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mistral medium 4は存在しない——現行最新「Medium 3.5」の仕様と選定基準

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「Mistral Medium 4」という名称でたどり着いた読者の多くは、Mistral AIの現行フロンティアモデルがどの世代にあるのかを正確に把握したい、あるいは自社システムへの採用モデルを決定したいという目的を持つはずだ。本記事はその判断に必要な情報に絞って論じる。

結論を先に示す。2026年6月時点において、Mistral AIが「Medium 4」と公式に命名したモデルは存在しない。現行のプレミア・フロンティアモデルはMistral Medium 3.5(2026年5月22日リリース)であり、これがMediumシリーズの最新世代である(出典:Mistral公式ドキュメント、2026年6月8日確認)。「Medium 4」という表記はSERPに断片的に流通しているが、公式に裏付けのある名称ではない。稟議書や技術仕様書には「Mistral Medium 3.5」と記載すること。

Mistral AIの企業概要・ブランド背景についてはMistral AIとは何かで別途まとめている。本記事は「どのモデルを・なぜ選ぶか」という意思決定に集中する。

mistral medium 4は存在しない——現行最新「Medium 3.5」の仕様と選定基準

mistral medium 4という名称が生まれた背景と公式命名体系の整理

Mistral AIのモデル命名は、シリーズ名(Small / Medium / Large)に版番を組み合わせる形式をとる。2026年6月時点の現行ラインナップは次のとおりである(出典:Mistral公式ドキュメント)。

  • Medium系列:Mistral Medium 3.5(v26.04、2026年5月22日)— 現行最新
  • Small系列:Mistral Small 4(v26.03、2026年3月16日)— 現行最新
  • Large系列:Mistral Large 3 / Mistral 3(v25.12、2025年12月2日)— 現行最新

Small 4やLarge 3という整数バージョンが存在するため、「次はMedium 4では」と類推する検索が発生していると考えられる。しかし2026年6月8日時点でMistral AI公式ニュース・公式ドキュメント・モデル一覧のいずれにも「Medium 4」は存在しない。Mistral AIのリリースサイクルは速く、今後の世代更新で同系列の新モデルが登場する可能性は排除できないが、現時点での意思決定にはMistral Medium 3.5を前提とすること。

なお、旧モデルについても整理しておく。Mistral 7BおよびMixtral 8x7Bは2026年半ばにかけて順次レガシー・非推奨扱いとなっており、新規システムへの採用は推奨されない(出典:Mistral公式ドキュメント)。旧「Pixtral」系も独立した現行旗艦としての位置づけではなく、マルチモーダル機能はMedium 3.5・Large 3・Small 4・Ministral 3に本流統合されている。

Medium 3.1 v25.08(前世代) レガシー移行中 Medium 3.5 2026-05-22 リリース 現行旗艦 「Medium 4」は2026年6月時点で公式に存在しない ?
Mistral Mediumシリーズの世代変遷(2026年6月時点)。「Medium 4」は公式に存在しない名称。

Mistral Medium 3.5の主要仕様と導入価値

Mistral Medium 3.5は、Mistral AIが「premier フロンティア・マルチモーダルモデル」と定義する現行旗艦である。エージェント・コーディング用途への最適化を主眼に設計されており、Le Chatの「Vibe」リモートコーディングエージェントを駆動するバックエンドモデルでもある(出典:Mistral AI ニュース、2026年5月22日発表)。

Qiitaの技術レポート(2026年4月のLLMアップデートラッシュを振り返る)によると、Mistral Medium 3.5は128Bパラメータのdenseモデルであり、会話・推論・コーディングを一つのモデルに統合した設計とされている。CodeZineの報道(Mistral AI、新モデル「Mistral Medium 3.5」を発表)は256Kのコンテキストウィンドウと、4基のGPUでのセルフホスティングが可能である点を報じている。

APIコストは入力$1.50・出力$7.50(百万トークン単位)。導入前にmistral.ai/pricing/(2026年6月8日確認)で最新値を必ず確認すること。

主要仕様を整理すると次のとおりである。

  • パラメータ数:128B(dense)
  • コンテキストウィンドウ:256K トークン
  • マルチモーダル:テキスト+画像入力対応
  • 機能:ツール呼び出し・関数呼び出し・エージェントワークフロー対応
  • セルフホスティング:修正MITライセンスでオープンウェイト公開(2026年5月)。4基のGPUで動作可能とされる
  • API単価:入力$1.50 / 出力$7.50(百万トークン)

mistral medium 4(仮)との比較軸——現行モデルで意思決定するための比較表

「Medium 4」の公式情報が存在しない以上、導入判断は現行ラインナップの中で行うほかない。以下の比較表は、Mistral Medium 3.5を軸に現行の主要モデルを並べたものである。料金はすべて2026年6月8日時点(出典:mistral.ai/pricing/)。

モデル名 カテゴリ パラメータ コンテキスト マルチモーダル ライセンス API料金(入力/出力) 主な用途
Mistral Medium 3.5 商用フロンティア 128B(dense) 256K 修正MIT(OW)/ 商用API $1.50 / $7.50 エージェント・コーディング・複雑推論
Mistral Small 4 商用小型 119B総 / 6Bアクティブ 256K 商用API $0.10 / $0.30 大量処理・分類・要約・コスト最小化
Mistral Large 3 OW汎用旗艦 大規模MoE オープンウェイト 要確認 自己ホスト最高性能・データ閉域化
Ministral 3(3B/8B/14B) OW軽量 3B / 8B / 14B Apache 2.0 —(自己ホスト) エッジ・ローカル・完全閉域
Devstral 2 コードエージェント 商用API 要確認 リポジトリ横断の自律的開発

「要確認」の欄は console.mistral.ai で個別確認が必要。Mistral Small 4のパラメータ数は Uravation「Mistral Small 4完全ガイド」より引用(2026年6月時点)。

Mistral Medium 3.5の導入判断基準とコスト試算

Mistral Medium 3.5が適合するのは主に次の三つのシナリオである。

第一に、マルチステップのエージェントワークフローを構築する場合。Le Chatの「Vibe」コーディングエージェントが実証するように、ツール呼び出し・自律的なタスク分解においてMediumシリーズ最高水準の能力を持つ。Uravationの技術解説(Mistral Medium 3.5で変わる開発AI)は、Vibeのリモートコーディングエージェントとの組み合わせによる業務自動化の方向性を示している。

第二に、テキストと画像を組み合わせた推論が業務フローに含まれる場合。マルチモーダル対応は標準機能であり、画像の読み取り・説明・解析を一つのAPIで完結できる。

第三に、単純な分類・要約を超えた複雑な指示理解が必要な場合。256Kのコンテキストウィンドウにより、長文の契約書・技術文書・コードベース全体を一度に投入した推論も可能となる。

一方、以下に該当する用途ではMistral Small 4(入力$0.10・出力$0.30)を先に検討すべきだ。大量の定型タスク処理、FAQへの自動応答、テンプレート埋め込みといった用途では、コストを大幅に抑えながら実用的な品質を維持できる可能性が高い。Uravationのレポートによると、Mistral Small 4は119Bの総パラメータ・6Bのアクティブパラメータ・256kコンテキストを有し、instruct・reasoning・codingを1モデルで統合している(出典:Mistral Small 4完全ガイド)。

APIコストの月次試算例(概算):仮に月間1億トークン(入出力合計)を処理する場合、Mistral Medium 3.5では最大数百ドルのオーダー、Mistral Small 4では数十ドルのオーダーとなる計算になる。実際のコストは処理内容・入出力比率・モデルバージョンによって変動するため、mistral.ai/pricing/の最新値を基に自社のトークン量見積もりと照合すること。

データを外部送出できないセキュリティ要件がある場合は、オープンウェイトのMistral Large 3またはMinistral 3(Apache 2.0、3B/8B/14B)による自己ホストが現実的な選択肢となる。aibiznavi の報道(2026年5月4日AIニュース)は、Mistral Medium 3.5が修正MITライセンスでオープンウェイト公開されたことを報じており、自己ホスト運用のハードルも下がっている。

なお、弊社クリスタルメソッド株式会社が開発するDeepAI(バーチャルヒューマン/AIアバターソリューション)では、リップシンク・表情生成・音声合成・対話AIを組み合わせた接客・研修・面接練習といったシナリオでLLMとの組み合わせ活用を検討している。弊社の実感として、モデル選定においてコスト・レイテンシ・マルチモーダル対応の三要件が実際の評価軸となるケースが多い。

Mistral Medium 3.5を中核としたエージェントワークフローの構成イメージ
Mistral Medium 3.5を中核としたエージェントワークフローの構成イメージ

Le ChatとAPIの課金構造——稟議で混同しやすいポイント

Mistral AIには消費者向けサブスクリプション「Le Chat」と開発者向け「API(la Plateforme)」の二系統が存在し、課金が完全に独立している。稟議書に「Mistral Pro $20/月」と誤記されるケースが散見されるが、Le Chat Proの正確な月額は$14.99(約2,200円)であり、$20はChatGPT PlusやClaude Proの価格である。Le Chat ProにはAPIクレジットは含まれない(出典:mistral.ai/pricing/、2026年6月8日確認)。

プラン 月額(USD) 主な内容 APIクレジット含む
Le Chat Free $0 Web検索・画像生成・コーディングセッション(上限あり) ×
Le Chat Pro $14.99 Vibeフルアクセス・終日コーディング・長時間タスク ×
Le Chat Team $24.99/ユーザー チームワークスペース・最大30GBストレージ・ドメイン検証 ×
Le Chat Education $5.99 認定高等教育機関在籍学生向け・12か月有効 ×
Le Chat Enterprise 個別見積もり カスタムモデル・監査ログ・SAML SSO・ホワイトラベル 要確認
API(la Plateforme) 従量課金 console.mistral.ai経由・モデルごとに単価が異なる —(Le Chatとは別請求)

料金は2026年6月8日時点、USD基準。円換算は参考値。出典:mistral.ai/pricing/

API利用の無料枠や初回セットアップの詳細についてはMistral AIの無料プランを徹底解説を参照されたい。LLMを活用した業務高度化の背景にある技術潮流についてはAIシンギュラリティの概説も参考になる。製造業における具体的なAI活用の文脈では製造業へのAI導入、金融領域では金融業界のAI活用も導入判断の補助資料として活用できる。

導入判断の結論——Medium 3.5・Small 4・オープンウェイトの使い分け

三つの選択軸を一文で整理すると次のとおりである。

  • 複雑なエージェントタスク・マルチモーダル推論が中心要件 → Mistral Medium 3.5(入力$1.50 / 出力$7.50)
  • 大量処理・コスト最小化が優先 → Mistral Small 4(入力$0.10 / 出力$0.30)
  • データを閉域内に完全収容する必要がある → Mistral Large 3またはMinistral 3(Apache 2.0)による自己ホスト

「mistral medium 4」という名称は現時点で公式に存在しないが、Mistral AIのリリースサイクルは速く、今後の更新で同系列の新世代モデルが登場する可能性は十分にある。導入前後を問わず、Mistral公式ドキュメントのモデル一覧を定期確認する体制を整えることが、長期的な選定リスクを低減する。最新モデルラインナップの全体像についてはMistral AIとは何かも参照されたい。

弊社クリスタルメソッド株式会社が開発するDeepAI(バーチャルヒューマン/AIアバターソリューション)では、接客・研修・面接練習といったシナリオにおけるLLMとの組み合わせ活用を継続的に模索している。モデル選定の技術的な相談や、AIシステム構築の検討に際してはお気軽にお問い合わせいただきたい。

AIの業務活用・導入をご検討の方へ

クリスタルメソッドは、各種LLM・ローカルAI・RAG・AIアバターを活用した業務へのAI導入を支援しています。「自社の業務でどう使えるか」をまずはお気軽にご相談ください。

参考文献

監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
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