blog
AIブログ
Claude Code Bedrockで動かす設定完全ガイド【2026年版】

Claude Code × Amazon Bedrockを選ぶ理由とトレードオフ
Claude Codeをチームで使いたい。しかしAnthropicへの直接API接続では、APIキーの管理・コスト按分・プロンプトの監査ログが別途必要になる。こうした運用上の課題を、既存のAWSインフラで解決できるのがAmazon Bedrock経由の接続だ。
Bedrock経由を選ぶ最大の利点は、AWS SDK標準の認証チェーンとIAMロールがそのまま利用できることにある。CloudTrailによる呼び出しログ、SCPによる操作制限、AWS Organizationsと連携したコスト管理など、エンタープライズが既に構築したAWSガバナンスがClaude Codeにそのまま適用される。総務省AIセキュリティ分科会にAWSジャパンが提出した資料「AWSの生成AIサービスとセキュリティ対策」(soumu.go.jp掲載)でも、Bedrockの推論では顧客データが一切記録されないこと、VPC・AWS PrivateLink経由の閉域利用構成が示されており、セキュリティポリシーが厳しい組織での採用理由になりやすい(出典:soumu.go.jp)。
ただし制限も明確だ。公式ドキュメントが明記する主な制約を先に把握しておく。
/logoutコマンドは使用不可(認証はAWS側が管理)- WebSearchツールは利用不可
- Converse APIは非対応(Invoke APIを使用)
- プロンプトキャッシュは一部リージョンで非対応
これらを踏まえた上で設定に進む。Claude Codeそのものの概要や料金体系については Claude Code 総合ガイド および Claude Code APIの料金体系 を参照のこと。
Claude Code Bedrock:環境変数による手動設定
最も汎用性が高く、CI/CDパイプラインへの組み込みにも向いた設定方法が環境変数による手動設定だ。公式ドキュメント(code.claude.com/docs/en/amazon-bedrock)が示す最小構成は次の2行である。
export CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1
export AWS_REGION=us-east-1
リージョンの解決順序にはバージョン依存がある。v2.1.172以降では、AWS_REGION環境変数 → AWS_DEFAULT_REGION → AWSプロファイル → デフォルト(us-east-1)の順で解決される。AWSプロファイルにリージョンを設定済みであればAWS_REGIONの明示は不要だ。現在の接続状態は/statusコマンドで確認できる。
認証はAWS SDKの標準チェーンをそのまま利用する。aws configureで設定した長期クレデンシャル、環境変数(AWS_ACCESS_KEY_ID/AWS_SECRET_ACCESS_KEY)、SSOプロファイル(aws sso login)、Bedrock専用APIキー(AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK)のいずれも動作する。
SSOを使う環境でセッション切れが問題になる場合は、設定ファイルに以下を追加することで自動更新の挙動を制御できる。
awsAuthRefresh:期限切れ時のみ再認証を実行awsCredentialExport:セッション開始のたびにクレデンシャルをエクスポート
GUIによるセットアップを好む場合は、claudeを起動して表示されるログインウィザードで「3rd-party platform」→「Amazon Bedrock」を選択する経路もある。設定内容はuser settingsの環境変数に自動保存され、再設定が必要になった際は/setup-bedrockスラッシュコマンドから呼び出せる。スラッシュコマンドの詳細は Claude Code スラッシュコマンド解説 を参照のこと。
モデルピンとMantle:チーム展開で見落としやすい設定
個人開発環境では動くのにチームに展開すると挙動が変わる、という問題の大半はモデルピン(モデルIDの固定)の欠如に起因する。公式ドキュメントはチーム展開時のモデルピンを「必須」と明記している。
export ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODEL='us.anthropic.claude-opus-4-8'
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL='us.anthropic.claude-sonnet-4-6'
export ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL='us.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0'
プレフィックスのus.はクロスリージョン推論プロファイルを指す。AWSのGovCloud環境ではus-gov.に置き換える。モデルピンを行わない場合のデフォルトprimaryモデルはus.anthropic.claude-sonnet-4-5-20250929-v1:0だが、Anthropicがモデルデフォルトを更新したタイミングで意図しない切り替えが発生するため、プロダクション利用では必ずピンを打つべきだ。
1Mトークンコンテキストを利用したい場合、Sonnet 5・Opus 4.6以降・Sonnet 4.6はBedrockで1M対応している。それ以外のモデルはモデルIDの末尾に[1m]サフィックスを付けることで有効化できる。
Mantleはv2.1.94から利用可能なBedrockのネイティブAnthropic API形状エンドポイントだ。有効化はCLAUDE_CODE_USE_MANTLE=1の1行で済み、接続確認は/statusで「Amazon Bedrock (Mantle)」と表示されることで判別できる。MantleではモデルIDがバージョンサフィックスなしの形式(例:anthropic.claude-sonnet-5)になる点に注意が必要で、通常のInvoke APIと同時に設定することも可能だ。Sonnet 5はMantle経由で常時1Mコンテキストが利用できる。
IAM権限設定と運用上の注意点
Bedrock経由でClaude Codeを動かすIAMには最低限以下のアクションが必要だ。
bedrock:InvokeModelbedrock:InvokeModelWithResponseStreambedrock:ListInferenceProfilesbedrock:GetInferenceProfile- AWS Marketplaceサブスクリプション(条件付きで必要)
初回利用時はBedrockのモデルカタログからuse case formの提出が必要で、通常は即時許可される。AWS Organizationsを使う組織では、管理アカウントからPutUseCaseForModelAccess APIで一括許可が可能だ。
コスト管理については、公式ドキュメントがClaude Code専用のAWSアカウントを用意することを推奨している。これはコスト可視化・予算アラート・SCPによる操作制限を明確にするためであり、既存の本番アカウントに混在させるとコスト配賦が難しくなる。料金はAWS Bedrock側の従量課金が適用され、AnthropicのサブスクリプションとBedrock利用料は完全に独立している(詳細:aws.amazon.com/bedrock/pricing/)。
Guardrails(入出力フィルタリング)を適用する場合はANTHROPIC_CUSTOM_HEADERSにGuardrail IDとバージョンを設定する。サービス階層はANTHROPIC_BEDROCK_SERVICE_TIERでdefault / flex / priorityから選択できる。
以下の比較表はAnthropicダイレクト・Bedrock・Mantleの主要な差異をまとめたものだ。接続方式の選定に活用してほしい。
| 項目 | Anthropic直接API | Bedrock(Invoke API) | Bedrock + Mantle |
|---|---|---|---|
| 認証方式 | Anthropic APIキー | AWS SDK標準チェーン | AWS SDK標準チェーン |
| WebSearch | 利用可 | 利用不可 | 利用不可 |
| 1Mコンテキスト | モデル依存 | 対応3系統は標準/他は[1m]サフィックス | Sonnet 5で常時1M |
| Guardrails | なし | 対応 | 対応 |
| プロンプトキャッシュ | 対応 | リージョン依存 | リージョン依存 |
| コスト管理 | Anthropicコンソール | AWS Cost Explorer | AWS Cost Explorer |
| 必要な環境変数 | ANTHROPIC_API_KEY | CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 | CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 + CLAUDE_CODE_USE_MANTLE=1 |
セットアップ後のトラブルシューティングと展開チェックリスト
Claude Code Bedrockの設定が完了したら、/statusで接続状態を確認する。ここでモデルIDとリージョンが意図通りに表示されていれば設定は正常だ。
よくある問題とその原因を整理する。
モデルアクセスエラー:Bedrockのモデルカタログからuse case formを提出していない場合に発生する。AWS Organizationsを使う環境では管理アカウントの一括許可を確認する。
リージョン不一致:v2.1.172未満のバージョンではリージョン解決の優先順序が異なる場合がある。claude --versionでバージョンを確認し、必要に応じてアップデートする。インストール手順は Claude Code インストールガイド を参照のこと。
SSOセッション切れ:awsAuthRefreshの設定漏れが原因であることが多い。CIではAWS_BEARER_TOKEN_BEDROCKによる明示的なBedrockAPIキー認証が安定する。
チーム展開前の最終チェックリスト:
- [ ]
CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1が全メンバーの環境または共有設定ファイルに存在する - [ ] モデルピン(
ANTHROPIC_DEFAULT_*_MODEL)がチームの設定リポジトリで管理されている - [ ] 専用AWSアカウントでCost Explorerの予算アラートが設定されている
- [ ] IAMに
bedrock:InvokeModelとbedrock:InvokeModelWithResponseStreamが付与されている - [ ]
/statusで期待するモデルIDとリージョンが表示されることを確認済み - [ ] Guardrailsが必要な場合は
ANTHROPIC_CUSTOM_HEADERS設定済み
より高度なエンタープライズ展開やコスト最適化については、Bedrock以外のモデル・プロバイダとの比較を扱う記事も参考になる。Claude Codeの基本的な使い方は Claude Code の使い方ガイド に、他モデル・プロバイダとの接続は Claude Codeを他モデルで使う解説 に、チーム展開の運用は Claude Code Teamの解説 にまとめてある。Claude CodeとCursorなど他ツールとの選定比較を検討する場合は Claude Code vs Cursor 比較 も参照されたい。
参考文献
- Claude Code on Amazon Bedrock(公式ドキュメント): https://code.claude.com/docs/en/amazon-bedrock
- Amazon Bedrock 上の Claude Code(公式ドキュメント日本語版): https://code.claude.com/docs/ja/amazon-bedrock
- AWSの生成AIサービスとセキュリティ対策(AWSジャパン提出資料・総務省AIセキュリティ分科会掲載): https://www.soumu.go.jp/main_content/001039083.pdf
- Amazon Bedrock Pricing(AWS公式): https://aws.amazon.com/bedrock/pricing/
- Claude Code on Amazon Bedrockのデプロイパターンとベストプラクティス(AWS Japan Blog): https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/claude-code-deployment-patterns-and-best-practices-with-amazon-bedrock/
- Claude Sonnet 4.6 が Amazon Bedrock で利用可能になりました(Classmethod): https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-bedrock-claude-sonnet-4-6/
監修
河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)
AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
運営会社について | 編集方針
Study about AI
AIについて学ぶ
-
AI面接の通過率を上げる受け方|落ちる人の共通点と今すぐできる対策
「手応えがあったのに、なぜ落ちたのだろう」——AI面接のフィードバックを何度読み返しても、どこが悪かったのか腑に落ちない。その感覚はおかしくない。AI面接の評価...
-
新卒の面接対策|就活で評価される準備と答え方
「何を答えるか」は準備できた。エントリーシートも添削してもらった。でも、いざカメラの前で話すと言葉に詰まり、自分の表情が固まっているかどうかもわからない——就活...
-
AI面接の服装|録画・オンライン面接で好印象な身だしなみ
結論:AI面接の服装は「対面と同じ清潔感」でOK——開発側から理由を説明する 先に答えを出す。AI面接の服装は、対面面接と同じ清潔感を保てばそれで十分だ。私服で...