護士との連携を行う、といった対応を挙げています。

事実関係を迅速かつ正確に確認する

マニュアルが示す整理の流れは、①時系列で状況と事実関係を正確に把握する、②顧客等が求めている内容を把握する、③言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えていないかを検討する、④言動の手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えていないかを検討する、の順です。周囲の従業員からも話を聞き、録音・録画などの記録も確認します。行為者が取引先の場合は、必要に応じて取引先の事業主に事実確認への協力を求めます。

疑わしい段階から、第三者が後で確かめられる証拠を残すことも大切です。マニュアルは、録音・録画、対応記録、対応時間の計測を挙げ、カスハラに至らなかったものも含めて、顧客等の申し出の内容・対応の経緯・結果を正確に記録し、関係部署に共有して再発防止の検討に使うことを勧めています。記録には次の項目を残しておくと、事実確認と対処の判断がしやすくなります。

  • 日時・場所(店舗・電話・メールなどの経路)と対応にかかった時間
  • 相手の申し出の内容(求めていること)と、実際の言動(発言はできるだけそのまま)
  • こちらの説明と対応の経緯、同席・目撃した従業員
  • 録音・録画・メールなど、残っている証拠
  • 結果と、その後に必要な対応

被害を受けた従業員の心のケア

安全を確保したうえで、従業員にメンタルヘルス不調の兆候がある場合は、産業医や産業カウンセラー、臨床心理士などの専門家に相談対応を依頼してアフターケアを行うか、専門の医療機関への受診を促します。定期的なストレスチェックなどで、その後の状況を確認することも望ましいとされています。

再発防止につなげる

起きた事案に対応するだけでは、同じことが繰り返されるおそれがあります。マニュアルは、方針や対処の手順をあらためて研修・講習などで周知すること、事例を社内で共有すること、接客・商品やサービス・苦情対応についての研修で顧客等への対応力を高めること、消費者の心理や障害特性について理解を深めることを挙げています。相談があったもののカスハラが生じた事実を確認できなかった場合も、方針の周知・啓発などの再発防止の措置は同じように講じる必要があります(指針4(3)ハ)。

特に悪質なカスハラへの対処方針(措置⑧)

指針は、過度な要求を繰り返すなど特に悪質なカスハラへの対処の方針をあらかじめ定めて従業員に周知し、その対処ができる体制を整えることを求めています(措置⑧)。厚生労働省の企業マニュアル(令和8年度改訂版)が示す対応方針の例と、類型別の対応例をもとに、段階に分けて整理すると次のようになります。

段階 対応 マニュアルが示す例
1. 理由の説明と明確な拒否 対応できない理由を説明し、応じられないことをはっきり伝える 繰り返しの理不尽な問い合わせには注意し、次回は対応できないことを伝える
2. 対応の打ち切り 時間を区切り、お引き取りを願う・電話を切る 膠着状態になってから一定時間(30分程度)を超えたら、お引き取りを願う、または電話を切る。何度もかかってくる電話には、あらかじめ対応できる時間を伝える
3. 退去の要求・窓口の一本化 毅然と退去を求める。連絡の窓口を一本化し、同様の問い合わせは受けないと伝える お引き取りを願ってもなお30分程度(膠着してから計1時間程度)帰らない場合は退去を求める
4. 警告文の送付 行為者に書面で警告する 内容証明郵便などを使った警告文の発出
5. 販売・サービス提供の停止、出入り禁止 法令の制限の範囲内で、商品の販売やサービスの提供をしない。店舗・施設への出入りを禁止する 旅館業法・航空法など業法の定めがある場合や、業種・業態によって必要な対応が違うことに注意する
6. 警察・弁護士・法的手続 犯罪に当たり得る言動は警察へ通報する。必要に応じて法的手続をとる 暴行・傷害・脅迫などは警察へ通報し、警備員と連携する。民事保全法にもとづく仮処分命令の申立て

マニュアルは、30分・1時間といった時間はあくまで一例で、具体的な時間は業種・業態を踏まえて各企業で決めるべきだとしています。また、身の危険を感じたときは、決めた時間に達していなくても、ためらわず警察への通報や警備員への連絡をすることが重要です。出入り禁止などの対処は、義務化によって企業に新しい法的権限が与えられたものではないため、業法の定めや契約内容を踏まえて自社の方針として決めておきます。

対処を判断する体制を決めておく

特に悪質なカスハラが起きたときに、現場の担当者が一人で判断しないで済むように、人事部門・カスタマーサービス部門・法務部門などの関係部門が迅速に連携し、とるべき対処を判断する体制を定めておきます。マニュアルは、この対応方針を従業員向けの研修の項目に入れて周知することも挙げています。

判断に迷う境界ケースと、仕組みづくりでつまずきやすい点

方針や判断基準を作っても、現場では「これはカスハラに当たるのか」「断ってよいのか」と迷う場面が残ります。迷ったときは、まず図の順番で確かめます。そのうえで、実際に迷いやすい場面ごとの考え方を下の表にまとめました。

カスハラに当たるか迷ったときの確認の順番の図(要求の中身・手段や態様・就業環境)
図:カスハラに当たるか迷ったときの確認の順番(厚生労働省の企業マニュアルなどをもとに作成)

境界ケースの考え方(10例)

ケース 考え方 根拠
1. 商品に不具合があり交換の要求は正当だが、大声で怒鳴り続ける 要求が妥当でも、手段が威圧的・継続的なら該当し得ます。交換には応じたうえで、言動には別に対処します 企業マニュアル
2. 不当な要求だったが、断るとすぐに取り下げた 就業環境が害されたとはいえず、該当しない可能性があります 企業マニュアル
3. 1回だけだが、人格を否定する強い暴言を受けた 強い苦痛を与える態様なら、1回でも該当し得ます 企業マニュアル
4. 障害のある顧客が、障害を理由とする対応の調整を求めた 合理的配慮を求める意思の表明そのものは当たりません。建設的な対話で対応します 指針・企業マニュアル
5. 介護の利用者が、認知症の症状で暴言を言う 認知症の症状による言動(BPSD)はハラスメントではなく、ケアで対応します。ただし職員の安全確保は別に検討し、判断には主治医やケアマネジャーの意見も確認します 介護現場におけるハラスメント対策マニュアル
6. 取引先の担当者から威圧的な要求を受けた 取引の相手方も「顧客等」に含まれます。取引先に事実確認と再発防止への協力を求めます 指針・企業マニュアル
7. 自社の社員が取引先の従業員にカスハラをしたとして、協力を求められた 協力に応じるよう努めます(努力義務)。協力を求められたことを理由に契約を解除するなどの扱いは望ましくないとされています。事実なら規程にもとづき懲戒を検討します 法第33条第3項・指針5
8. 「SNSに書くぞ」と言われた、従業員の名前を投稿された 悪評の投稿をほのめかして脅すこと、従業員のプライバシーに関わる情報の投稿は、精神的な攻撃の例に挙げられています 指針・企業マニュアル
9. 顧客の自宅や、取引先との打合せの飲食店で起きた 従業員が業務を行う場所なら「職場」に含まれます 指針
10. 派遣社員が被害を受けた 派遣元だけでなく派遣先も、自社の従業員と同じように措置を講じます 指針

録音・録画と個人情報の扱い

指針は、その場の対処の例として顧客等とのやり取りを録音・録画することを挙げ、あわせて個人情報保護法等を守って顧客等の個人情報を適切に扱うよう求めています。個人情報保護委員会のQ&A(Q1-10)は、通話内容から特定の個人を識別できる場合は個人情報に当たり、事業者は利用目的を通知または公表する義務を負うが、録音していることを相手に伝える義務までは負わない、としています。カメラについては、撮影されていることを本人が容易に認識できない場合は、作動中であることを掲示するなどの措置が必要とされています(Q1-13)。企業マニュアルの対応例には、電話は「通話内容を録音できるようにしておく」、対面では「必要があれば相手の了解を得て録音する」とあります。

  • 録音・録画の利用目的(事実確認・サービス向上など)を、プライバシーポリシーなどで公表しておきます
  • 電話の冒頭で録音を案内するかどうかは、抑止の効果も考えて自社で決めます(個人情報保護法上、録音していることを伝える義務まではありません)
  • 保管期間、聞ける・見られる人、持ち出しの禁止を決めておきます

出入り禁止・サービス停止の前に確認すること

出入り禁止や販売の停止は、義務化によって企業に新しい権限が与えられたものではありません。指針は、業法等でサービス提供の義務が定められている場合や、サービスが途絶すると顧客等の生命や心身の健康に重大な影響が及ぶ場合があることに留意するよう求め、企業マニュアルは行政・福祉・医療・電気やガスなどのインフラ分野の性質に留意するとしています。

  • 宿泊業:旅館業法第5条は宿泊を拒める場合を限っており、それ以外の理由を宿泊約款に書いても無効です。2023年12月13日施行の改正で、負担が過重で他の宿泊者へのサービスを著しく妨げるおそれのある要求(特定要求行為)を繰り返したときが加わりました(厚生労働省)。
  • 医療・介護・インフラ:停止したときに、相手の生命や健康にどんな影響が出るかを先に確かめます。
  • 小売・飲食など:契約や利用規約の定め、それまでの警告と記録をそろえたうえで判断します。仮処分の申立てなどの法的手続は弁護士に相談します。

仕組みづくりでつまずきやすい点

つまずく点 起きやすいこと 公的資料が示す対処
対応した本人に判断を任せる 主観が入り、正当なクレームをカスハラと取り違えたり、本人が我慢してしまったりします 店長など第三者が事実を確認して判断する。店舗で複数名で判断し、悩む場合は本社に報告する企業の例(スーパーマーケット業編)
方針を先に社外へ公表する 現場が手順を知らないまま、公表後の問い合わせに対応することになります 社内マニュアルとeラーニングで従業員の理解を進め、全員の受講完了を待ってから公表した企業の例(スーパーマーケット業編)
責任者がいない時間帯を考えていない 現場の従業員だけで判断できず、対応が長引きます 現場の従業員だけで基本的な対応ができるよう、対応方法を周知・教育する(企業マニュアル)
本社へ上げる基準が決まっていない 現場が抱え込み、対応が遅れます 訴訟や警察・自治体との連携が必要なときを報告の基準にし、日時・場所・対応者・要望の内容・顧客の情報・指示・結果を共有する(企業マニュアル)
カスハラ専用の窓口を新しく作ろうとして止まる 準備に時間がかかり、施行後も窓口がないままになります 既存のハラスメント相談窓口や苦情対応の体制を使ってよい(企業マニュアル)
管理職がその場で何をするか決まっていない 報告を受けた管理職が様子を見るだけになり、従業員が一人で対応を続けます 報告を受けたり現認したりした管理監督者が、直ちに対応する必要がある場合を踏まえて対処の内容を定める。対処の例は「管理監督者に指示を仰ぐ」「可能な限り一人で対応させず、必要に応じて管理監督者が代わって対応する」(指針)
現場がその場で非を認めて謝ってしまう 事実確認の後で会社に非がないと分かっても、発言を撤回しにくくなります 状況が分からない段階では「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」と対象を限って謝り、非を認める謝罪は事実確認と社内の判断の後に、過失の程度に応じて行う(企業マニュアル)。研修とマニュアルに入れておきます
顧客だけの問題として片付ける 同じ原因で再び起きます 原因となった商品・サービス・接客の問題や、顧客とのコミュニケーション不足が分かったときは、その改善も図る(指針)

業種別に見るカスハラ対策の難所(公的マニュアルから)

同じ措置でも、業種によってつまずく場所が違います。国の業種別マニュアルなどの公的資料に書かれている内容から、代表的な業種の難所をまとめます。

業種と公的資料 起きやすい場面・行為 対策の難所
スーパーマーケット
業種別マニュアル スーパーマーケット業編(PDF)
カスハラと判断した事案の内容は「継続的・執拗な言動」84.9%、「威圧的な言動」75.3%、「精神的な攻撃」65.8%(企業の回答)。セルフレジに通していない商品を指摘すると逆上する、レシートがなく販売の事実が確認できない商品の交換を求める、ミスをした従業員本人からの直接の謝罪を執拗に求める、などの例 正当な返品・交換との線引きと、店舗ごとに判断がぶれないようにすることです
宅配
業種別マニュアル 宅配業編(PDF)
受けたカスハラの内容は「威圧的な言動」70.3%、「継続的・執拗な言動」61.8%、「精神的な攻撃」58.1%(従業員の回答・18,715人)。集荷・配達時、営業所での荷受け時、電話対応時の3つの場面 顧客の自宅前など、一人で対応する場面が多いことです(業務を行う場所は「職場」に含まれます)
介護
厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策」
利用者や家族からの身体的暴力・精神的暴力・セクシュアルハラスメント 認知症の症状による言動との区別と、区別したうえで職員の安全も守ることです
宿泊
厚生労働省「旅館業法改正」特設ページ
グレードの高い部屋への変更など、他の宿泊者に比べて過剰なサービスを繰り返し求められる 宿泊を拒める場合が法律で限られていることです(特定要求行為の繰り返しなど)
企業間取引(BtoB)
企業マニュアル(令和8年度改訂版)
取引先の担当者からの威圧的な要求や、契約を著しく超える要求 自社が加害側になることもあります。立場の強い側が無理な要求をすることは、独占禁止法(優越的地位の濫用)などに違反する可能性もあります

業種別マニュアルの探し方

カスハラの現れ方は業種・業態によって違います。厚生労働省は、業界団体による対策を支援するモデル事業の中で「業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を作成しており、令和6年度はスーパーマーケット業編、令和7年度は宅配業編が作られました。業界が自ら対策マニュアルを作るための「策定手順例」も、ポータルサイト「あかるい職場応援団」に掲載されています(政府広報オンライン)。

同じ記事では、厚生労働省が2024年に行ったスーパーマーケット業界の調査(企業調査)で、カスハラに発展した原因の上位が「顧客対応・サービス等の遅延」(71.2%)、「対応者の説明・コミュニケーションの不足」(63.6%)だったことも紹介されています。予防には、研修などによる顧客対応力の強化、苦情対応マニュアルの整備、対応者を一人にさせず組織で対応することが効果的だとされています。

カスハラ対策研修の進め方(対象・内容・形式)

指針は、カスハラの内容とあらかじめ定めた対処の内容を、管理監督者を含む労働者に周知することを求めています(措置②)。厚生労働省の企業マニュアルは、この周知を研修等の形で行うことを挙げ、全員が受講し、かつ定期的に実施することが重要だとしています。中途入社の従業員やパート・アルバイトにも、入社時に研修や説明を行い、漏れなく全員が受講できるようにします。

対象ごとに分けて行う

マニュアルは、全従業員向けの研修に加えて、経営層・相談窓口担当者・上司や現場監督者など、階層や役割に応じた教育・研修を行うことも重要だとしています。

対象 主な内容
全従業員(パート・アルバイト、中途入社を含む) トップメッセージ(基本方針)、カスハラとは何か、自社で起きやすいカスハラの例、あらかじめ定めた対応方法・手順、相談窓口
顧客と接する部門 苦情対応の基本的な流れ、顧客等への接し方(謝罪、話の聞き方、事実確認の注意点)、類型別の対応方法、記録の作成方法、ケーススタディ
相談窓口担当者 社内で定めた判断の基準と対応手順、事実確認の進め方、関係部門・外部機関(弁護士など)との連携。定期的な研修が有効とされています
上司・現場監督者 その場での判断と対応の代わり方、被害を受けた部下への配慮
経営層 カスハラが事業に与える影響と、優先順位を判断したうえでの対応。マニュアルは、外部講師による研修などで意識改革を図ることが有効だとしています

研修に盛り込む内容の例

マニュアルは、研修の内容の例として次の項目を挙げています。過去に自社で起きた事案をもとにした事例紹介やケーススタディを設けると、より実践的な研修になるとしています。

  • カスハラとは(定義や該当する行為の例、正当な苦情との違い)
  • カスハラの判断例(判断基準とその事例)
  • カスハラの類型別の対応方法
  • 苦情対応の基本的な流れ
  • 顧客等への接し方のポイント(謝罪、話の聞き方、事実確認の注意点など)
  • 顧客等への理解(消費者の心理や障害特性など)
  • 記録の作成方法
  • 事例における顧客対応での注意点
  • よくある質問と模範解答(自社の商品やサービスに関するものを含む)
  • ケーススタディ

研修の形式の選び方

形式 向いている内容 注意点
講義(集合・オンライン) 方針・定義・社内の手順を全員に同じ内容で伝える。経営層向けの外部講師による研修 聞くだけでは、実際の場面で言葉が出にくい
eラーニング 入社時やパート・アルバイトへの周知、定期的な受け直し。受講の記録が残る 対応の練習にはならない
ロールプレイ(ケーススタディ) 顧客と接する部門・相談窓口担当者が、対応手順を声に出して練習する 客役と講評役の手間がかかる。客役が慣れていないと場面が再現しにくい
AIロープレ AIが客役を務めるため、一人でも時間や場所を選ばず繰り返し練習できる 導入するシステムによって、想定できる場面や評価のしかたが違う

多くの企業では、講義やeラーニングで方針と手順を全員に伝え、顧客と接する部門はロールプレイで練習する、という組み合わせが考えられます。ロールプレイの進め方とシナリオ例は「カスハラロープレ練習のやり方」、AIを客役にした練習は「カスハラ対応のAIロープレ」で紹介しています。東京都内の中小企業等は、自社主催の研修の外部講師やAIを活用したシステムの導入が、東京都の奨励金の選択の取組に当たる場合があります。

自治体のカスハラ防止条例(東京都・愛知県・桑名市など)

国の法律とは別に、カスハラの防止を定めた条例を設けている自治体もあります。東京都・北海道・群馬県・三重県桑名市の条例は2025年(令和7年)4月1日に施行され、その後、愛知県(2025年10月1日)、静岡県(2026年4月1日)と続いています。国の法律が2026年10月に施行される前から、各地の事業者には条例にもとづく取組が求められています。

自治体 施行日 主な内容
東京都 2025年4月1日 何人もカスハラを行ってはならないと定め、事業者には体制整備や手引の作成などを努力義務として求める。罰則なし(詳しくは下の表)
北海道 2025年4月1日 道・顧客等・事業者等・道民それぞれの責務を定め、条例にもとづく指針でカスハラへの対処方法などを示す
群馬県 2025年4月1日 カスハラの禁止と、県・事業者・就業者・顧客等の各主体の責務を定める
三重県桑名市 2025年4月1日 就業者や事業者等が市長にカスハラの確認・認定を求められる。認定した場合は行為者に警告し、改善が不十分なときは、本人の意見を聴いたうえで氏名等を公表できる(やむを得ない最後の手段との位置づけ)。罰則なし
愛知県 2025年10月1日 事業者に、被害を受けた就業者への配慮や行為者への中止の求めなど、必要かつ適切な措置を講じるよう努めることを求める。条例にもとづく指針も同日に策定
静岡県 2026年4月1日 何人もカスハラを行ってはならないと定め、事業者には被害を受けた就業者の安全確保や行為者への中止の申入れなどに努めることを求める

上の表は2026年10月時点で各自治体の公式資料により確認できたものです。ほかにも条例の制定・検討を進めている自治体があるため、事業所のある自治体の公式サイトで最新の情報を確認してください。条例を設けている自治体でも、事業者の取組の多くは努力義務で、国の措置10項目(義務)と合わせて進めることになります。以下では、最も早くから指針や手引が整っている東京都の条例を例に、中身を見ていきます。

項目 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例
施行日 2025年(令和7年)4月1日
カスハラの定義 顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するもの(第2条第5号)
禁止 何人も、あらゆる場において、カスタマー・ハラスメントを行ってはならない(第4条)
事業者に求められること 指針にもとづき、必要な体制の整備、カスハラを受けた就業者への配慮、カスハラ防止のための手引の作成その他の措置を講じるよう努める(第14条・努力義務)
罰則 なし。ただし行為によっては、傷害罪・強要罪・名誉毀損罪などの犯罪に当たる可能性があるとされています
指針・手引 「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」を2024年12月25日に公表し、条例の施行とともに適用。2025年3月には業界団体向けの「各団体共通マニュアル」と、事業者がマニュアルを作るときの「ひな形」を作成

東京都は、条例の事業者の措置に罰則はないものの、条例の趣旨を踏まえて速やかにマニュアル作成や体制の整備を進めるよう求めています(東京都「カスタマー・ハラスメント防止条例 Q&A」)。ほかの自治体の条例の内容は、各自治体のページ(北海道・群馬県・桑名市・愛知県・静岡県)で確認できます。

国の法律と条例の関係

国の法律は、すべての事業主に措置を義務づけるもので、講じていない場合は都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象になります。条例の事業者の取組は努力義務ですが、都内などの事業者は、国の措置10項目と条例の取組(マニュアル・手引の作成など)を合わせて進めると、重複なく整えられます。

東京都の奨励金(中小企業等向け)

東京都は、条例に沿ってカスハラ対策に取り組む中小企業等向けに、定額40万円の奨励金を設けています。カスハラ対策マニュアルの作成・改定と基本方針の社内外への周知が必須で、あわせて「録音・録画環境の整備」「AIを活用したシステム等の導入」「外部人材の活用(自社主催の研修の講師など)」のいずれか1つに取り組みます。第2回の事前エントリーは2026年11月4日(水)10時〜11月18日(水)17時です(当初の10月23日開始から変更。東京都の特設サイトの2026年10月29日のお知らせによる)。エントリーしても支給が確約されるわけではありません。対象の要件と申請の流れは「カスハラ研修 奨励金40万円(東京都)|対象になる取組・申請要件・締切」で整理しています。

対象は、常時雇用する従業員が300人以下で、都内の事業所で継続して1年以上事業を行っている企業等や個人事業主です(募集要項)。

カスハラ対策義務化でよくある誤解

よくある誤解 実際
顧客からの苦情は、すべてカスハラとして断ってよい 社会通念上許容される範囲の苦情は正式な申入れであり、カスハラには当たりません。障害者が合理的配慮を求めることも当たりません
義務化で、出入り禁止などの新しい権限が企業に与えられた 事業主に新たな法的権限が与えられるわけではありません。対処の内容は業法の定めも踏まえて決めます
相談窓口を置けば足りる 方針の周知、事後対応、悪質な行為への対処方針、プライバシー保護と不利益取扱いの禁止まで、10項目すべてが必要です
対象は店舗や窓口での対面のやり取りだけ 電話やSNSなどインターネット上で行われるものも含まれます

よくある質問

Q. 中小企業も対象ですか?猶予はありますか?

A. 厚生労働省のパンフレットでは、企業規模による区別や猶予期間は示されておらず、事業主は指針の措置を講じなければならないとされています。窓口を外部に委託する、研修を外部講師に依頼するなど、規模に応じた方法で実施できます。

Q. 対策をしていないと罰則はありますか?

A. 措置を講じていないこと自体への刑事罰はありません。ただし、都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象となり、勧告に従わない場合は公表されることがあります。また、報告を求められて報告をしない・虚偽の報告をした場合は20万円以下の過料です。

Q. すでにカスハラ対策を進めている企業は何をすればよいですか?

A. 指針の5項目(方針・相談体制・事後対応・抑止のための措置・プライバシー保護と不利益取扱いの禁止)に照らして、不足している部分を補います。特に「抑止のための措置」は今回の義務化で求められる項目なので、悪質な行為への対処方針と連携体制があるかを確認してください。

Q. 顧客の要求を断ると売上が減りませんか?

A. 社会通念上許容される範囲の苦情は正式な申入れとして対応する必要があります。断る対象は、範囲を超えた要求や言動です。指針は、カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する方針を示すことを求めています。

Q. カスハラ対策の研修はしなければなりませんか?

A. 指針は、カスハラの内容とあらかじめ定めた対処の内容を、管理監督者を含む労働者に周知することを求めています(措置②)。厚生労働省の企業マニュアルは、この周知を研修等の形で行うことを挙げ、全員が受講し、定期的に実施することが重要だとしています。

Q. 国の法律と自治体の条例はどう違いますか?

A. 国の法律(労働施策総合推進法)は、すべての事業主に措置を義務づけ、講じていない場合は都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象になります。東京都の条例は「何人も、あらゆる場において、カスタマー・ハラスメントを行ってはならない」と定め、事業者には体制の整備や手引の作成などを講じるよう努めることを求めています(努力義務・罰則なし)。都内の事業者は両方を踏まえて対策を進めます。

参照した法令・公的資料(参照日:2026年10月29日)

この記事は、次の法令・指針・公的資料の原文を2026年10月29日に確認して作成しています。法令の解釈や、自社の規程・個別の事案の判断は、社会保険労務士や弁護士にご確認ください。

関連記事:カスハラとは?意味・定義・具体例 / カスハラ対応の手順 / パワハラとカスハラの違い / カスハラロープレ練習のやり方 / カスハラ対応のAIロープレ / 東京都のカスハラ防止奨励金

研修で使えるカスハラ対応AIロープレ(デモ動画)

ステップ3の研修では、お客さま役を相手に対応を声に出して練習するロールプレイが役立ちます。下の動画は、AIアバターがお客さま役を演じるカスハラ対応AIロープレの体験デモです。東京都のカスハラ対応マニュアルに沿った対応を続けると、AIの口調がしだいに落ち着きます。

カスハラ対応AIロープレの体験デモ(お客さまの声はAIの合成音声です)

体験デモはこちらから無料で試せます。

カスハラ対策・クレーム対応研修のAI活用をご検討の方へ

クリスタルメソッドは、AIを相手にクレーム対応・カスタマーハラスメント対応のロールプレイングを繰り返せる仕組みを開発・提供しています。「従業員のカスハラ対応研修にAIロープレをどう活かせるか」「導入の進め方や費用を知りたい」といったご相談を承っています。


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河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

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