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2025年初めのAI調査機能は、2026年10月までにどう進んだか

2025年2月前後に登場したGPT-4.5、Grok 3、OpenAIのDeep Researchは、AIが自分でWebを調べてレポートを作る流れの始まりでした。本記事は、その話が2026年10月時点でどこまで進んだかを、各社の公式ページと報道で確認できた範囲だけで整理します。

結論として、調査エージェントは主要各社の機能になり、外部データ接続(MCP)、調査計画の事前確認、図表付きレポートまで広がりました。一方で、誤情報、機密情報の扱い、費用という注意点は、2025年の時点から変わっていません。

2025年初めの状況:何が登場したのか

2025年2月は、調査を担うAIの機能が相次いで発表された時期です。

  • OpenAI Deep Research(2025年2月3日):Data Science Dojoによると、ChatGPT向けに正式公開され、当初はPro契約者が対象でした。o3の特化版で動き、調査に最長30分ほどかかるとされています。
  • Grok 3(2025年2月19日):xAIの発表(xAI)で、Grok 3は初期プレビューとして紹介されました。同発表は「DeepSearch」を、人類の知識全体で役立つよう作られた高速なAIエージェントと説明しています。
  • GPT-4.5(2025年2月27日):@ITによると、米国時間2月27日にリサーチプレビューとして公開され、最初の対象はChatGPT Proのユーザーと開発者でした。
  • ClaudeのResearch(2025年4月15日):Anthropicの発表(Claude公式ブログ)では、Max、Team、Enterpriseの各プランで、米国・日本・ブラジル向けの早期ベータとして始まりました。

当時から弱点も指摘されていました。Data Science Dojoは、Deep Researchが事実の捏造や噂の混入を起こしうるため、重要な判断では人による確認が必要だと書いています。

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2026年10月時点までの発展

ここからは、2026年10月時点で公式ページや報道を開いて確認できた変化です。製品名や版は各社が頻繁に更新するため、導入前に必ず最新の公式ページを確認してください。

OpenAI:レポートの見やすさと調査範囲の指定

2026年2月13日の報道(Let’s Data Science)によると、ChatGPTのDeep Researchには、レポートをチャットから分けて表示する全画面ビューアが加わりました。左に目次、右に出典が並び、Markdown、Word、PDFで保存できます。調査対象を特定のサイトや連携アプリに絞ることもできます。MobiGyaan(2026年2月11日)は、この更新でDeep ResearchがGPT-5.2で動くようになり、対応アプリとの接続や、調査対象のサイト・期間の絞り込みができるようになったと伝えています。Wikipediaは、MCPサーバー経由の追加データ接続も加わったと記しています。利用枠は2025年4月の時点で、Plus等が月25回、Proが月250回、無料が月5回でした(同Wikipedia)。現在の枠はプランで異なるため、公式のヘルプで確認が必要です。なお、OpenAIの公式ページは今回403で開けず、上記は報道とWikipediaに基づきます。

Anthropic:Researchが有料プラン全般へ

Claudeのヘルプセンターによると、Researchは有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)で、Web、デスクトップ、モバイルから使えます。利用にはWeb検索をオンにする必要があります。Claudeは検索を重ね、各回の結果を次の検索に反映し、数分で回答します。Google Workspace(Gmail、カレンダー、ドキュメント)を接続していれば、それも調べます。ヘルプは、Researchが通常のチャットより早く利用上限を消費しうることも注意しています。

Google:APIで使える調査エージェントに

Googleは2026年4月21日、Gemini 3.1 Proを土台にした「Deep Research」と「Deep Research Max」を、Gemini APIの有料枠で公開プレビューとして始めたと発表しました(Google公式ブログ)。前者は速度と効率、後者は網羅性と統合の質を重視した構成です。新機能として、MCP対応、図表の自動生成、実行前の調査計画の確認と修正が挙げられています。2025年12月のプレビュー版を置き換えるものです。開発者向けの公式ドキュメントでは、利用はInteractions API経由で、background=trueの指定が必要であり、現在もプレビューだと書かれています。

xAI:APIのWeb検索ツールと現行モデル

xAIのモデル一覧では、2026年10月時点で「grok-4.7」が、コードを含むその他の用途に推奨されるモデルとされ、入力は100万トークンあたり2.00ドル、出力は6.00ドル(プロンプトが20万トークン未満の場合)です。検索ツールの資料は、Web Searchツールを、Grokがリアルタイムにウェブを検索しページを閲覧するための機能と説明しています。X(旧Twitter)の検索ツールの価格は、今回開いたページでは確認できませんでした。

変化の整理

2025年初めは、有料契約者向けの目玉機能が中心でした。2026年10月時点では、(1)ChatGPT、Claude、Geminiが調査機能を持ち、(2)GoogleとxAIはAPIから業務システムに組み込める形で提供し、(3)外部データ接続(MCP)と、調査範囲・計画の人による指定が加わっています。調査が「一回の質問と回答」から「計画、実行、レポート」の工程になった、と言えます。

【関連情報のご案内】
AIを活用したデータ分析やテキスト情報の処理技術については、以下の解説記事も参考にしてください。

2026年10月時点の主な選択肢(公式ページ等で確認できた範囲)

提供元 機能・確認できた内容 利用形態(確認できた範囲)
OpenAI
ChatGPT Deep Research
全画面のレポートビューア、Markdown/Word/PDF保存、調査対象サイトの指定(2026年2月の報道) プランにより利用枠が異なる。詳細は公式ヘルプで要確認
Anthropic
Claude Research
検索を重ねる調査、Google Workspace連携(公式ヘルプ) Pro、Max、Team、Enterprise。Web検索のオンが必要
Google
Deep Research / Max
Gemini 3.1 Pro、MCP、図表生成、実行前の計画確認(2026年4月21日の公式ブログ) Gemini APIの有料枠、公開プレビュー。推論は標準のGemini料金で課金(公式の料金ページ)
xAI
Grok API
grok-4.7、Web Searchツール(公式ドキュメント) API。grok-4.7は入力2.00ドル、出力6.00ドル/100万トークン(20万トークン未満)

Googleの料金ページでは、Gemini 3.1 Pro Previewは入力が100万トークンあたり2.00ドル、出力は12.00ドル(いずれもプロンプト20万トークン以下)です。Deep Researchは、モデル推論を標準のGeminiの料金で請求し、ツール利用は各ツールの料金で課金されると書かれています。一般向けプランの月額料金は、今回の確認では扱っていません。

変わらない注意点

誤情報(ハルシネーション)と裏取り

調査エージェントが進歩しても、出力の確認は不要になっていません。2025年2月の時点で、Deep Researchは捏造や噂の混入があり、重要な判断では人の確認が必要と指摘されていました(Data Science Dojo)。出典付きのレポートであっても、市場規模や競合の財務数値は、官公庁の統計や決算書などの一次情報で確かめる必要があります。これは筆者の意見であり、各社が誤りの率を保証しているわけではありません。

情報漏えい

競合分析には自社の戦略や顧客情報を入力したくなりますが、入力データの扱いは契約形態や設定で異なります。2026年10月時点の各社の規約は、今回は個別に確認していません。導入前に、利用するプランの規約と、学習への利用の有無、管理者設定を必ず確認してください。MCPやGoogle Workspaceの連携は、AIが読める範囲を広げるため、接続先の権限を最小限にすることが大切です。

費用と利用枠

調査エージェントは、複数回の検索と長い推論を行うため、費用がかさみやすい機能です。Anthropic Engineeringの技術記事(2025年6月13日公開)は、複数エージェントのシステムが通常のチャットの約15倍のトークンを使うと書いています。Claudeのヘルプも、Researchが利用上限を早く消費しうると述べています。API利用では、トークン単価に加え、検索などのツール費用が別にかかる点に注意が必要です。

日本企業の実務への示唆

ここからは事実ではなく、確認できた変化を踏まえた筆者の意見です。

1. 目的の定義分析フレームワークの策定必要な情報の明確化2. AIによる自動化自律型AIでのデータ収集初期レポートの自動生成3. 人間による検証一次情報との突き合わせ戦略的意思決定の実行
図:調査エージェントを使った競合分析の進め方(筆者の整理)
  1. 問いと範囲を人が決める:Googleのように調査計画を実行前に直せる機能が増えたため、3C分析やSWOTなどの枠組みと、調べる競合・対象サイトを先に決めておくと、結果を点検しやすくなります。
  2. 小さな調査から始める:費用と利用枠が読みにくいため、まず1つの競合や1つのテーマで試し、かかった時間と費用を記録します。
  3. 出典を開いて確認する:レポートの数字は、出典のURLを開いて一次情報と照合します。特に価格、日付、製品名は更新が速いため、レポートの日付を確認してください。
  4. 入力する情報を分ける:公開情報の調査と、自社の機密を含む分析を分け、後者は規約と設定を確認した環境でのみ行います。

【技術理解を深めるための関連記事】
AIの仕組みや高度な分析技術について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

まとめ

2025年2月のGPT-4.5、Grok 3、Deep Researchは、調査を担うAIの入り口でした。2026年10月時点では、OpenAI、Anthropic、Googleがそれぞれ調査機能を提供し、MCP連携、調査範囲や計画の指定、図表付きのレポートへと広がっています。ただし、Googleのエージェントはまだプレビューで、製品名や料金は変わりやすい状況です。

便利になった分、裏取り、機密の扱い、費用の管理は、利用者側の仕事として残ります。AIを調査の下準備を担う道具と位置づけ、最終判断は人が行う、という分担が現実的です。

〈参考文献〉

監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
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