blog

Claude Code on the web(Claude Code Web版)とは?使い方・料金・CLIとの違い・制限を解説

Claude Code on the web 完全技術ガイド:仕組み・制限・使い分け

Claude Code on the web(Claude Code Web版)は、ブラウザの claude.ai/code から使えるClaude Codeです。自分のパソコンではなく、Anthropicが管理するクラウド上の仮想マシンでClaudeが作業します。GitHubのリポジトリをつないで作業を頼むと、Claudeがコードを変更してブランチをpushし、差分の確認からプルリクエストの作成までブラウザ上で進められます。

Pro・Max・Teamプランと、Enterpriseのpremium席またはChat+Claude Code席で使えます。利用量は契約プランの上限に数えられ、クラウドの仮想マシンに対する別料金はありません(2026年10月10日、Anthropic公式ドキュメントで確認)。この記事では、始め方、ローカルのCLIとの違い、料金、制限事項を順に解説します。

関連記事Claude Code(クロードコード)とは?できること・料金・使い方を初心者にもやさしく解説【2026年版】 / Claude Code 使用量を完全制御する実装ガイド【2026年版】 / Claude Code ログイン方法・できない時の対処法|2026年版ガイド

Claude Code on the web(Web版)とは

claude.ai/code で提供される Claude Code on the web は、Claude Codeのエージェント実行をAnthropicが管理するクラウドインフラ上に委譲する機能だ。Pro・Max・TeamプランのユーザーおよびEnterpriseのpremium席またはChat+Claude Code席が対象となる(Anthropic公式ドキュメント)。

ローカル実行との最も本質的な違いは「エージェントがどのマシンで動いているか」という一点だ。ローカル実行ではエンジニアのマシン上でエージェントが走り、ローカルのファイルシステム・ツール・設定にフルアクセスできる。対して Claude Code on the web では、Anthropic管理のサンドボックスVM上でリポジトリをcloneして作業し、完了後にブランチをGitHubへpushする。ブラウザを閉じてもセッションは継続し、Claudeモバイルアプリから進捗を監視することも可能だ。

公式ドキュメントが示す Claude Code on the web の適性シナリオは次のとおりだ。

  • 並列タスク実行:独立した複数タスクをそれぞれ別セッション・別ブランチで同時進行させ、ローカルのworktree管理を不要にする
  • ローカルにcheckoutしていないリポジトリへの作業:毎セッションfreshにcloneするため、開発機のディスク容量を消費しない
  • 非同期処理に向いたタスク:明確に定義されたタスクを投げて別作業をこなし、完了後にPRをレビューする
  • コードベースの調査・探索:ローカルcheckoutなしにコードの流れやフィーチャーの実装を追う

一方、ローカル設定・独自ツール・特殊な開発環境に依存するタスクはローカル実行またはRemote Controlの方が適している。どちらが正解かはタスクの性質次第であり、「web版の方が優れている」という単純な結論にはならない。

ブラウザ/モバイルアプリAnthropic管理クラウドVMGitHubclone → pushPRレビュー・追加編集① タスク投入② エージェント実行③ コード変更④ 成果物確認ブラウザを閉じてもセッション継続・モバイルから監視可能
図1:Claude Code on the webのセッション実行フロー。ブラウザ/モバイルからタスクを投入すると、Anthropic管理のクラウドVM上でエージェントが動作してGitHubへブランチをpushし、そのままPRレビューへ移行する。セッションはブラウザを閉じても継続する(出典:Anthropic公式ドキュメント)。

Claude Code on the web を使い始めるための基本的なセットアップ手順は Claude Code はじめ方ガイド にまとめている。料金体系と各プランの差異については Claude Code 料金の詳細解説 を参照してほしい。

Claude Code on the webの始め方——GitHub連携から最初のタスクまで

必要なのは、対象プランのClaudeアカウントとGitHubのリポジトリです。ローカルへのインストールは要りません(出典:Anthropic公式ドキュメント「クラウドでClaude Codeを始める」)。

最初に1回だけ行う準備

  1. claude.ai/code を開く:claude.ai/code にアクセスし、Claudeのアカウントでサインインします。
  2. GitHubと連携する:画面の案内に従ってGitHubの認可画面で承認します。この連携で公開リポジトリはcloneできます。非公開リポジトリで作業させるには、そのGitHubアカウントや組織にClaude GitHub Appをインストールします。Team・Enterpriseプランでは、Claudeの組織のオーナーが先にGitHubコネクタを有効にしておく必要があります。
  3. Default環境を用意する:クラウド環境は、ネットワークアクセスの範囲や、セッション開始時に実行する処理を保存した設定です。Pro・Maxでは「Default」という環境が自動で作られます。Team・Enterpriseでは最初の環境を作るフォームが表示されるので、初期値のまま作成します。

GitHub CLI(gh)を使っている場合は、ターミナルのClaude Codeで /web-setup を実行して連携することもできます。

タスクを頼む

  1. リポジトリとブランチを選ぶ:入力欄の下でリポジトリを選びます。ブランチも選べます。複数のリポジトリを追加することもできます。
  2. 権限モードを選ぶ:クラウドのセッションで選べるのはAuto・Accept edits・Planの3つです。Planは、Claudeが進め方を提案し、承認されるまでファイルを編集しません。ManualとBypass permissionsは選べません。
  3. やってほしいことを書いて送る:「セットアップ手順を書いたREADMEを追加して」「tests/test_auth.py の失敗している認証テストを直して」のように、ファイルや関数の名前を入れて具体的に書きます。エラーの出力があれば貼り付け、症状だけでなく期待する動きも書くよう、公式は勧めています。

タスクごとに別のセッションと別のブランチが作られるので、1つ目が終わるのを待たずに次を頼めます。

結果を確認してプルリクエストを作る

  1. 差分を開く:「+42 -18」のような表示を選ぶと差分の画面が開きます。
  2. 行にコメントを付ける:差分の行を選んで指摘を書くと、次のメッセージと一緒にClaudeへ渡されます。
  3. プルリクエストを作る:差分の画面の上部にある「Create PR」を選びます。通常のPR・下書きのどちらでも作れます。
  4. PRのあとも続ける:セッションはPRを作ったあとも続きます。CIの失敗内容やレビューコメントを貼り付けて、対応を頼めます。

ローカルのCLI・Remote Controlとの違い

Claude Codeの動き自体はどこでも同じです。変わるのは、セッションがどこで動くかと、ローカルの設定が使えるかどうかです。公式ドキュメントは、次の3つを比較しています。

項目クラウドのセッション(Web版)ローカルのセッションローカル+Remote Control
コードが動く場所クラウドの仮想マシン(既定はAnthropicが管理)自分のパソコン自分のパソコン
始める場所claude.ai/code、Claudeのモバイルアプリ、デスクトップアプリ(Cloudを選択)、claude --cloudターミナル、IDE、デスクトップアプリ(Localを選択)ターミナル、VS Code拡張、デスクトップアプリ
やり取りする場所claude.ai、モバイルアプリ、デスクトップアプリ始めた場所始めた場所に加えて、claude.aiとモバイルアプリ
ローカルの設定を使うか使わない(リポジトリの中身だけ)使う使う
GitHubが必要か必要(--cloud でローカルのリポジトリを送る方法もある)不要不要
接続が切れても動き続けるか動き続ける止まるパソコン上でセッションが開いている間は続く
権限モードAccept edits・Plan・Autoターミナルではすべてのモードclaude.aiとモバイルアプリからはManual・Accept edits・Plan・Auto
ネットワークアクセス環境ごとに設定できる自分のパソコンのネットワーク自分のパソコンのネットワーク

出典:Anthropic公式ドキュメント「クラウドでClaude Codeを始める」(2026年10月10日確認)

ローカルの設定やツール、手元の開発環境が必要な作業は、ローカルで動かすか、Remote Controlを使うほうが向いています。デスクトップアプリから使う場合はClaude Code Desktopの解説も参考にしてください。

Claude Code on the webの料金と使えるプラン

Web版だけの料金はありません。対象のプランを契約していれば、その利用量の範囲で使えます。

  • 使えるプラン:Pro・Max・Teamプラン、およびEnterpriseのpremium席またはChat+Claude Code席。
  • クラウドの仮想マシンに別料金はかからない:各セッションの利用量は、ほかのClaudeやClaude Codeの利用と合わせて、契約プランの上限に数えられます。
  • 並列で動かすと、その分だけ利用量が早く減る:レート制限はアカウント内のすべての利用で共有され、複数のタスクを同時に動かすと比例して消費されます。
プラン料金(個人向け)Web版
Free無料対象外
Pro月額20ドル(年払いは月あたり17ドル)使える
Max月額100ドルから使える
Team・Enterprise公式の料金ページを参照使える(Enterpriseは席の種類による)

料金はClaude公式の料金ページ、対象プランと利用量の扱いはAnthropic公式ドキュメントによります(いずれも2026年10月10日確認)。プランの選び方はClaude Codeの料金プラン解説にまとめています。

クラウド環境の設定:GitHub認証・セットアップスクリプト・ネットワーク

Claude Code on the web の実運用で技術的に重要なのは、クラウド環境をどこまで自分たちで制御できるかという点だ。公式ドキュメントによれば、セットアップスクリプト・依存関係管理・ネットワークアクセスレベルをそれぞれ構成可能とされている(Anthropic公式ドキュメント)。

GitHub認証の2方式

クラウドセッションがリポジトリにアクセスするには、以下2方式のいずれかでGitHub認証を設定する必要がある。

認証方式 仕組み 向いているケース
GitHub App webオンボーディング時にClaude GitHub Appを認可 ブラウザからのオンボーディング・Auto-fix PRを活用するチーム
/web-setup ターミナルで /web-setup を実行し、ローカルの gh CLIトークンをClaudeアカウントに同期 すでに gh CLIを使っている個人開発者

GitHub Enterprise ServerへのアクセスはTeam・Enterpriseプランで対応している。一方、GitLabやBitbucketは現時点でローカルバンドルの送付のみで、クラウドセッションからのブランチpushには対応していない。プラットフォーム選定の段階でこの制約は必ず確認しておく必要がある。

セッション実行の順序と環境構成

タスクを投入したあと、クラウドVM内では次の順序で処理が進む。

  1. リポジトリのcloneとセットアップスクリプトの実行
  2. エージェントによるコード分析・変更・テスト実行
  3. ブランチのpush

インターネットへのアクセスは、環境ごとに設定したアクセスレベルに従う。

セッションはブランチpush後も閉じない。PR作成・追加編集・レビューコメントへの返答もすべて同一会話内で継続できる構造になっている。

ネットワークアクセスの4つのレベル

クラウド環境ごとに、セッションから外部へ出ていく通信の範囲を1つ選ぶ(出典:Anthropic公式ドキュメント「クラウド環境」)。

レベル外部への通信
Noneセッションのネットワーク経由の外部通信なし
Trusted(既定)許可リストにあるドメインのみ(パッケージレジストリ、GitHub、クラウドSDKなど)
Fullすべてのドメイン
Custom自分で決めた許可リスト(既定のリストを含めることもできる)

Anthropicが管理する環境では、GitHubへの操作はすべて専用のプロキシを通り、実際のGitHubの認証情報は仮想マシンの外に置かれる。セキュリティポリシーが厳格な組織では、どのレベルを選ぶかが導入可否の判断材料になりうる。

セットアップスクリプトと環境キャッシュ:クラウドセッションを速く・再現可能にする実務設計

Claude Code on the web を並列運用する際に体感速度と再現性を大きく左右するのが、セットアップスクリプトと環境キャッシュの設計だ。クラウドセッションは毎回リポジトリをfreshにcloneするため、依存関係のインストール方法を誤ると毎セッションで長い待ち時間が発生する。公式ドキュメントによれば、セットアップスクリプトは初回実行後にファイルシステムがスナップショット化され、以降のセッションはそのスナップショットを起点に起動する。依存ツールやDockerイメージがディスク上に載った状態で始まるため、2回目以降は起動が速い(Anthropic公式ドキュメント)。

この仕組みを活かすうえで、公式が示す運用上の勘所は次のとおりだ。

設計項目公式が示す指針実務上の意味
スクリプトの実行時間総実行時間を目安5分以内に収めるとキャッシュが構築される5分を超えるとキャッシュが効かず毎回フルインストールになりうる
独立したインストールの並列化& と wait で並行実行する言語ランタイムと各種CLIを同時に取得し時間を短縮
5分に収まらない大きな取得SessionStartフックに移し、バックグラウンドで起動する大容量ダウンロードでキャッシュ構築を妨げない
キャッシュの再構築タイミングスクリプト・許可ホスト変更時、および目安7日の有効期限到達時環境定義を変えた直後は再ビルドが走る前提で計画する

役割分担も重要だ。セットアップスクリプトは「クラウドには無いがローカルには既にあるもの(言語ランタイムやCLIツール)」の準備に使い、SessionStartフックは「クラウド・ローカル双方で毎回走らせたいプロジェクト初期化(npm install など)」に使い分ける。キャッシュが保存するのはファイルであってプロセスではないため、スクリプトが起動したサービスやコンテナはセッションごとに立て直す必要がある点にも注意したい。

コンテナ利用については、クラウド環境で docker compose が利用でき、Docker Hub 等の主要レジストリはデフォルトの許可ドメインに含まれる。イメージのpullやbuildをセットアップスクリプトに組み込めばキャッシュに載り、以降のセッションはディスク上のイメージから起動できる。ただしベースイメージ自体を自前のDockerイメージに差し替えることは現時点では未対応で、提供イメージの上に必要なものを載せるか、docker compose で自分のイメージを並走させる形になる。加えて、安全策として、ブランチの削除や、タグなどブランチ以外のpushはプロキシが拒否する(どのブランチを更新できるかは制限されないため、必要ならGitHub側のブランチ保護ルールを使う)。これらの制約と最適化を導入前に把握しておくことが、並列セッションを実運用に乗せる分かれ目になる。

ターミナルとクラウドの間でセッションを移す:--cloud と --teleport

Claude Code on the web の技術的に興味深い機能の一つが、ターミナルとクラウドをまたいだタスクの受け渡しだ。公式ドキュメントでは2つのフラグが定義されている(Anthropic公式ドキュメント)。

  • --cloud(旧表記の --remote も非推奨のエイリアスとして動作):ターミナルから、現在のリポジトリを対象に新しいクラウドセッションを作成してタスクを投げる。タスクはクラウド側で走り、手元では別の作業を続けられる。なお引き継ぎは一方向で、進行中のローカルセッション自体をwebへ移すことはできない。
  • --teleport:逆方向。クラウドで走っているセッションをローカルへ引き継ぐ。ローカルの設定やファイルシステムを活用した追加作業が必要になったタイミングで使う。

いずれも同一アカウント認証が必須条件だ。異なるアカウント間でのセッション移動は設計上サポートされていない。チーム開発でサービスアカウントを共有している場合、この制約が運用上のボトルネックになる可能性がある。事前に認証設計を整理しておく必要がある。

このセッション移動の詳細な仕様については Claude Code クロスサーフェス操作ガイド で掘り下げている。

CIの失敗やレビューコメントへの自動対応(Auto-fix)は、次の「プルリクエストの自動修正」で説明する。

なお、スラッシュコマンドを活用した操作の詳細については Claude Code スラッシュコマンド解説 を参照してほしい。

Claude Code・AIエージェントの業務導入をご検討の方は、自社での開発実例を公開しているクリスタルメソッドの無料相談をご利用ください。

プルリクエストの自動修正(Auto-fix)

Claude Code on the webでは、Claudeにプルリクエストを見張らせ、CIの失敗やレビューコメントに自動で対応させることができます。使うには、リポジトリにClaude GitHub Appをインストールしておく必要があります。Auto-fixはPRごとのオン・オフです。

PRの状況オンにする方法
クラウドセッションで作ったPRclaude.ai/code でセッションを開き、CIステータスバーから「Auto-fix」を選ぶ
ターミナルで作業中のPRPRのブランチで /autofix-pr を実行(ghで開いているPRを見つけ、クラウドセッションを作ってAuto-fixをオンにする)
スマートフォンからモバイルアプリで「このPRを見張ってCI失敗とレビューコメントを直して」のように頼む
既存のPRPRのURLをセッションに貼り、Auto-fixを頼む

Claudeは修正内容に確信があり、これまでの指示と矛盾しなければ、修正してプッシュします。レビューコメントの解釈が分かれる場合や設計に関わる場合は、先に確認を求めます。なお、ベースブランチが進んでマージコンフリクトが起きてもGitHubから通知が来ないため、コンフリクトは自動では直りません。セッションでリベースを頼みます。また、Claudeがレビューコメントに返信すると、自分のGitHubアカウント名で投稿されます。コメントをきっかけに動く自動化(Atlantis等)を使っているリポジトリでは注意が必要です。

セッションの操作:差分確認・共有・アーカイブ・削除

操作やり方注意点
変更を確認するセッションの差分表示(例:+42 -18)を選ぶと差分ビューが開く行にインラインコメントを残すと、次のメッセージでClaudeに渡せる。「Compare against」で比較先ブランチを変えられる
権限モードを変えるモードのドロップダウンから選ぶタスク作成時にも実行中にも変更できる
コンテキストを整理する/compact(要約して空きを作る)・/context(中身を表示)/clearは使えない(サイドバーから新しいセッションを始める)
共有する可視性を切り替えてリンクを渡すTeam/EnterpriseはPrivateとTeam、Pro/MaxはPrivateとPublic。Publicはclaude.aiにログインした誰でも見られるため、非公開リポジトリのコードや認証情報が含まれていないか確認する
アーカイブするサイドバーでセッションにマウスを合わせてアーカイブアイコン一覧から隠れるが、フィルターで表示できる
削除するアーカイブ済みから削除アイコン、またはセッションメニューの「Delete」完全に消え、取り消せない

うまく動かないとき(よくあるエラーと対処)

症状主な原因と対処
Session creation failed/準備中のまま進まないクラウド側でVMを割り当てられなかった状態。status.claude.com で障害を確認し、1分ほど待って再試行する。GitHub連携がリポジトリに届いているかも確認する
Unable to get organization UUIDclaude --cloud と claude --teleport は claude.ai アカウントでのサインインが必要。APIキー認証では使えない
API Error: 500・529 Overloaded・429・Prompt is too longCLIやDesktopと共通の実行時エラー。公式のエラーリファレンスの対処に従う

出典:Anthropic公式ドキュメント「Claude Code on the web」(2026年10月6日確認)

Claude Code on the webの制限事項と注意点

導入を判断する際には、公式ドキュメントが明記している制限を正確に把握しておく必要がある。以下はすべて公式に明記された制約事項だ(Anthropic公式ドキュメント)。

レート制限の共有消費

クラウドVM自体の追加課金は発生しないが、レート制限はアカウント内のすべてのClaude・Claude Code利用と共有される。並列セッションを複数走らせると、それに比例してレート制限が消費される。チームで複数人が同時に Claude Code on the web を使う構成では、レート枯渇のリスクを事前にシミュレーションしておくべきだ。プランごとの具体的なレート制限については Claude Code 料金・レート制限の詳細 を参照してほしい。

組織のIPアローリストとの競合

最も見落としがちな制約がIPアローリストとの競合だ。GitHubや社内サービスに対してIPアローリストを有効にしている場合、Anthropicのクラウドセッションからのアクセスは認証エラーで全滅する。Code ReviewやRoutinesも同様に影響を受ける。対処方法はAnthropicサポートへの除外申請であり、申請・承認サイクルが発生する点を導入計画に織り込む必要がある。

gitホスティングサービス別の対応状況

プラットフォーム clone ブランチpush 備考
GitHub.com 対応 対応 全プラン
GitHub Enterprise Server 対応 対応 Team・Enterpriseプランのみ
GitLab ローカルバンドル送付のみ 不可 クラウドセッションからのpushは未対応
Bitbucket ローカルバンドル送付のみ 不可 クラウドセッションからのpushは未対応

実行方式別のトレードオフ比較

実装方式選択の判断軸を整理するため、実行形態ごとの比較を以下にまとめる。

判断軸 Claude Code on the web ローカル実行(CLI) デスクトップアプリ
実行場所 Anthropicクラウド ローカルマシン 両方(切替可能)
ローカル環境・ツール依存 不可 可 ローカル実行時のみ可
並列タスク管理 容易(VM単位で分離) worktree管理が必要 クラウドセッション時は容易
セッション永続性 ブラウザを閉じても継続 プロセス終了で切断 方式による
GitHub以外のgitホスト 制限あり(push不可) 制限なし ローカル実行時は制限なし
IPアローリストとの競合 あり(要除外申請) なし クラウドセッション時はあり
VM追加課金 なし なし なし

セキュリティアーキテクチャの概要

公式ドキュメントは、クラウドのセッションが利用者のパソコンや他のセッションから分離される仕組みとして、次の点を挙げている(Anthropic公式ドキュメント)。

  • 分離された仮想マシン:各セッションは、Anthropicが管理する分離された仮想マシンで動く。
  • ネットワークアクセスの制御:既定で通信先が制限されており、無効にすることもできる。
  • 認証情報の保護:gitの認証情報や署名鍵はサンドボックスの外に置かれ、プロキシが範囲を絞った認証情報で代わりに認証する。
  • ネットワークシークレット:Pro・Maxプランでは、クラウド環境に追加したキーも同じようにサンドボックスの外に置かれる(Team・Enterpriseプランにはまだない)。
  • 安全な分析:コードはセッションの分離された環境の中で分析・変更され、そのあとでPRが作られる。

Claude Code全体の安全面については Claude Codeとは も参照してほしい。

実際に1年以上Claude Codeを使い倒して分かった、web版の使いどころ

クリスタルメソッドは日常の開発業務でClaude Codeを1年以上運用しています。その実感で言うと、Claude Code on the webは「ローカルCLIの代わり」ではなく「ローカルで走らせているセッションを、外出先や別端末から一時的に覗く・拾い上げるための窓口」として使うと相性が良いです。–cloudは手元のリポジトリを対象に新しいタスクをクラウドへ投げたいとき(進行中のローカルセッション自体は持ち出せません)、–teleportは逆にクラウドで進めたタスクの続きをローカルの使い慣れた環境(エディタ統合やCLAUDE.mdのプロジェクト固有ルールが効く状態)に引き戻したいときに使い分けています。web版だけで完結させようとすると、CLAUDE.mdに書いているプロジェクト固有の作業ルールや、ローカルにしか置いていない設定への参照でつまずく場面があるため、クリスタルメソッドは「重い設計判断や複数ファイルにまたがる変更はローカルCLI、外出先での軽い確認・タスク投げっぱなしはweb版」という役割分担で運用しています。

また制限事項として挙がるIPアローリストは、社内外で複数拠点から接続する体制だと事前の登録漏れでアクセスが弾かれることがあるため、web版を使い始める前に接続元IPの棚卸しをしておくことをおすすめします。レート制限がローカルCLIと共有される点も、並行してローカルで大きめのタスクを流している最中にweb版から追加のセッションを立てると制限に触れやすくなるため、体感としてはローカルとweb版を完全に同時並走させるのではなく、ローカルの重いタスクが一段落したタイミングでweb版に切り替える運用のほうがつまずきが少ないと感じています。

どんな使い方から始めるか——導入時の判断ポイント

クラウドのセッションでも、Claude Codeの動き自体はローカルと同じである。違うのは、どこで動くかと、ローカルの設定が使えるかどうかだ。

本番運用への全面移行より、まず並列タスク消化や非同期レビューサイクルの改善といった限定的なユースケースで評価することが現実的な導入戦略だ。

導入前に押さえておきたい判断ポイントを整理すると次のとおりになる。

  • GitHubへの依存:GitLabやBitbucketをメインで使うチームは、現時点ではクラウドセッションからのpushができない。この制約が解消されるまでは、局所的な用途に限定するのが妥当だ。
  • IPアローリストの事前確認:組織のアクセス制御ポリシーをあらかじめ調査し、クラウドIPの除外申請が必要かどうかを導入前に確定させる。申請から承認まで時間がかかる可能性がある。
  • レート制限の消費設計:並列セッション数を増やすほどレート制限が早く枯渇する。チーム規模に応じた利用計画を立て、必要であれば上位プランへの移行を検討する。
  • セッション受け渡しの認証設計:--cloud / --teleport は同一アカウント認証が必須。サービスアカウントや共有アカウントの運用設計を見直す必要がある場合がある。

Claude Code on the web とローカルCLIの詳細な技術比較については Claude Code vs Cursor 技術比較 および Claude Code vs Codex 比較 も参考になる。CLI側の初回セットアップの全体像は Claude Code インストールガイド に詳述している。APIを通じた利用コストの把握については Claude Code API料金解説 を参照してほしい。


よくある質問

Q. Claude Code on the webとは何ですか?
A. claude.ai/codeで提供される機能で、Claude Codeのエージェント実行をAnthropicが管理するクラウドインフラ上に委譲するものです。Pro・Max・TeamプランのユーザーおよびEnterpriseのpremium席またはChat+Claude Code席が対象です。

Q. ローカル実行とClaude Code on the webの本質的な違いは何ですか?
A. 「エージェントがどのマシンで動いているか」という一点です。ローカル実行はエンジニアのマシン上でエージェントが走りローカルのファイルシステム・ツール・設定にフルアクセスできますが、Claude Code on the webではAnthropic管理のサンドボックスVM上でリポジトリをcloneして作業し、完了後にブランチをGitHubへpushします。ブラウザを閉じてもセッションは継続します。

Q. Claude Code on the webが向いているシナリオはどんなものですか?
A. 独立した複数タスクを別セッション・別ブランチで同時進行させる並列タスク実行、ローカルにcheckoutしていないリポジトリへの作業、明確に定義されたタスクを投げて完了後にPRをレビューする非同期処理、ローカルcheckoutなしにコードを追う調査・探索です。

Q. GitHub認証にはどんな方式がありますか?
A. 2方式あります。webオンボーディング時にClaude GitHub Appを認可する「GitHub App」方式と、ターミナルで/web-setupを実行しローカルのgh CLIトークンをClaudeアカウントに同期する方式です。

Q. –cloudと–teleportはどう違いますか?
A. –cloud(旧表記–remote)はターミナルから現在のリポジトリを対象に新しいクラウドセッションを作成してタスクを投げるもので、進行中のローカルセッション自体をwebへ移すことはできない一方向の引き継ぎです。–teleportは逆に、クラウドで走っているセッションをローカルへ引き継ぎます。いずれも同一アカウント認証が必須です。

Q. Claude Code on the webの制限事項にはどんなものがありますか?
A. レート制限はアカウント内のすべてのClaude・Claude Code利用と共有されます。組織がIPアローリストを有効にしている場合、クラウドセッションからのアクセスは認証エラーになり、Anthropicサポートへの除外申請が必要です。GitLabやBitbucketは現時点でローカルバンドル送付のみで、クラウドセッションからのブランチpushには対応していません。

Q. セットアップスクリプトのキャッシュはどう働きますか?
A. 初回実行後にファイルシステムがスナップショット化され、以降のセッションはそのスナップショットを起点に起動するため2回目以降は起動が速くなります。総実行時間を目安5分以内に収めるとキャッシュが構築され、5分を超えるとキャッシュが効かず毎回フルインストールになりえます。キャッシュはスクリプト・許可ホスト変更時、および目安7日の有効期限到達時に再構築されます。

Q. Claude Code on the webの利用に追加料金はかかりますか?
A. Web版だけの料金はありません。Pro・Max・Teamプランと、Enterpriseのpremium席またはChat+Claude Code席で使えます。各セッションの利用量は契約プランの上限に数えられ、クラウドの仮想マシンに対する別料金はありません。複数のタスクを並列で動かすと、その分だけ利用量が早く減ります。

Q. クラウド環境でDockerは使えますか?
A. docker composeが利用でき、Docker Hub等の主要レジストリはデフォルトの許可ドメインに含まれます。ただし、ベースイメージ自体を自前のDockerイメージに差し替えることは現時点では未対応です。


参考文献

関連記事

監修

河合 継(クリスタルメソッド株式会社 代表取締役)

AI・ディープラーニングに関する特許16件の発明者。過去、国立がん研究センターとの共同研究や、テレビ番組でのAI解説実績を持つAI研究者として、AIの研究開発を主導している。
運営会社について | 編集方針

Claude Code・AIエージェントの業務活用をご検討の方へ

クリスタルメソッドは、Claude Codeを実務投入している開発会社として、AIエージェント・社員AIの導入と開発効率化を支援しています。自社サイトの表示速度をAI社員(Claude Code)で12.89秒→2.03秒に短縮した実例も事例記事として公開しています。「自社の開発・業務にAIをどう組み込むか」といったご相談を承っています。

AIブログ購読

 
クリスタルメソッドがお届けする
AIブログの更新通知を受け取る

Read next

あわせて読みたい

  • 対話・チャットLLMのイメージ

    Claude Code(クロードコード)とは?できること・料金・使い方を初心者にもやさしく解説【2026年版】

    ターミナル上で動作するAIエージェント型コーディングツールのイメージ Claude Code(クロードコード)とは、Anthropic社が提供するAIツールです...

  • Claude Code 使用量を完全制御する実装ガイド【2026年版】のイメージ

    Claude Code 使用量を完全制御する実装ガイド【2026年版】

    最終更新:2026年7月29日 よくある質問:Claudeの使用量・上限について Claudeの使用量上限とは? Claude(Claude.aiのチャット、お...

  • claude code ログインできない|2026年版ガイド

    Claude Code ログイン方法・できない時の対処法|2026年版ガイド

    Claude(クロード) Codeを使おうとしたら「ログインできない」「認証エラーが出る」「コマンドが通らない」――そんな状況で作業が止まってしまった経験はあり...

View more