教育業界が抱える課題

教育DXを推進する上で、教育業界が抱える課題にはどの様なものがあるでしょうか。オンライン授業が行われる様になったことで、顕在化した問題は主に2点「オンライン授業における設備不足」「教育者側の技術不足」があります。
オンライン授業における設備不足
教育業界において、DXを推進する最大の課題と言われているのが、オンライン授業やCBT(コンピューター・ベースド・テスティング)に必要なタブレット等の配備です。
オンラインで授業を行う際、各生徒に対して必ずタブレットもしくはパソコン等のデバイスが必要になります。しかし、そのデバイスを用意するための費用は、学校側にとっても各家庭にとっても負担は小さくありません。また他にも、オンライン授業を行うための、電子黒板や配信機材・インターネット回線・デジタルの教科書等の学校側の設備が必要となります。
教育者側の技術不足
オンラインにおける授業は、教員としてもあまり経験が豊富とはいえず、顔が見えないため慣れない部分が非常に多いです。故に、そのオンライン環境における教員の技術不足が二つ目の理由に挙げられます。
家庭から参加するオンライン授業では、誘惑も多く生徒にとっては別の事に意識を背けやすい環境にあります。故に、視線や注意をコントロールしやすかった教室内における授業よりも、より強い指導力が教員に求められます。そのために必要なのがICT(情報通信技術)。
ICTが必要な理由として、生徒たちの能力を向上させる点があります。情報化が進んだ事により、生徒それぞれの個性に合わせた学習を行う事が可能になり、教育現場でICTの活用によって基礎学力に影響している点も報告されています。
しかし、当然ながらICTを活用した教育には教員に技術や知識が必要となってきます。故に、そのスキルを図るためにICT活用指導力チェックリストというものを、文部科学省では毎年行なっています。
ICT活用指導力チェックリストとは、授業の準備段階や授業後の評価・授業でICTを活用して指導する能力・ネットリテラシーに関して生徒に指導する能力などを、自己採点により評価したもの。このICT活用指導力チェックリストにおいて、教員自身がICTを活用する能力に関する評価は年々上がっているものの、ICTに関して指導する能力に関しては停滞気味となっています。この点においても、教員がオンライン環境における指導する技術が不足しているといえます。