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Claude Codeの/clearとは?使い方と使うタイミングをcompactとの違いも解説
文:クリスタルメソッド編集部 監修:河合 継(代表取締役)
Claude Codeの/clearは、空の文脈で新しい会話を始めて仕切り直すコマンドです。直前まで議論していたファイルの内容やデバッグの文脈は新しい会話に引き継がれない(前の会話は消えず /resume で戻れる)が、CLAUDE.mdに書き込んだプロジェクトのルールやAuto memoryの記憶は消えずに残ります。似た働きを持つ/compactとの違いや、どのタイミングで打つと事故を防げるかを、このページで順に解説します。
結論から言うと、/clearは「会話の記憶だけをリセットしたいとき」に使うコマンドで、CLAUDE.mdやプロジェクトのファイル自体を消すコマンドではありません。この区別を取り違えると、消えてほしくない設定まで失われたと勘違いしたり、逆に消しておきたかった古い文脈を残したままタスクを続けてしまったりします。以下では/clearと/compactそれぞれの動作原理、使い分けの基準、そして実際の開発現場でのワークフローを具体的に見ていきます。

Claude Codeのコンテキスト管理が重要な理由
Claude Codeを本番的なコーディングタスクに使い始めると、遅かれ早かれ「コンテキストウィンドウの上限」という壁に直面します。Claude Codeの公式ドキュメント(Explore the context window)の代表値では、セッション起動時点でシステムプロンプトに約4,200トークン、Auto memoryに最大680トークン、環境情報に約280トークンが消費される例が示されています(実際は /context で確認)。大規模リファクタリングや複数ファイルにまたがる実装を続けると、残りの有効コンテキストは想像以上に早く枯渇します。
コンテキストが飽和した状態で作業を続けると、モデルは会話の冒頭に書いたアーキテクチャ上の制約や変数命名規則を「忘れた」ように振る舞い始めます。その結果、レビューコストが増大し、修正ループが長くなります。/clear と /compact の使い分けを正確に理解することは、AIエージェントの実用効率を左右する設計上の判断です。
なお、Claude Codeの基本的なインストール手順や料金体系については、Claude CodeインストールガイドおよびClaude Code料金・プランの解説を参照してください。
/clearで文脈を消して前の作業へ戻りたいときは、Claude Code resumeの使い方で説明しています。
/clear・/compactの動作原理と使い分けの基本
Claude Codeには主に2つのコンテキスト操作コマンドがあります。それぞれの動作を実装レベルで理解しておくことが、適切な使い分けの前提になります。
/clear — 完全リセット


/clearは空の文脈で新しい会話を始めます(別名 /reset・/new)。前の会話でやり取りしたファイルの内容、デバッグの文脈、変数名の議論など、セッションで蓄積された情報は新しい会話に引き継がれません(前の会話は /resume で戻れます)。次のターンからコンテキストはゼロ(システムプロンプト+Auto memory+環境情報のみ)に戻ります。
使いどきは「タスクの完全な切り替え」時です。認証モジュールのリファクタリングが完了し、次は全く関係のない決済APIのインテグレーションに移るといった場面では、前の会話内容を引き継ぐ価値がありません。それどころか、無関係な情報がコンテキストを圧迫し、モデルの判断を歪める可能性があります。
/compact — 要約圧縮


/compactは会話履歴を要約してコンテキストを圧縮します。作業の流れ・決定事項・直近の変更点などの「エッセンス」は残しつつ、詳細なやり取りのターン数を削減する仕組みです。コンテキストウィンドウが上限に近づいたとき、Claude Codeは自動的にcompactを実行する(自動compact)ため、手動での実行と合わせて理解しておく必要があります。
なお、公式ドキュメントによれば、スキルの説明リスト(Skill descriptions)は/compact後に作り直して再注入される(v2.1.304以降)。呼び出したスキルの本文は1スキル5,000・合計25,000トークンまでしか再注入されないため、スキル機能を多用している環境では/compact後の挙動に注意が必要です。
/compactに任意のメッセージを添えることで、要約に含めてほしい情報を明示できます。例えば:
/compact 認証フローの変更点とエラーハンドリングの決定事項を必ず保持してくださいこのように要約対象を指定することで、重要な設計判断が圧縮によって失われるリスクを下げられます。
使い分けの判断フロー
| 状況 | 推奨コマンド | 理由 |
|---|---|---|
| 別機能・別モジュールへの完全切り替え | /clear |
前の文脈が不要かつコンテキストを汚染する |
| 同一タスクの継続中にコンテキストが逼迫 | /compact |
作業の文脈(決定事項・差分)を保持したまま容量を回復 |
| バグ修正など短時間で完結するタスク | 継続(操作不要) | コンテキストに余裕がある場合は操作不要 |
| 長大なリファクタリングの途中(数十ターン経過) | /compact + 指示付き |
要約対象を明示して設計判断を保全 |
| 別の開発者・別ワークツリーへの引き継ぎ | /clear + CLAUDE.md更新 |
永続化すべき情報はCLAUDE.mdへ移動してからリセット |
スラッシュコマンド全般の一覧と動作については、Claude Codeスラッシュコマンド解説も参照してください。
次に読む:Claude Codeの便利コマンドは?
CLAUDE.mdとAuto memoryによる永続コンテキスト設計
公式ドキュメント(How Claude remembers your project)によれば、Claude Codeのメモリ機構は「CLAUDE.md」と「Auto memory(MEMORY.md)」の2系統に分かれます。どちらも毎セッション起動時に自動でコンテキストへ読み込まれます。
CLAUDE.md — 人間が書く永続指示
CLAUDE.mdはマークダウン形式のファイルで、プロジェクト・ユーザー・組織の各スコープに配置できます。コーディング規約、アーキテクチャ上の制約、禁止事項などを記述しておくと、/clearでセッションをリセットしても指示が失われません。
CLAUDE.mdの記述で重要なのは「具体的かつ簡潔」であることです。公式ドキュメントは「the more specific and concise your instructions, the more consistently Claude follows them」と明記しています。長大な文章をそのまま書き込むと、起動時のコンテキスト消費量が増えるだけでなく、重要な指示がモデルに埋もれます。
また、.claude/rules/ディレクトリを使えば特定ファイル種別にルールをスコープできます。たとえば.claude/rules/tests.mdにはテストファイル用の規約のみを記載し、それ以外のファイル編集時は読み込まない、という構成が可能です。これにより毎回読み込まれる不要なトークンを削減できます。
Auto memory — Claudeが自律的に書くメモ
Auto memoryはClaude自身が前のセッションの学習・パターンをメモとして書き込む仕組みで、リポジトリごとに保持されます。公式ドキュメントによれば、最初の200行または25KBのどちらか先に達した方がコンテキストへ読み込まれます。ビルドコマンド、デバッグで発見したパターン、ユーザーの修正から学んだ好みなどが自動蓄積されます。
CLAUDE.mdとAuto memoryを組み合わせることで、/clearの完全リセット後も「プロジェクト固有の知識」を維持できます。これが「コンテキストを捨てても知識は残す」という設計の核心です。
| 項目 | CLAUDE.md | Auto memory |
|---|---|---|
| 書き手 | エンジニア(人間) | Claude(AI) |
| 内容 | コーディング規約・アーキテクチャ方針・禁止事項 | ビルドコマンド・発見したパターン・修正履歴 |
| スコープ | プロジェクト / ユーザー / 組織 | リポジトリ単位(ワークツリー間で共有) |
| 読み込み上限 | ファイルサイズ次第 | 最初の200行 または 25KB |
| /clear後の保持 | 保持される | 保持される |
| /compact後の保持 | 保持される(再注入) | 保持される(再注入) |
Claude Code・AIエージェントの業務導入をご検討の方は、自社での開発実例を公開しているクリスタルメソッドの無料相談をご利用ください。
コンテキスト管理の実践的なワークフローとトレードオフ
自動compactの挙動を把握する
コンテキストウィンドウが上限に近づくと、Claude Codeは自動的に/compactを実行します。これはエンジニアが手動で介入しなくても動作する安全網として機能するが、タイミングによっては作業の流れが意図せず途切れる原因にもなります。
自動compactが連続して発生する「スラッシング」は、特に大量のファイルを一度に読み込む操作(広範なgrepや全ファイルインポートなど)で起きやすいです。公式のTroubleshootingドキュメントでもこのスラッシングが安定性問題として言及されています。対策としては、.claude/rules/でファイル種別を絞り込むか、ファイル読み込みを必要最小限にとどめるよう指示をCLAUDE.mdに記載しておくことが有効です。
エージェントループとコンテキストの関係
公式ドキュメント(How the agent loop works)によれば、エージェントは「プロンプト受信 → ツール呼び出し → 結果取得 → 繰り返し」というループで動作します。ツール呼び出しの結果(ファイル読み込み内容、テスト実行結果など)はすべて会話履歴として蓄積されます。
大規模タスクでは「数十回のツール呼び出し」が発生し得るため、コンテキストは急速に膨張します。自律エージェントに長大なタスクを任せる場合は、作業を小フェーズに分割し、フェーズ完了ごとに/compactまたは/clearを挟む設計が推奨されます。
CLAUDE.mdの品質がコンテキスト効率を左右する
冗長なCLAUDE.mdは起動コストを無駄に増やします。実際の運用では以下の点を意識して記述を整理することが重要です。DeepAI(実在の人物の容姿・表情・声を再現するバーチャルヒューマン/AIアバター製品)の開発においても、コーディング規約やプロジェクト固有の制約をCLAUDE.mdに集約することで、セッションをまたいだ一貫性を維持できています。特に、形状が不定の対象物(ソファ等)の画像分類タスクに関する前提条件を記述しておくと、新規セッションでも背景知識の再説明が不要になります。
限界とデメリットを直視する
CLAUDE.mdとAuto memoryはあくまでコンテキストへの読み込みであり、動作を強制するわけではありません。公式ドキュメントは「Claude treats them as context, not enforced configuration」と明示しています。ツール呼び出しを強制的にブロックするにはPreToolUse hookを使う必要があり、CLAUDE.mdの指示だけでは制御しきれない場面があります。
/compactによる要約は情報の損失を伴います。特に細かいデバッグの経緯や「なぜこのアプローチを選んだか」という意思決定の背景は要約で消えやすいです。重要な設計判断はcompactの前に手動でCLAUDE.mdへ転記するか、コミットメッセージや設計ドキュメントとして外部に残す習慣が必要です。
Claude Code全体の使い方や実装パターンについては、Claude Codeの使い方ガイドも合わせて確認してください。また、他のAIコーディングツールとの比較についてはClaude CodeとCursorの比較を参照してください。
実運用での/compactと/clearの回し方(一次情報)
当メディアの監修者・河合継はClaude Codeを2025年2月の公開(Claude 3.7 Sonnetと同時)以降、実務で日次運用してきました。コンテキスト管理は機能の理解以上に「回す癖」で差がつきます。
- 話題が変わったら迷わず
/clear。別の作業に移るときに前の文脈を引きずると、誤参照と無駄なトークン消費の両方が起きます。「区切り=clear」を反射にすると、精度もコストも安定しました。 - 同じ作業を続けたいときだけ
/compact。文脈は保ちたいが履歴が重い、というときにcompactで要約圧縮します。clearとcompactは「捨てる/畳む」の使い分けで、目的が違うと意識するのが第一歩です。 - 長く続くほど精度は落ちる前提で設計します。セッションは短く区切るほど安定します。「一つの会話で全部やりきる」より、こまめに区切って必要な結論だけを持ち越すほうが、結果的に速くて安かったです。
コンテキスト管理を組み込んだ推奨ワークフロー
以下は、中〜大規模の実装タスクで使える実践的なワークフローです。/clear と /compact の使い分けの原則をそのまま手順に落とし込んでいます。
ステップ1: セッション開始前のCLAUDE.md確認
作業開始前にCLAUDE.mdを確認・更新します。前回のセッションで判明したアーキテクチャの制約や今回のタスクで守るべき規約を明記しておきます。Auto memoryは自動で読み込まれるため意識する必要はないが、200行を超えていないか定期的に確認します。
ステップ2: フェーズ分割と中間compact
タスクを「調査」「設計」「実装」「テスト」などのフェーズに分割します。各フェーズの完了時に/compact 〈このフェーズの決定事項を保持してください〉を実行し、コンテキストを圧縮しながら次フェーズへ移ります。
ステップ3: タスク完了後のclearと記録
タスク完了後は重要な設計判断をCLAUDE.mdまたは外部ドキュメントへ移動し、/clearで次のタスクへクリーンな状態で移行します。「コンテキストは消耗品、知識は資産」という分離が持続可能な運用の要点です。
コンテキスト消費の目安
| 操作・要素 | おおよそのトークン数 | 備考 |
|---|---|---|
| システムプロンプト(代表値) | 約4,200 | 毎セッション必ず消費 |
| Auto memory読み込み | 最大約680(例示値) | 200行 or 25KB上限 |
| 環境情報 | 約280 | OS・gitブランチ等 |
| MCP toolリスト(deferred) | 約120 | スキーマは必要時にのみ展開 |
| 標準的なソースファイル1本 | 500〜3,000(ファイルサイズ依存) | ファイル読み込みは積み上がる |
| /compact後の残存(目安) | 公式に記載なし(/contextで確認) | 要約品質はメッセージ付きで向上 |
APIコストとトークン消費の詳細についてはClaude Code APIの料金体系も参照してください。
よくある質問
Q. /clearコマンドは何をしますか?
A. 空の文脈で新しい会話を始めます。前の会話でやり取りしたファイルの内容やデバッグの文脈など、セッションで蓄積された情報は新しい会話に引き継がれません(前の会話は/resumeで戻れます)が、CLAUDE.mdの指示やAuto memoryの記憶は消えずに残ります。
Q. /compactコマンドは何をしますか?
A. 会話履歴を要約してコンテキストを圧縮します。作業の流れ・決定事項・直近の変更点などのエッセンスは残しつつ、詳細なやり取りのターン数を削減する仕組みです。コンテキストウィンドウが上限に近づくとClaude Codeが自動的に実行することもあります(自動compact)。
Q. /clearと/compactはどう使い分ければよいですか?
A. 別機能・別モジュールへの完全切り替え時は/clear、同一タスク継続中にコンテキストが逼迫した場合は/compact、バグ修正など短時間で完結するタスクは操作不要、長大なリファクタリング途中は指示付きの/compact、別の開発者・ワークツリーへの引き継ぎ時はCLAUDE.md更新後に/clear、が目安になります。
Q. CLAUDE.mdとAuto memoryはどう違いますか?
A. CLAUDE.mdはエンジニア(人間)が書くマークダウン形式のファイルで、コーディング規約・アーキテクチャ方針・禁止事項を記述します。Auto memoryはClaude自身が前セッションの学習・パターンをメモとして自律的に書き込む仕組みで、最初の200行または25KBのどちらか先に達した方がコンテキストへ読み込まれます。
Q. /compact後もスキルの説明リストは再注入されますか?
A. されます。公式ドキュメントによれば、スキルの説明リスト(Skill descriptions)は/compact後に今のスキル構成から作り直して再注入されます(v2.1.304以降)。呼び出したスキルの本文は1スキル5,000トークン・合計25,000トークンまで再注入されます。
Q. セッション起動時点でコンテキストウィンドウはどれくらい消費されていますか?
A. 公式ドキュメントの代表値(シミュレーション)では、システムプロンプトに約4,200トークン、Auto memoryに最大680トークン、環境情報に約280トークンが消費される例が示されています。実際の値は/contextで確認できます。
Q. 自動compactの「スラッシング」とは何ですか?
A. 自動compactが連続して発生する現象で、特に大量のファイルを一度に読み込む操作(広範なgrepや全ファイルインポートなど)で起きやすいです。公式のTroubleshootingドキュメントでも安定性問題として言及されています。
Q. CLAUDE.mdやAuto memoryの指示は動作を強制しますか?
A. 強制しません。公式ドキュメントは「Claude treats them as context, not enforced configuration」と明示しており、ツール呼び出しを強制的にブロックするにはPreToolUse hookを使う必要があります。
まとめ: 使い分けの原則と次の行動
Claude Codeの/clearと/compactは、それぞれ「完全リセット」と「圧縮継続」という異なる役割を持ちます。判断基準は単純で、「前の文脈が次のタスクに価値をもたらすか否か」です。価値があれば/compactで保持、ないなら/clearで清潔にします。
一時的なセッションコンテキストと永続的な知識資産(CLAUDE.md・Auto memory)を意図的に分離することが、長期にわたる開発生産性を支える設計上の要点になります。特にチーム開発では、CLAUDE.mdをバージョン管理に含めることで、組織的なコンテキスト管理が実現できます。
Claude Codeの全体像・スラッシュコマンドの網羅的な一覧については、Claude CodeとはおよびClaude Code入門ガイドを参照してください。
クリスタルメソッドが開発するDeepAIは、実在の人物の容姿・表情・声を再現するバーチャルヒューマン/AIアバター製品です。ソファなど形状が不定の対象物の画像分類(正常・異常判定)も実装しており、実際の開発においてClaude Codeとコンテキスト管理ベストプラクティスを積極的に活用しています。AIを活用した開発・画像解析の導入をご検討の際はお気軽にご相談ください。
利用できるモデルも更新が続いており、2026年10月時点の現行はFable 5.1・Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5の4つです。
参考文献
- Anthropic公式: How Claude remembers your project — https://code.claude.com/docs/en/memory.md
- Anthropic公式: Explore the context window — https://code.claude.com/docs/en/context-window.md
- Anthropic公式: How the agent loop works — https://code.claude.com/docs/en/agent-sdk/agent-loop.md
- Anthropic公式: Troubleshooting — https://code.claude.com/docs/en/troubleshooting.md
- デジタル庁: 政府等保有データのAI学習データへの変換に係る調査研究(2025年6月)— https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/information/field_ref_resources/382c3937-f43c-4452-ae27-2ea7bb66ec75/2ae5ae1b/20250602_news_ai-training-data_report_01.pdf
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クリスタルメソッドは、Claude Codeを日々の業務で使いながら、AIエージェント・社員AIの導入と開発効率化を支援しています。自社サイトの表示速度をAI社員(Claude Code)で12.89秒→2.03秒に短縮した実例も事例記事として公開しています。「自社の開発・業務にAIをどう組み込むか」といったご相談を承っています。
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