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Reflection AIがオープンウェイトモデル「Beam」を発表:重みは10月中に公開予定

Reflection AIがオープンウェイトモデル「Beam」を発表:重みは10月中に公開予定

Reflection AIが初のオープンウェイトモデル「Beam」を発表

米国のAIスタートアップReflection AIは2026年10月5日、同社初のオープンウェイトモデル「Beam」を発表した。総パラメータ数は5,010億で、1トークンあたりに実際に使うのは230億というスパースなMixture-of-Experts(MoE)構成をとる。コーディング、推論、エージェント型の作業を主な用途としている(出典:Reflection AI公式ブログ、2026年10月5日・10月8日に結果を更新)。

発表時点で重み(ウェイト)はまだ公開されていない。最終的なレッドチーミングと評価が続いており、重み、技術レポート、モデルカード、実行・評価・ファインチューニング用のツール一式を10月中にApache 2.0ライセンスで公開するとしている。現在使えるのは、同社プラットフォームの順番待ちリストに登録した一部の利用者に限られる。

Reflection AIは2024年に、Google DeepMind出身のMisha Laskin氏とIoannis Antonoglou氏が設立した。本社はニューヨークのブルックリンにある。NVIDIA、Sequoia Capital、Lightspeedなどが出資しており、調達総額は約46億〜47億ドル、直近の評価額は250億ドルと報じられている(出典:Silicon UK、2026年10月7日、VKTR、2026年10月7日)。

ほかの最新オープンモデルの公開状況は、文書や動画を読むオープンモデルで説明しています。

関連記事オープンソースLLMとは?主要モデルは?

Beamの仕様と学習の規模

項目 内容
構成 スパースMoE、52層。総パラメータ5,010億、1トークンあたり230億が動く
入出力 テキストのみ
コンテキスト長 実効100万トークン(強化学習時の上限は25.6万トークン)
事前学習 23.8兆トークン。NVIDIA GB300を6,144基使い、4週間未満で完了
強化学習 NVIDIA GB300を約1万500基使い、4週間で1億回を超えるロールアウト
ライセンス Apache 2.0(10月中に重みを公開予定)
調整機能 推論の深さを指定するパラメータで、応答の長さと精度のバランスを変えられる

事前学習では、インターネットから集めたトークンの約95%を取り除いたうえで学習に使ったという。強化学習には約100万種類の環境を用意し、大半は合成したものだと説明している。

自社公表のベンチマーク:効率で並び、性能ではKimi K3が上

Reflection AIが強調しているのは最高性能ではなく、推論の効率だ。同社は、高度な推論のベンチマークでZ.ai(智譜AI)のGLM-5.2と同等の結果を、3〜4分の1の推論計算量で出せるとしている。一方で、Moonshot AIのKimi K3のほうが性能そのものは上だと、公式ブログの中で認めている。

ベンチマーク Beam GLM 5.2 Qwen 3.8 Max Kimi K3
SWE Bench Pro v1 65.5 62.1 67.7 未公表
Terminal Bench v2.1 80.1 81.0 86.6 88.3
DeepSWE v1.1 44.4 44.0 51.0 68.0
HLE(ツールなし) 36.2 40.5 43.6 46.9
GPQA Diamond 90.5 91.2 92.6 93.5

このほか、SWE-Bench Verifiedで80.9という数値も公表している。表はReflection AIが公式ブログに載せた数値の一部で、すべて同社による測定だ。計算量の比較も「動くパラメータ数×生成トークン数」による概算で、提供時の実際のコストとは一致しない。Silicon UKは、これらの主張が第三者によって検証されていないと指摘している。重みが公開されれば、外部の評価機関や利用者が同じ条件で確かめられるようになる。

背景:オープンウェイトの上位を中国勢が占めている

Beamの比較相手は、GLM、Qwen、Kimi、DeepSeekといった中国企業のモデルが中心だ。米The Hillは、Andreessen Horowitzの調査として、オープンソースのAIで開発する人の80%が中国製モデルを使っており、その中には米国企業も含まれると伝えている。安価に配布される中国製モデルの広がりを安全保障上の懸念とみる声が米国で出ていることも紹介した(出典:The Hill、2026年10月5日)。

欧米の企業からは、フランスのMistral AIが10月上旬にMistral Large 4を発表している。Windowsがオープンウェイトモデルを標準で扱えるようにした動きは、Windowsのオープンウェイトモデル対応の解説にまとめている。

オープンウェイトモデルを使う利点と、Beamで確認が要る点

オープンウェイトモデルは、重みを入手して自社のサーバーで動かせる。社外に出せないデータを扱う業務や、自社のデータで追加学習させたい用途では、APIだけで提供されるモデルより選びやすい。Apache 2.0は商用利用と改変を認めるライセンスで、条件が比較的ゆるい。

ただし、Beamを今の時点で導入計画に組み込むには、分かっていないことが多い。

  • 重みが未公開:公開は「10月中」とされ、日付は示されていない。Reflection AIはこれまで一度もモデルを公開したことがなく、予定どおりに出るかは実績から判断できない。
  • 必要な機材が大きい:総パラメータ5,010億のモデルを自社で動かすには、複数のGPUを積んだサーバーが要る。必要なメモリ量や量子化版の有無は、技術レポートの公開を待つことになる。
  • 性能が自己申告:ベンチマークは同社の測定で、第三者の結果はまだ出ていない。
  • テキスト専用:画像や音声は直接扱えない。
  • 日本語の性能が不明:公表されたベンチマークに日本語の評価は含まれていない。
  • 安全性の評価が未公表:安全性に関する結果は技術レポートで公表するとしている。

日本企業はどう動けばよいか

自社運用のモデルを検討している企業は、重みと技術レポートが公開されてから評価を始めれば十分だ。それまでに、比較したい業務(社内コードの修正、文書の要約、問い合わせ対応など)と評価用のデータを用意しておくと、公開後すぐに試せる。

評価では、Beamだけでなく、既に重みが公開されているモデルと同じ条件で比べたい。推論の効率が同社の説明どおりなら、同じGPUでさばける処理量が増えるため、費用の見積もりが変わる。日本語の精度は自社のデータで確かめる必要がある。


参考文献

  • Reflection AI「Introducing Beam」(2026年10月5日、10月8日更新)— reflection.ai
  • The Hill「Reflection AI releases Beam model」(2026年10月5日)— thehill.com
  • Silicon UK(2026年10月7日)— silicon.co.uk
  • VKTR「Reflection AI Unveils Beam, a 501B Open-Weight Model」(2026年10月7日)— vktr.com

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監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
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